空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

会津の銘酒“寫楽”を飲んでみた

 筆者は幼い頃から歴史、特に日本の歴史が好きで、それで大学も史学科に進学した。
 その事を知っている母の古い知人に、「歴史が好きなら、是非」と、寫楽というお酒を戴いた。
 会津若松の、純米酒である。

寫楽P1100969

 筆者は日本人だし、できる事なら日本酒を大好きになりたいのだが。
 ただ日本酒は美味いものと不味いものの差がかなりあり、当たり外れが甚だしい。

 無論、ウイスキーやビールやワインなどの他の酒でも、美味い不味いの差はある。
 しかし日本酒ほどその差が激しいものは、他に無いのではないかと思われる。

 何しろ日本酒には、戦時中の米不足により「三倍に薄め、アルコールや糖類や酸味料等を加えて増量したまがいものの酒を作ってきた」という歴史がある。
 そして酒を水増しし、アルコール等を加えて作れば儲かるという事を覚えた酒造会社が、戦争が終わり米が余るようになった今もなお、嵩増ししたまがいものの酒を作り続けている。

 例えばワインはどんな安物も葡萄のみで造られていて、水増ししてアルコール等で似せた味に作ったものなどあり得ない。
 と言うと、訳知り顔で「ポートワイン等の、発酵途中でアルコールを加えた一部のワインもある」と言う人が必ず出て来る。
 しかしその発酵途中で加えられるものはブランデーであって、日本のいわゆる“アル添酒”のようにただのアルコールを加えるのとは意味がまるで違う。

 残念ながらこの国では、水で嵩増ししアルコール等を加えたまがい物が日本酒として広く売られ、そして飲まれている。
 だから日本酒は、美味いものはとても美味しいが、不味いものはどうしようもなく酷い味だ。

 筆者が戴いた寫楽はとりあえず純米酒で、アルコールや糖類や酸味料を加えたその種のまがい物ではないが。
 しかし葡萄だけで造られたワインすべてが美味いとは限らないように、米と米麹だけで造られた日本酒も、純米だからといって美味いとは限らない。
 香りが良くなかったり、変に渋味が強かったりする、あまり美味しくない純米の日本酒も筆者は何度か飲んできた。

 だから寫楽を戴いた時、嬉しいのと同時に「これは困った」と思った。
 自分で金を出して買ったものなら、不味ければ「不味い!」と遠慮なく言える。
 しかし親の古い知人が、「歴史が好きな息子さんに」と好意でわざわざ会津若松から買って来て下さったものに、「不味かった」とは言えないではないか。
 もし不味くても、作り笑顔で「美味しかったデス、本当に有り難うございマシタ」と嘘を言わねばならぬのは心苦しい。

 だから「もし美味しくなかったら、何と嘘の誉め言葉を言おう」と半ばビクビクしながら飲んでみることにした。
 が、そんな心配は、全くの杞憂だった。

 キャップを開けた瞬間に、青リンゴを思わせるフルーティーな香りが優しく鼻孔をくすぐった。
 分類上は純米酒だが、注いだグラスに鼻を近付けて嗅げば、柔らかな吟醸香が間違いなくある。
 と言っても「華やかに立ち上る」というほど強いものではなく、心地よく穏やかな香りなので、食事の妨げになる事は無い。

 味も、ありがちな水のような淡麗辛口ではなく、甘辛のバランスの取れた、優しい、そしてふくらみのある豊かな味だ。
 口に含んだ瞬間、「少し甘いか?」と思うのだが、適度な辛さがそれを上手く抑え、程良い酸味がキレの良さももたらしている。
 じっくり味わえばほのかな苦味もあるが、それも決して不快なものではなく、雑味やイヤ味を全く感じない。

 これは本当に美味しい。
 香りはフルーティーだが食事の妨げになるほど華やかでなく、味は甘さも辛さもありふっくらと豊かで、酸味や苦味も程良く、バランスの取れた文句の付け所が全く無い銘酒だ。
 これより美味い日本酒は、筆者は七賢大中屋(純米大吟醸)以外に飲んだ事がない。

 筆者は酒を飲むくせにかなりの下戸で、杯に一杯か二杯飲むだけで顔だけでなく掌も赤くなってしまう。
 そんな有り様だから、空腹時に酒を飲むと350mlの缶ビール一本で足元が怪しくなるくらい酔ってしまう。
 だから筆者は酒は食事とは別に、食後に飲む事が多い。
 日本酒も、食後にゆっくり酒だけで味わっている。
 しかしこのふっくらと豊かで優しい味の寫楽を飲んで、「食中酒として飲んだら、さぞ食事を美味しくするだろう」と思った。
 事実ネットで見てみると、この寫楽の純米酒は地酒の専門店では食中酒として勧めている。

 この頂き物の寫楽純米酒だが、本当に良い酒だった。
 贈って下さった方に、義理やお世辞でなく心から「美味しかった、ありがとうございました」と言える事が、筆者としてもとても嬉しい。
 こんな良い酒を飲んで年を越し新年を迎えられる筆者は幸せだと、心から思う。

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
 新年という事で、当ブログも更新を暫くお休みさせていただきます。
 七日の土曜日よりまた駄文を書き連ねますので、今年もよろしくお願い致します。


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コメント


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良いものを。

良いものを。

のんびりといただいて
のんびりとすごす。

たまの「正月」なのですから、
ごゆっくりなさってください。

私も、良いものをのんびりと
いただこうと思っております。

貴兄に良き新春がありますように。

ogotch | URL | 2017-01-01(Sun)16:40 [編集]


Re: 良いものを。

> 良いものを。
>
> のんびりといただいて
> のんびりとすごす。
>
> たまの「正月」なのですから、
> ごゆっくりなさってください。

 この正月に、私は寫楽の他、シーバスリーガルの12年を飲みました。
 どちらも本当に良いお酒でした。

 ogotch様は、このお正月のお酒に何を選びましたか?

黒沢一樹 | URL | 2017-01-04(Wed)01:49 [編集]


お正月のお酒。

お正月のお酒。

赤のスパークリングワインを
食事中にいただきました。

イタリアのランブルスコです。
(URLご参照ください。)

家で過ごす時は「疲れないモノ」を
選ぶので この程度のお酒です。(笑)

ogotch | URL | 2017-01-04(Wed)09:07 [編集]