空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

エビスとプレモルの黒ビールを、ギネスのエクストラ・スタウトと飲み比べてみた

 酒屋の店頭で、たまたまエビスプレミアム・ブラックとサントリーのザ・プレミアム・モルツ〈黒〉を見かけた。
 で、その国産大手メーカーの黒ビールを、世界の黒ビールの雄ギネスエクストラ・スタウトと飲み比べてみようと思い立った。

エビス・ブラックP1100703

 まずエビスプレミアム・ブラックだが、本当に色が濃い。グラスに注いでみるとコーヒーより濃い感じで、殆ど黒に近い色をしている。
 苦みは割とあるが、ローストした麦芽のそれと言うより、ホップが効いているという感じだ。
 しかしその苦さも決して不快なものではなく、「力強く、かつ美味しい」と言える範囲内だ。
 味も香りもあまり繊細なタイプではないが、コクがしっかりある。
 苦さの中に酸味もあるという感じだ。
 基本的にはあまり急がずじっくり飲むビールだと思うが、よく冷やしてゴクゴク飲んでも悪くない。

 ギネスのエクストラ・スタウトと比べると、ギネスの方がローストした麦芽の風味が強い。
 が、飲み比べるとエビスの方がコクがあり、ホップの苦みも強いのがよくわかる。その分だけ、ギネスの方がスイスイ飲みやすいと言えるかも知れない。
 逆に言えば、エビスのプレミアム・ブラックの方がより味わい深い印象もある。

 これは筆者の注ぎ方の問題かも知れないが、泡はギネスの方が細かくクリーミーだった。

サントリー・プレモル黒P1100762

 さて、続いてザ・プレミアム・モルツ〈黒〉だが、これはプルタブを開けグラスに注いだ時から爽やかな香りがする。僅かながら、フルーティーさも感じる。
 ただその分だけ、ローストされた麦芽の香ばしさやホップの苦みも、3種の黒ビールの中で最も弱い。

 しかし、だからこそ飲み比べた黒ビールの中で一番スムースに飲める。別に黒ビールが好きでない人でも、殆ど抵抗無く飲める筈。

 色はもちろん、コーヒーのような濃い色なのだが。
 しかし味と香りの点では、本格的な黒ビールと言うより「ちょっと苦めな良いビール」という感じ。
 黒ビールなのに、苦さだけでなく少しだがフルーティーさや甘さすら感じる。
 もちろん苦さは他のプレモルより強いのだが、後味は爽やかで、口の中に残る適度な苦みが心地良い。

 はっきり言うが、このプレモル〈黒〉は本格派の黒ビールと言うより、普通のビールが好きな人がちょっと趣向を変えて飲むのに良い感じだ。
 本格的な黒ビールが好きな人は「少し物足りない」と思うかも知れないし、普通のビール好きは「少し苦いかな」と思うかも知れない。
 しかしこれを飲んで「まずい」と言う人は殆どいないと思う。
 やや中途半端と言えなくもないが、黒ビールらしい味わいだけでなく、普通のビールとしての美味さもあるからだ。

 コクやローストされた麦芽の香ばしさを求める人には、エビスのプレミアム・ブラックやギネスのエクストラ・スタウトの方が向いている。しかしどちらも、好き嫌いがあり飲む人を選ぶはずだ。
 それに対しプレモルの〈黒〉は、全てのビール好きに勧められる出来の良さがある。
 意地の悪い言い方をすれば、プレモルの〈黒〉は熱心なファンを持つというより、嫌う人は少ないだろうというビールだ。

 ギネスのエクストラ・スタウトやエビスのプレミアム・ブラックは、黒ビール好きの為の黒ビールという印象だ。
 それに対しプレモルの〈黒〉は、本当の黒ビール好きにはやや物足りなさがある。黒ビールとしては、もう少しコクや麦芽のローストした感じがほしい。
 しかしこの限定醸造のプレモルの〈黒〉が、「ビール」しては出来が良く美味しいものであることには間違いない。

 国産の黒ビールと言えば、以前キリン一番搾りスタウトも飲み、その感想をこのブログにも書いた。
 麦芽をローストした香ばしさでは、今回取り上げた3種の黒ビールのどれよりも、キリン一番搾りスタウトが強い。
 ただ濃い色とローストされた麦芽の香ばしさに似合わず、意外に軽めの味わいでスッキリ飲みやすかった。だからこれも、プレモルの〈黒〉とは違った意味で黒ビール好きにはやや物足りなさの残る印象だった。

