空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

この真冬に、夏限定の“ほろよい涼みあんず”を飲んでみた

 家族が病人なもので、食材などの日々の買い物もほぼ筆者が受け持っている。
 近所にチェーン展開していて自社ブランド商品もいろいろと開発している大きめのスーパーもあるが、筆者はやや遠いが扱う食品はほぼ国産品という小さなスーパーを日々利用している。
 近所の大きなスーパーを利用するのは、小さなスーパーでは扱っていないものが欲しい時と、大きなスーパーに出店している百均ショップを利用する時だけである。

 で、その小さなスーパーにもお酒コーナーもあることはあるが、スペースは狭い上に品数も少なく、しかも値段も高めだ。
 そのスーパーは、食材に関してはかなりこだわりを持っているのだが。
 しかしお酒に関しては、金麦とかスーパードライとか角瓶とかの、ありきたりの売れ筋商品ばかりで、商品に対するこだわりは殆ど感じられない。
 ポリシーを持って国産の良いものを揃えている食材と違い、「どうしてもお酒が欲しい人の為に、とりあえず置いてある」という感じが見え見えだ。
 酒の専門店の価格よりかなり割高なロバートブラウン・スペシャルなど、店頭に長く置かれ過ぎて薄く埃を被っているし、チューハイなども去年の夏の限定商品がまだ平気で置かれていたりする有り様だ。

サントリー・ほろよい涼みあんずP1110179

 その中に、ほろよい涼みあんずを見つけた。
 例の、去年の夏限定商品の売れ残りである。
 それも1本や2本どころではなく、10本以上まだ売れ残っていた。
 今は真冬だというのに、その缶には夏祭りを思わせる花火や団扇の絵が賑やかに描かれており、その中に形だけ杏の絵があった。
 このあまりにも今の季節とのミスマッチ具合がおかしくて、ついその缶を手に取ってみた。
 赤く書かれた夏限定の文字も、涼みあんずという名前も、売れ残って真冬となってしまった今では、見るだけで寒々しい。
 そして缶を裏返すと、賞味期限は今年の5月になっている。
 この10本はある「夏限定」の「涼みあんず」、おそらくこのまま売れること無く、今年の夏を待たずに処分されてしまうのだろうな。
 そう思ったら何やら哀れな気がして、つい手に取った1本をそのまま買い物籠に入れてレジに行ってしまった。

 メーカーは筆者が好きになれずにいるサントリーだし、果汁も僅か2パーセントで、原材料を見ると糖類に酸味料と香料に加えてカラメル色素も入れられている。
 あんず果汁2パーセントって、350mlの缶に僅か7ccだよ?
 入れられている果汁など、ほんの形だけのものだ。
 缶には「あんずの甘酸っぱさが心地よい」と書かれているが、その甘酸っぱさは殆ど糖類と酸味料によるもので、香りも香料によるものだろう。
 だから去年の夏にも目にはしたものの、冷笑してスルーし、そのまま忘れ去ったのだろうと思う。

 だが真冬の酒コーナーに売れ残っている夏祭りを思わせる絵柄がもの悲しくて、1本だけつい買ってしまった。
 そのまま売れ残って廃棄されるのを1本だけ救うつもりで買ったので、正直、味には全く期待していなかった。
 別にあんずが好きと言うわけでもないし、糖類と酸味料と香料で味と香りを作ったニセの果物のチューハイがどんなものかは、およそ見当もついていたし。

 で、プルタブを開けてグラスに注ぐと、いかにも本物っぽいあんずの香りが広がる。
 飲んでみても、確かにあんずの味だ。
 糖類を入れてはいるが甘さは控え目で程良くベタつかず、酸味料による適度な酸っぱさと良くバランスが取れている。
 色はカラメル色素によるものだろうが、梅酒に似た感じで、あんずの雰囲気が良く出ている。
 メーカーが「あんずの甘酸っぱさが心地よい」と言う通り、程良く甘酸っぱく、そして後に果物(あんず)の味が残る感じで、意外に美味しく飲めた。

 誤解の無いように言っておくが、そこはあんず果汁2パーセントで、味と香りは殆ど糖類と酸味料と香料、そして色はカラメル色素で仕立てた缶チューハイだ。
 果汁を多く使っている缶チューハイとは違い、そこは作りモノっぽいチープさも感じる。
 飲んだ後のグラスも、ただ水で流して洗っただけではあんずの匂いが落ちずにしっかり残った。
 香料の匂いは本物の果物の香りよりずっと強いのだなと、変な所で感心してしまった。
 しかし糖類と酸味料と香料で殆どの味と香りを作った缶チューハイの中では、かなり上手にそれらしい味と香りに仕立ててあるのもまた事実だ。
 そしてまた何となく残る作りモノっぽいチープな味と香りが、夏祭りの屋台の食べ物とも良く合っているようにも思える。

