空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

値段を考えれば案外悪くない、甲州韮崎GOLD

 食料品も扱うDIYショップのお酒コーナーで偶然にコレを見つけた時、一瞬「ワインか?」と思ってしまった。
 何しろ瓶の黒いラベルに金の大きな文字で、甲州と書いてあるのだから。
 さらにその文字に交差させて、横に白文字でKOSHUとも書いてある。
 しかし改めてよく見てみると、ラベルの下側にはウイスキーと書いてあるし、瓶の中の液体も綺麗な琥珀色である。

 ウイスキーの色は濃く綺麗だ。
 そして原材料も、モルトとグレーンだけである。
 しかし度数は37%で、値段も本体のみで797円、税込みで860円とかなり安い。
 製造者も山梨県の株式会社サン.フーズと、少なくとも筆者は初めて聞く名前である。
「これは地雷か?」と、思ってしまった。

 しかしウイスキーを造ってくれる会社が日本に増えるのは良い事だと思い、支援するつもりも込めて2本買ってしまった。
 ウイスキーの熟成には何年もかかるし、数年先の需要まで見越して生産せねばならない。
 ただ近年のウイスキーブームに乗って、「これはイケる!」と安易に考えて韮崎市に蒸留所を造ったわけではなかろうと筆者は思う。

甲州韮崎ゴールドP1100551

 さて、キャップを開けてみると、穏やかな甘い香りを感じる。香りそのものは弱い方だが、アルコールの刺激もまた殆どしない。
 グラスに注いで揺すってみて、甘い香りの中からようやくアルコールの匂いが出て来る感じだ。
 そのままストレートで飲んでみても、感じるのはまずほのかな甘さで、アルコールの刺激はこの価格帯のウイスキーにしては間違いなく少ない。

 もちろん、12年モノのブレンデッド・スコッチとは出来がまるで違う。
 税込みで860円の安ウイスキーだけに、香りは弱いしアルコールの刺激もそれなりにある。
 しかし税込み860円の製品にしては穏やかな香りと味わいの中にコクとウイスキーらしい深みもあり、なかなか上出来のウイスキーと言えよう。
 断言するが、サントリーのトリス・クラシックやニッカのブラックニッカ・クリアなどより良い出来だと筆者は思う。

 この甲州韮崎GOLD、ストレートで飲んでも税込み860円の製品とは思えないほどアルコールの刺激は少ない。そして優しい甘さと、ナッツのような味わいを感じる。
 元々香りが控え目なせいか、アフターフレーバーも弱い。
 しかし若いアルコールのピリピリした感じはこの価格帯のウイスキーとしてはかなり少なく、普段気楽に飲む用のウイスキーとしてはまろやかで上出来と言えよう。

 アルコール度数が37%のせいか、トワイスアップにするとアルコールの刺激が殆ど無くなる代わり、少し薄く水っぽく感じてしまう。
 で、さらに氷も入れ1:3程度の水割りにしてみると、本当に薄い水っぽいものになってしまう。
 ちなみに常温の水で1:3に割ってみると、コクや香りは殆ど無いものの、ほのかな甘さはしっかり感じることが出来た。

 さらにオン・ザ・ロックでも飲んでみたが、アルコールの刺激が少し和らいでストレートより飲みやすくなる。
 しかし同時に、氷で冷やされると持ち味の甘みが無くなってしまう上に、元々控え目な香りも引いてしまうので、あまりお勧めしたくない。

 で、ハイボールにもしてみたが、これが意外にイケた。
 ハイボールにしても香りはさほど立たないが、ウイスキーらしい味わいとコクはしっかり残り、ビターさの中に僅かな甘みも感じられてなかなか良い感じだ。
 筆者は個人的にハイボールはあまり好きではないが、この甲州韮崎GOLDについてはハイボールが最も合っていると思う。
 でなければストレートか、ウイスキー1に対して水0.8くらいの、トワイスアップよりやや濃いめの常温の水割りが良い。