 で、エビスのプレミアム・ブラックにプレモル〈黒〉とギネスのエクストラ・スタウト、それにキリン一番搾りスタウトも加えた印象だが。
 しっかりした飲みごたえのある黒ビールが好きな方には、コクとホップの苦みが美味しいエビスのプレミアム・ブラックか、ローストされた麦芽の風味が生きているギネスのエクストラ・スタウト。
 黒ビールという事にこだわらず、ただ美味しいビールを飲みたい方には、プレモル〈黒〉。
 重いのは苦手だが、飲みやすく、かつローストした麦芽の香ばしさを求める方にはキリン一番搾りスタウトという印象だ。

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日本は民間の戦災死傷者にひどく冷たい

国民は戦争を望まない。しかし決めるのは指導者で、国民を戦争に引きずり込むのは簡単である。外国に攻撃されつつあると言えばいい。それでも戦争に反対する者に対しては『愛国心がない』と批判するだけでいい

 これが誰の言葉か、皆さんはご存知だろうか。
 あのナチスドイツの国家元帥で、ヒトラーの後継者にも指名されていたヘルマン・ゲーリングの言葉である。

 近年の日本でも、このナチス流の言動が横行しているように思える。
 何かと言えば北朝鮮だけでなく中国の脅威を言い立て、それに同調しない者には「非国民」だの「売国奴」だの「媚中」だのといった侮蔑的な言葉が投げつけられている。
 先の大戦での日本の戦争責任を否定し、「あれは侵略ではなくアジアを白人支配から解放する為の自衛の戦争で、悪いのは中国や米英だ」と主張する本や雑誌が書店で公然と売られているのが日本の現状だ。

 そして首相が自ら国会で音頭を取り、国境警備などにかかわる海上保安庁や警察、自衛隊に「今この場所から心からの敬意を表そうではありませんか」と言い立て、自民党議員が総立ちで拍手を送った。
 それから程なく、沖縄の東村高江で米軍の為のヘリパッド建設に反対する住民らに、警備に当たっていた大阪府から派遣された機動隊員が「土人、シナ人!」と暴言を吐いた。
 安倍首相とそれに従う者たちは、ゲーリングの言う「国民を戦争に駆り立てる道」を見事に突き進んでいるように思える。

 国や社会の為に働いているのは、何も海上保安官や警察官や自衛隊員だけではあるまい。
 しかし今の日本の指導者と与党関係者にとっては、海上保安官や警察官や自衛隊員は特別に偉い存在であるらしい。

 今年の参議院選挙でも、安倍自民党が大勝した。
 それで安倍首相は「民意を得た」と、選挙運動中にもろくに語らなかった事までごり押しに推進しようとしている。
 投票が政治の白紙委任を意味するわけではない事は、言うまでもない。
 さらに言えばこの前の参議院選挙は投票率が低く、有権者の半数近くが投票に行かなかった。
 そして自民と公明をあわせた与党の得票率は、49%である。
 つまり与党に票を入れた国民は、現実には四分の一に過ぎないという事である。

 選挙で与党が大勝したものの、安倍首相の誇る民意というのは、実は四分の一の民意なのだ。
 そして中国の脅威を懸念する者の多くが、安倍自民党に一票を投じたらしい。

 で、そうした安倍自民党を支持している人達が懸念しているように、中国軍が日本領内に攻め込んで来るような事が、本当にあるのだろうか。
 中国脅威論を言い立てる人達は、「尖閣諸島どころか、沖縄まで取られてしまう」と主張するが、まずそれは無い。
 沖縄が日本領である事は疑いない事実で、もし中国が沖縄を攻めたら、侵略行為として中国は国際的な非難を受け、経済制裁も受けるだろう。
 貿易で経済成長を遂げている中国としては、国際的な経済制裁は致命的なものになりかねない。
 中国は一つという口実もある台湾と違い、沖縄を攻め取る事は全く正当化できない。
 だから「中国が尖閣諸島どころか沖縄まで取りに来る」という可能性は、中国の武力による台湾合併よりあり得ない事なのだ。
 ただ国威昂揚と中国国内の不満のガス抜きの為に、尖閣諸島という無人島の周辺で示威行為をしているのだろう。
 日本との経済関係も冷静に考えれば、国境の小さな無人島の為に中国が日本に戦争を仕掛け、日本との貿易で得られる利益を台無しにするとは考えにくい。