 筆者はこの夏限定のほろよい涼みあんずを、真冬に、暖房の効いた部屋で飲んだのだが。
 缶の可愛い花火や団扇の絵を見ながらコレを飲んでいると、夏祭りの情景が自然に脳裏に浮かんできた。
 メーカーは「夏にぴったりの味わい」で、「ぜひ冷やしてお飲みください」と言うが、夏の夜に花火でも見ながら、屋台で出すようなものを食べつつこれを飲んだら、さぞ気分が出ただろうなと思った。
 真冬の寒い日にコレを買って飲んでみて、筆者は決して後悔しなかった。

 コレの売れ残りが、そのまま処分されてしまうのは惜しいと思う。
 けれど糖類や酸味料や香料で作ったややジャンクな味だけに、売れ残りを一人で買い占めて何本も飲む気には、とてもなれない。
 飲むにしても、1本か2本で充分だ。

 と言うわけで、去年の夏に限定販売されたほろよい涼みあんず、もし貴方の近くのお店に売れ残っていたら、良かったら1本、試しに飲んでみて下され。
 期待して飲むとガッカリするけれど、期待せずに飲むと案外悪くないのだ、コレが。

 ところで、缶チューハイのアルコール度は1%から9%程度まで様々あるが、このほろよいシリーズは3%と軽めの方だ。
 缶チューハイの売れ筋は、度数7~9%のストロング系だそうだが、筆者はストロング系の缶チューハイは好かない。
 何故ならストロング系の缶チューハイは、飲んでいてアルコールの刺激がツンツン来るからだ。

 ストロング系の缶チューハイを好む人は、ビールではもの足りず、酔えるまで飲むとお腹がガバガバになってしまうのだという。
 実は筆者は、ハイボールなら濃いめが好きだ。
 度数7%の普通のハイボール缶では薄すぎて全然もの足りず、度数9%の“濃いめ”として売られている商品でもまだ薄いと思ってしまうくらいだ。
 しかしストロング系の缶チューハイは、どうしても好きになれない。
 それはハイボールに使われているウイスキーは、とりあえず年単位で樽熟成してある為、濃いめでも炭酸で割ればアルコールの刺激が殆ど無くなるからだ。
 それに対し缶チューハイは、熟成など全くしていないスピリッツ(平たく言えば甲類焼酎)を使っているから、濃いめにするとどうしてもアルコールのイヤな刺激が出てくる。
 ストロング系の缶チューハイを好む人達は、糖類や酸味料や香料でも隠し切れないあのアルコールのツンツン来る刺激が気にならないのだろうかと、不思議に思う。
 ビールでは度数がもの足りなくてストロング系の缶チューハイを飲んでいる方は、是非ハイボールも試してみてほしいと思う。

 さらに言えば、筆者はウイスキーはハイボールでなくストレートで飲むのを一番好む。
 10年以上樽熟成した良質なウイスキーは、度数40%のものをそのまま飲んでもアルコールの強さが気にならない。
 しかし缶チューハイに使われるようなスピリッツこと甲類焼酎の安っぽく荒々しいアルコールの刺激は、希釈し度数7~9%にして更に果物の味と香りを付けてもまだ不快でならない。
 缶チューハイに使われている“スピリッツ”とは、そういうレベルのものなのだろう。

 で、アルコール度数3%のほろよいシリーズだが。
 この度数は、お酒に強くてなかなか酔えない人には、全くもの足りない度数だろうと思う。
 しかし筆者のような下戸にとっては、気分良く文字通りに「ほろよい」になれる、ちょうど良い度数なのだ。
 そしてストロング系ではもちろん、5%前後の缶チューハイでもアルコールのツンツン来るイヤな刺激と苦みをまだ何となく感じるが、3%となると殆どと言って良いほど感じなくなる。
 お酒っぼくなくてジュースのようで、本当に飲みやすいのだ、この度数3%の缶チューハイは。

 と言うわけで、下戸の筆者は度数3%の缶チューハイは嫌いではない。
 アルコールのイヤな刺激を感じる事なく、気持ち良く酔えて、アルコールに弱い者に優しいお酒だと思う。
 ストロング系の缶チューハイもあっても良いが、度数3%のライトな缶チューハイも無くしてほしくないものだと思う。

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