 この甲州韮崎ゴールドの裏のラベルには、こう書いてある。

 豊かな緑が広がる八ヶ岳の麓、甲州韮崎の地でこだわりぬいた原酒をじっくりと熟成、ブレンドしました。甘い樽熟香と、まろやかで奥深い味わいをお楽しみ下さい。


 これはあくまでも税込価格860円という価格帯も考えた上での私見だが。
 千円未満のウイスキーとしては、充分に合格点をあげても良いと思った。
 今、筆者の手元にある甲州韮崎ゴールドは、キャップを開けると微かにピート香もある甘く魅惑的な樽熟香を漂わせる。
 普段、気軽に飲むウイスキーとしてはなかなかに良い製品だ。

 この株式会社サン.フーズのウイスキーには、ゴールドの文字が付かないただの甲州韮崎もあって、こちらは原酒の希釈にグレーンの他スピリッツも使っているらしい。
 そのスピリッツ入りのただの“甲州韮崎”の方はまだ飲んだ事が無いが、どちらにしろ千円もしないのだ、どうせ飲むならモルトとグレーンのみで造った甲州韮崎ゴールドの方をお勧めしたい。
 筆者は甲州韮崎ゴールドを飲んで、値段の割に意外にアルコールの刺激が少ないのに驚いた。
 それがこの甲州韮崎ゴールドの魅力でもある。
 なのにあえて樽熟成ナシのスピリッツを入れて、アルコールの刺激をツンツンさせ、せっかくのまろやかさをブチ壊しにするなど、馬鹿げた行為としか思えない。

 安い割には良い出来と思ったこの甲州韮崎ゴールドだが、筆者は一つだけ不満がある。
 それは度数が37%という事だ。
 スピリッツを入れてでもより安く売りたい、そして飲む方も最初からハイボール等で割って飲むのが前提であろう甲州韮崎の方は、酒税も最も安い度数37%で良かろう。
 しかしモルトとグレーンだけで造った上級品のゴールドの方は、世界標準の度数40%であるべきと筆者は思う。
 事実ストレートやトワイスアップで飲んでみて、甲州韮崎ゴールドの度数37%は「やや薄い」と感じる。
 この甲州韮崎ゴールド、原酒をあと少し多く入れて度数を40%にしたら、もっと香り高く味わい深いウイスキーになっただろうと残念に思う。

 インターネットでHPを見てみると、この株式会社サン.フーズが単式蒸留焼酎免許を取得したのは2013年で、ウイスキー製造免許を取得したのは2014年だという。
 と言う事は、この甲州韮崎ゴールドの原酒は最初から株式会社サン.フーズの韮崎工場の蒸留所で蒸留したものではなく、輸入したものなど買ったものを韮崎で寝かせてブレンドしたものではないだろうか。
 しかしだとしても、元は本みりん等を造っていた従業員55人の地方の小さな会社が、税込み860円でこれだけのウイスキーを造れたのは、なかなか立派なことだと思う。

「度数を40%まで上げてほしい」とか、「もう少し華やかな香りが立てばもっと良い」などの不満は幾つかあるものの。
 大サントリーの白州蒸留所からさほど遠くない山梨県韮崎市で新たにウイスキーを造り始めた株式会社サン.フーズが、将来さらに美味しいウイスキーを造ってくれる事を期待してやまない。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

私も同感です

わたしも ひらせ○というホームセンターで先ほど購入した甲州Goldが値段のわりにおいしいので、Googleで検索してみたところこちらの記事に出会いました。味の感じも含めて本当に同感です。この醸造所には頑張ってほしい!筆者様もがんばって!