 しかし、物事には“絶対”という事はあり得ない。
 日本や中国のトップの思惑はどうあれ、現場の指揮官に自国第一の凝り固まった国粋主義者がいる可能性は充分にある。そして互いが自国の領海と主張する尖閣諸島付近の海上でどちらかが他国の艦船に発砲し、それが砲撃戦に発展し、戦死者も出る騒ぎが起きる可能性も否定できない。
 問題は、その初期の紛争を、両国がどう冷静に収束させるかだ。
 紛争の責任を相手国にのみ押し付け、戦死者を英霊に祭り上げて国民を煽り、両国の全面戦争への道をひた走るような事があってはならない。
 なぜなら日本という国は、軍人および軍属以外の死者には非常に冷たいからだ。

 先の大戦で、日本は軍人や軍属以外にも多くの死者を出した。
 軍人や軍属は、戦後も救済され恩給を受けた。
 しかし国策により送り出された先で命を落とした満蒙開拓団や、無差別爆撃で死んだ学徒動員の生徒らや多くの民間人は、まるで救済されず放置されたままである。

 民間の戦災死傷者を救済しようという運動は、日本国内でも起こった。
 しかしそれらはすべて、与党と裁判所により潰された。
 民間の戦災死傷者を援護しようという法案は、野党により計14回も提出されたが、すべて与党の反対で廃案になった
 民間人の死傷者まで補償していたら財政負担が大きいから、公務員(軍人と軍属)しか保証したくないというのが国の本音なのだそうだ。
 裁判に訴えても、「国の非常時なのだから、戦争による被害は国民みなが受忍すべき」と棄却された

 同じ戦争で負けたドイツでは、元軍人も民間人も平等に援護している
 全国戦災障害者連絡会会長だった杉山千佐子氏が、ドイツに行き日本の実状を話したところ、ドイツ政府の援護担当者は「なぜ区別する、同じ国民を?」と呆れたそうだ。

 第二次世界大戦で、日本と違いドイツは国土のほぼ全てが戦場になった。
 戦争による被害は、日本よりドイツの方が大きい。
 しかしドイツは、戦災被害者は元軍人も民間人も区別せずに援護している。
 だが日本では、何かあれば愛国心だのお国の為だの言うくせに、民間の戦災被害者は冷たく見捨てるのだ。

 はっきり言うが、日本では戦争が始まったら軍人か軍属になると良いだろう。死んだり傷ついたりしても、国が救済してくれるから。
 しかし日本の民間人は、戦争で死んだら“死に損”にしかならない

 今年の終戦の日、正確には敗戦の日に、高市早苗総務相と丸川珠代五輪担当相が靖国神社を参拝し、「自国の為に殉じた方々への慰霊は当然であり、外交問題になるべきものではない」と言った。
 あの愚かで無謀な戦争をおっ始めたA級戦犯どもも含めた軍人のみが、自国の為に殉じた慰霊されるべき対象で、民間人の死者などどうでもいい、というのが今の国家の指導者たちの本音なのであろう。

 中国の脅威を言い立て、「中国が攻めてきたらどうする」と集団的自衛権や憲法改正を押し進め、それに反対する者は媚中の売国奴扱いされかねないのが、今の安倍政権下の日本の空気だ。
 まさにナチスの大物ゲーリングの言う、「国民を戦争に引きずり込むのは簡単である。外国に攻撃されつつあると言えばいい。それでも戦争に反対する者に対しては『愛国心がない』と批判するだけでいい」という状況になりつつある。

 だが、気をつけた方がいい。
 ドイツと違って、我が日本国は民間の戦災被害者にはひどく冷たいから。
 日本の政府は、有事の際には国民すべてに「お国の為だ、戦争に協力しろ!」と強制するくせに。
 いくらお国の為に尽くしても、民間人のままでは戦争で死んでも死に損、傷ついても傷つき損なのだ。
 制服を着て兵士にならない限り、戦争で死のうが傷つこうがこの国は何もしてくれない現実を知っておくべきだ。
「中国が攻めて来るから、日本もそれに備えてアメリカ軍と共に世界で戦えるようにし、軍備を強化しなければならない」という風潮に流され、自衛隊や警察官らに総立ちの拍手で敬意を表す政治家に一票を投じるような愚か者になってはならない

 アメリカの次期大統領になるトランプ氏は、「アメリカが世界の警察官であるのをやめる」と公言している。
 つまり間もなく世界には力の空白が生まれ、秩序も混乱することになるだろう。
 そしておそらく、中国とロシアが勢力をさらに伸ばそうとし、テロリストらも活動を活発化させるだろう。

 で、先を読み賢く生きる道を模索するとしたら、貴方の行くべき道は二つだ。
 戦争を煽る空気に流されず、平和がもたらす経済的な利益を冷静かつ辛抱強く説き、あくまでも話し合いで隣国との紛争を解決する道を選ぶか。
 あるいは安倍首相を強く支持し、彼の念願である憲法改正を実現させ、国防軍となるべき自衛隊にいち早く入隊し、戦争で死んだり傷ついたりしても、少なくとも自分とその家族はお国から救済を受けられるようにしておくか。
 さあ、貴方ならどうする?

 繰り返すが、日本という国は国民みなに愛国心を求めるくせに、戦争で死んだり傷ついたりした民間人にはひどく冷たい。

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今頃は黄色に色づいているかも

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 今年の初夏に、ふと見上げてみたらビルの間に目に鮮やかな緑の葉を茂らせた木が空に伸びていました。

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この直後に逃げられました

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 近所のノラ猫さんですが、警戒心が強くて近寄るとすぐ逃げてしまいます。

 以前にも書きましたが、私の家の近くのノラ猫は茶トラがとても多いです。

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夕空を撮るわけ

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 私が朝の空より夕空を撮る事が多いのは、「朝日より、夕日の物悲しい感じの方が好き」という事もありますが、最も大きな理由は「朝に弱いので、朝日を撮るためにしゃっきり早起きすることができない」という情けない事情なのです。

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再び白いチューリップ

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 よく“清純派アイドル”とか言われる女性たちがいますが。

 人の注目を浴び、男性にモテたくて、時にはグラビアで水着姿等をさらす女性アイドルに、清純派などいるわけないじゃないですかねえ。

 その点、花は男性を騙したりせず、見た目通りに清楚だから安心できます。

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とにかく綺麗ならよいのです

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 花をよく撮るくせに、実は花の名前については全然詳しくないのです。

 ただ、「あ、綺麗だな」と思ったら撮るだけです。

 で、つい最近も綺麗な花を見かけて駆け寄ろうとして、見事にコケてしまいました。

 膝を擦りむいたのも痛かったけれど、いい大人が人前で転んで四つん這いになってしまった恥ずかしさの方がもっと痛かったです。

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僕ビール、君ビール。

「それでも現代人かよ、オマエはどんな田舎に住んでるのだ」
 そう呆れられてしまうかも知れないが、筆者はコンビニには、ごくたまにしか行かない。
 食品ならスーパーに、それ以外のものならそれぞれの専門店に行った方が品数も豊富で、かつ値段も安いからだ。

 昔人間の筆者には、コンビニは一部の売れ筋商品しか無く、買えるものの選択肢が狭いような気がしてならない。
 しかしそのあたりの事は、コンビニ自身もわかっているのだろう。
 数はさして多くないが、コンビニはその系列のコンビニしか扱っていない限定商品も販売して集客につとめてもいる。

 で、当ブログを読んで下さった方から、ローソンがヤッホーブルーイングのビールを限定販売していると教えていただいて、久しぶりに近所のローソンに足を運んでみた。
 そして買ったビールが、今回紹介したい“僕ビール、君ビール。”だ。

僕ビールP1100655

 プルタブを開けてグラスに注ぐと、まずフルーティーな香りが広がる。
 フルーティーと言っても、どことなく柑橘系を思わせる感じだ。
 泡立ちも細かくなめらかでクリームのようだ。

 このビール、飲み方によって味の印象がかなり変わる。
 日本に多い、軽い味と香りでキンキンに冷やし喉越しで飲むタイプのビールのように、無造作にゴクゴク飲んでしまうと、重くコクの強いビールのように思えてしまうだろう。
 だがひんやりとするくらいに程々に冷やし、ゆっくり味わって飲むと、軽やかでスッキリ爽やかな味わいに感じる。