ウィスキー好き | URL | 2016-11-18(Fri)16:19 [編集]


Re: 私も同感です

“ウイスキー好き”様、コメントありがとうございます。
実売価格で税込み千円未満の国産ウイスキーの中では、甲州韮崎GOLDが一番かも知れない、と思っています。
 これがあまり知られていないのが、ちょっと残念ですよね。
 今後もこの蒸留所を応援したいです。

黒沢一樹 | URL | 2016-11-24(Thu)14:45 [編集]


780で買いました

ふとスーパーで1月の特売で売っていたので購入しました。
普段は値段が値段ですので期待はしていなかったのですが
思いのほか美味しく検索してみた次第です(笑)

お酒には詳しくないのですが同じように感じられている方もいたみたいでうれしかったです。

アドレス | URL | 2017-01-06(Fri)21:17 [編集]


Re: 780で買いました

> 普段は値段が値段ですので期待はしていなかったのですが
> 思いのほか美味しく検索してみた次第です(笑)

 こんな安くて無銘の、しかも度数37%のウイスキーなど、普通だったら地雷扱いして避けるところでしたが。

 ただ私の親戚が山梨県の韮崎市に住んでいまして、それで「甲州韮崎」という文字にひかれてつい買ってしまったんです。
 そうしたら、意外に良い出来で驚きました。

 このウイスキーが全国的にはまだ知られておらず、一部の店にしか置いていないのが残念です。

 それにしても、この良さに気付いて下さるなんて、お目が高いです。

黒沢一樹 | URL | 2017-01-12(Thu)00:25 [編集]


これは凄い!

先日妻と近くのスーパーへ買い物に行ったときに見つけました「甲州GOLD」。丁度普段飲みのI.WハーパーGOLDリッター瓶が無くなり価格が800円だったので挑戦のつもりで。
今まで1,000以下の商品をいろいろ試してみましたがスコッチ・カナディアン・サントリーはどれも駄目で特にサントリーは山崎・響以外はやめた方がいいと思っています。
「甲州GOLD」ですが価格が価格だけに期待はしてなかったのですが、これが意外と飲める!
ただ、香り・余韻・度数が少ないのがアイラ好きの僕としては残念なだけで、価格からしたら合格点◎。
国産大手もこの位の商品を作って貰いたいものです。

この頃気になるのは、ウイスキーにノンエイジの物が増えてきていることです。
ニッカの余市・宮城峡など悲しくなってしまいました。
ニッカがアサヒの完全傘下になった段階で心配してたのですが?

「甲州GOLD」。がんばれ。小庶民は期待してます。

この価格帯なら雑穀酒のバーボンが優位かも!

目指せ第二のベンチャーウイスキー!

kawagoe seiji | URL | 2017-06-12(Mon)23:23 [編集]


Re: これは凄い!

 kawagoe様、コメントありがとうございます!
 本当に、値段を考えれば良いですよね、甲州韮崎GOLD。
 私はこれが価格千円弱であっても良いから、度数40%であったらと、心から思っています。

黒沢一樹 | URL | 2017-06-14(Wed)15:52 [編集]


昨今の国産ウイスキー値上げ
白角でも1500円
その半分の価格でこの味は評価に値すると思います
応援するために常飲してますよー

ハイボール | URL | 2017-09-27(Wed)18:07 [編集]


Re: タイトルなし

> 白角でも1500円
> その半分の価格でこの味は評価に値すると思います

 値段を考えれば、かなり良いウイスキーだと思うのですが、置いてある店が少ないのが残念です。
 私の住む市では、某ホームセンターのお酒コーナーだけです。
 もう一店、置いてある店があるのですが、そこのはスピリッツを混ぜた、GOLDの文字の無い『甲州韮崎』なのです。
 どうせ飲むならモルトとグレーンだけの『甲州韮崎GOLD』でなければ、と私は思ってしまうのです。
 もっと多くの店がこれを取り扱ってくれれば、ウイスキーの値上げに悩まなくて済むようになると思うのですが……。

黒沢一樹 | URL | 2017-10-04(Wed)01:27 [編集]