 このビール、程々に冷やしてゆっくり飲めば、フルーティーで済んだ味わいの中に良い具合のコクとうま味を存分に感じることが出来る。
 原材料は大麦麦芽と小麦麦芽とホップだけなのに、フルーティーな中に僅かなハーブ感もあるような気がする。
 缶には「キリリと効いたホップの苦み」と書いてあるが、ホップの苦みはあくまでも心地良い範囲内で、決して苦すぎる事はない。

 このビール、ゆっくり、じっくり味わって飲むと本当に美味いビールだ。
 筆者はヤッホーブルーイングのビールは何種類か飲んでいて、どれも美味いと思うが、その中でもこれはかなり上出来だ。

 ただ、幾人かの知人に飲ませてみたところ、このビールを「好きでない」と言う人もいた。
 それは皆ビールは喉越しで飲む種類の人だった。
「ビールは苦けりゃ良いんだよ、フルーティーさとかハーブ感とかのこじゃれた味は要らねえ」
 そういう種類のビール好きには、残念ながらこのビールは向かない。

 このビールは、最初の乾杯や風呂上がりの一杯として喉越しでゴクゴク飲むのには向かない。
 そうではなく、良い友と語らい、あるいは好きな音楽を聴くなど楽しい時を過ごしながら、ゆっくり味わって飲むのに適している。

 繰り返すが、このビールは「ゴクゴク、プハーッ!」と喉越しで一気に飲むのには適していない。
 ただビールをゆっくり味わって飲むことも知っている者にとっては、飲んでいるうちに心が幸せで満ちてくるような、本当に良いビールだ。

 飲んでいる最中はただ美味くて嫌味は全く感じず、飲んだ後に残るのは爽やかさだけだ。
 だからつい、ゆっくりいつまでも飲んでいたいと思ってしまう。
 品のない話だが、ビールを含めて炭酸ガスを含む飲料は飲んだ後でゲップが出やすい。
 実は筆者もこのビールを飲んだ後にゲップをしてしまったが、その喉の奥からこみ上げてきたゲップすらフルーティーで良い香りだった。

 日本では当たり前と思われているように、喉越しで一気に飲むのには向いていないが。
 ただビールをゆっくり味わって飲むことも知っている者にとっては、とても心地良く幸せな時を過ごさせてくれる逸品だ。

 このローソンでしか売っていない限定品のビール、筆者にとっては大好きな傑作ビールだが、筆者の家の近所のローソンではまだたくさん売れ残っていた。
 他の大メーカーの同価格帯の有名なビールの、倍くらいが冷蔵庫内に残っていた。
 少々奇抜な缶の絵柄と風変わりな名前で敬遠されたのだろうか、それとも味が従来の日本のビール好き達に受け入れられなかったのだろうか。
 どちらにしても、こんな美味しいビールが他のビールより多く売れ残っている事が、筆者にはとても悲しく思えた。

 ええ、ただ悲しく思っているだけでなく、もちろんこのビールの追加を買いに、またローソンに駆けつけましたとも。

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死刑に関するジレンマ

 国際的に見れば、死刑のない国は珍しくない。
 死刑は制度としてはあってもここ何年も執行せず、実質的に死刑廃止と同じ状態にある国も増えている。
 そのせいか、近年では日本でも死刑の是非が議論になっている。

 我が国でも、知識人には死刑廃止を主張する者も少なくない。
 しかし世論調査の結果を見れば、国民の多くは死刑の存続を支持している。

 感情としては、それも理解できる。
 人を、それも非の無い被害者を殺しておいて、加害者がのうのうと生きていられるというのは、やはり納得しかねるものがある。

 ただ警察官や裁判官も人間である以上、冤罪も間違いなく存在する。
 そして死刑を執行してしまったら、今度は取り返しのつかぬ罪を国家が犯すことになる。
 話は逆説的になるが、だから裁判所は、客観的に見れば冤罪であろうと思われる死刑判決の再審になかなか応じないのだろう。
 それに応じれば、自分たちが過ちを犯し無実の者を死刑にしたと認める事になる。
 だから裁判所は、死刑判決の見直しを特に認めようとしない。

 ただ「国家が人の命を奪うような事をすべきでない」という人道的な問題だけでなく、冤罪事件の存在もあるからこそ、死刑を終身懲役に代えたらどうかと主張する人達も少なくない。

 混同されやすいが、現在の日本の無期懲役はあくまでも刑期を定めない“無期”であって、服役態度や反省の度合いなどによっては罪を許され釈放される可能性がある。
 つまり無期懲役の判決を受けた犯罪者は、いつかまた世の中にひょっこり出て来る可能性があるわけだ。
 だから釈放される事が無く死ぬまで刑務所で服役する終身懲役を、死刑にかえようというわけだ。

 終身懲役であれば凶悪犯が二度と世の中に出て来ることも無く、後でもし冤罪と判明した場合にもその過ちを償うこともできる。
 だから死刑を廃止する代わりに終身懲役を導入しようという提案は、筆者にも説得力があるように思えた。

 ところがその死刑の廃止と終身懲役の導入に、実際に二人の人を殺し無期懲役刑を受けて服役中の囚人から反対の声があがった。
 その受刑者は美達大和氏というが、美達氏が服役しながら書いた著書によれば、本当に死刑を廃止して終身懲役にしたら、刑務所の中は大変な事態になるとのことだ。

 美達氏によれば、日本の刑務所は少数の刑務官で大勢の受刑者を管理している、世界でも珍しい刑務所なのだそうだ。そして無期懲役の受刑者は、いつか釈放される日を夢見て真面目に受刑している。
 しかしその釈放の希望が無い終身懲役の受刑者にはその希望が無いわけで、どうせ死ぬまで刑務所に居るのならと自暴自棄になり、好き放題に振る舞い刑務官にも反抗して、収拾のつかない事態になりかねないと美達氏は言う。
 で、もし死刑を廃止し、かわりに希望を失った多数の凶悪犯が刑務所内に収容されるような事になったら、武装した刑務官の増員が必要となるのが目に見えているとのことだ。

 実際、海外では時折刑務所で暴動が起き、囚人が大挙して刑務官を襲って脱獄するなどの事件が起きている。
 とすると、他の先進国のように「国家が人を殺すようなことはしてはならない」という人道主義を実践する為、死刑を廃止して終身懲役を導入するならば、国民は刑務所に対する税負担の増加も覚悟しなければならないようだ。

 冷酷な話をしてしまえば、死刑を執行すれば収容している死刑囚の数は減る。
 無期懲役の囚人の数も、受刑態度を良しとして釈放すれば減る。
 しかし終身懲役の囚人の数はどうだうか。
 増えることはあっても、減ることはまず無かろう。
 それだけでも、死刑廃止と終身懲役の導入による税負担の増加は目に見えている。

 ちなみに西欧や北欧の国では、終身懲役や無期懲役すら無いところがある。
 数年前、北欧でひどく偏った差別的な政治思想を持つ者が銃を乱射して、数十人もの人を殺したが。
 それでもその国の最高刑は懲役二十一年で、その凶悪犯も二十年ちょっとで許されまた社会に出て来られるのだそうだ。

 無差別に数十人もの人を殺して、二十年ちょっとの服役で許されるなど、日本ではとても考えられないことだが。
 ヨーロッパやアメリカの幾つもの州で死刑が無く、凶悪犯罪者に甘いように見える判決が下されるのは、ただ人道主義のせいだけでなくキリスト教の影響があるからだ。
 キリスト教には、「罪を裁くのは人ではなく神である」という思想がある。だから凶悪犯も人が裁いて死刑にするのでなく、「死後、神に裁かれて地獄に堕ちるがいい」というわけだ。

 敬虔なキリスト教徒ならそれで納得して死刑を廃止できるのだろうが。
 本気で「死んだら閻魔さまに地獄行きにされるのだから」と信じ、凶悪事件の犯人に厳罰を求めずにいられる日本人が、さてどれだけいるだろうか。
 特に自分の身内が事件の被害者となり命を落としたら、加害者に極刑を求めるのは当然の感情と筆者も思う。
 ただ司法が加害者として捕らえ、被害者の身内として死刑を望んでいた相手が、実は冤罪で、本当の犯人は他にいたりする事もあるから、人を裁いて死刑にするという事は難しい。

 日本人の大多数は、敬虔なキリスト教徒ではない。だから「裁くのは神だから」と、凶悪犯に寛大な判決を受け入れるのは難しい。
 かと言って、人には、警察や裁判には過ちもあり、冤罪も間違いなくある。
 事実、冤罪は死刑判決が一度は確定した事件の中にもあった。
 それを考えれば、「死刑は廃止し、代わりに釈放の無い終身懲役にする」という意見にも一理あるように思える。

 しかし美達氏の言うように、死刑を終身懲役に置き換えれば、刑務所に将来に希望の無い自棄になった凶悪な終身懲役の囚人が増えるだろう。
 そして刑務所の治安が悪くなり、刑務官の増員と重武装化も必要とされ、税負担も当然増える。
 福祉に一円でも多くの税金が必要となるこれから、終身懲役の受刑者と刑務所に対する税負担増に、国民は納得するだろうか。

 かと言って受刑者にも人権があるから、受刑者の衣食住にかかる費用を削ったりもしにくいし、受刑者の労働力で利益をあげる事は民業の圧迫になるため禁じられている。
 何しろ刑務所は罰を与える所ではなく、あくまでも矯正施設だ。
 刑務所をナチスの強制収容所のように経費を極限まで切り詰めて過酷な労働をさせ、収益を得て黒字化させる事は、文明国として出来ないのだ。

 現行制度を出来るだけ生かしつつ冤罪の問題にも対応するとすれば、死刑は存続させつつ、刑の執行は証拠が明白で当人も罪を認めている者のみにするという方法もあるだろう。
 で、証拠に疑問点があり、かつ無実を訴え続けている死刑囚の再審にはきちんと応じ、刑の執行を後回しにすれば冤罪の者を国家が殺してしまうリスクは減るだろう。

 しかし、だ。
 自分がやりましたと罪を認め、「死んで罪を償います」と観念している者を死刑にして、本当に罰になるのだろうかと筆者は疑問に思う。

 今の日本で死刑判決を受ける者は、人を殺した凶悪犯ばかりだ。
 その殺された被害者の身になれば、加害者にも自分と同じように恐怖と苦痛の中で死んでもらわなければ、死刑でも割が合わないのではないか。
 極論を言えば、死刑は加害者が犯したのと同じ方法で執行しても良いくらいだ。
 例えば人を殴り殺した者は、同じように殴り殺すとか。
 少なくとも江戸時代には、ただの打ち首だけでなく磔や火炙りや鋸引きなど、死罪にもいろいろな方法があった。

 しかし今は「目には目を」の時代ではないから、そのような応報刑を実行したら、「野蛮だ!」と国際的に非難を浴びてしまう。
 いや、ただの死刑ですら人道的にどうかと言われるくらいだ。
 だから冤罪の無いよう今後も死刑を執行するなら、疑う余地無く罪を犯していて本人も認めている者に限らざるを得ない。
 しかし繰り返すが、観念して覚悟を決めている者に死刑を執行して、どれだけ意味があるのだろうか。

 被害者の無念や遺族の悔しさはわかるが、死刑にも冤罪があるという現実、しかし死刑を無くして終身懲役にすると、凶悪犯の囚人が手に負えなくなり刑務所の維持が大変になるという美達氏の指摘にも一理あり、かと言って罪を認め腹を括っている者を死刑にする意味はあるのかと、筆者の考えは無限ループに陥ってしまっている。

 死刑は廃止すべきか、存続すべきか。
 無神論者で宗教心のない筆者には、いくら考えてもどうにもわからない。
 何かの宗教やリベラルな思想を盲信しているというのでなく、現実論として、あるいは当事者として何かご意見をお持ちの方がおられるなら、是非ともお考えを聞かせていただきたい。

 当事者といえば、相手は人殺しの犯罪者とは言え、死刑を執行する役目の方はさぞつらい気持ちを抱えておられるだろうと思う。
 それを考えると、死刑はやはり廃止した方が良いのだろうか。
 死刑にすると言っても、今は「目には目を」の時代ではないし、被害者が殺された時と同じだけの恐怖と苦痛を与えて死なせる事ができるわけではないのだから……。

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紫のチューリップ

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 紫は、かつては高貴な色でした。
 しかし近年では、むしろ高貴とは対極にあるような方が服として好んで着ていたりするので、この色の服を着るのは少し躊躇してしまいます。
 花として眺めるには、良い色と思うのですが。

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