空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

作家が顔写真を公開する必要は無い

 初めに前提として言っておくが、筆者は本もコミックスも大好きで、小学校の低学年の頃から今に至るまでよく読んでいる。

 筆者の両親は共稼ぎだった。
 で、当然その子供である筆者は、いわゆる“鍵っ子”だった。
 筆者の姉は、その事を今も「寂しかった」と言っている。
 しかし筆者は、寂しいなどと少しも思わなかった。

 鍵っ子とは言え、小学校に入りたての頃には、いわゆる学童保育に入れられていた。
 それは筆者の希望ではなく、親の配慮だった。
 しかし生まれつき集団行動が苦手だった筆者にとって、学童保育の時間は苦痛でしかなかった。
 好きでもない“友達”と一緒に遊ぶより、一人で好きな事に熱中している方が余程も楽しかった。
 だから筆者は、小学校の低学年のうちにさっさと学童保育を退会させて貰い、立派な(?)鍵っ子として家で一人遊びをしながら親の帰りを待っていた。

 姉は鍵っ子の暮らしを「寂しい」と言ったが。
 しかし家に帰れば一人でも、親は居なくなったわけではなく、夜になればやがて帰って来るのだ。
 なのに何故寂しいのか、筆者にはまるでわからなかったし、今も理解できないままだ。
 姉は一人で居るのが寂しい、他人とのコミュニケーションの中で生きている人間なのだろう。
 だが筆者にとっては、好きでもない他人に気を使って調子を合わせ、楽しくもない遊びに参加させられるのは、ただただ苦痛でしかなかった。

 家に帰れば、大好きな玩具や本が待っている。
 それらの好きなものに囲まれて過ごしていれば、時間などあっと言う間に経って行く。
 その時間は幼かった筆者にとって、何にも代え難い“至福の時”だった。
 それに比べれば、学童保育で嫌いな同級生や意地悪な上級生達に囲まれ、好きでもない遊びをさせられながらただじっと耐えて過ごす時間など、苦行の時でしかなかった。

 筆者には、幼い頃から想像力があった。
 そんな筆者にとっては、体を使って大勢で遊ぶより、自分の脳内に作り上げた空想の世界で遊ぶ方が楽しかった。
 だから本は、幼い頃から筆者の友だった。
 そして姉が少女漫画を読むようになってから、筆者もコミックスを読むことも覚えた。
 音楽を聴くのも好きだし、DVD化された映画を見るのも好きだ。
 おかげさまで、休日に全く外出しなくても、一人で充分に楽しく一日を過ごせる。

 で、今でも本やコミックスなどを読み耽って一日を過ごす事も珍しくないのだが。
 本やコミックスを読んでいて、ここのところ少々気になる事がある。
 コミックスでは、作者の顔写真が公開される事はそう多くない。著者近影の代わりに飼われているペットの写真が載せられたり、かなりデフォルメされたリアルとはほど遠い似顔絵が載せられる場合が多い。
 しかし小説の場合、著者近影で本人のリアルな顔写真が出される事が少なくない。
 新聞や雑誌等のインタビューや、新刊の広告でも作家自身の写真が大きく載せられる事が多い。
大切なのは作品の中身で、作者の顔は関係ねーだろ!
 そう思うのは、筆者だけだろうか。

 かなり以前、筆者は宇宙で二大勢力が戦うSF小説を読んだ。
 十巻以上続く大作で、登場人物は魅力的な美男美女ばかりだった。
 面白かったデスよ、作品自体は。
 ただ著者近影の写真で見る作者は、ブサイクでしかも胴回りに贅肉のついた、どこからどう見ても絵に描いたような“キモオタ”そのものだった。

 いや、別に作者が太っちょなキモメンでも、作品の質さえ良ければよいのだ。
 小説とは、本来そういうものだろう?
 けれど本に載せられた著者近影の写真で、不細工な顔と崩れた体形を見せられてしまうと、読者が残念に思い、こう言いたくなってしまうのは仕方のない事ではないだろうか。
「この顔で、美男美女の恋愛を書いていたのか」

 以前、ある女性の作家が“大人の恋愛小説”を書いて、ある新聞のインタビューに応じていた。
 そして記事に添えてその作家の顔写真が、三段抜きくらいの大きさで載せられていた。
 はっきり言って、すっごいブスだった。
 それで大人の恋愛小説wwwって……。
「喪女の妄想、乙!」
 その作家の作品を読みもしないで、ついそう思ってしまった。

 既に亡くなってしまったが、松本清張という偉大な小説家がいた。
 顔について言えば、彼もまた不細工だった。
 しかし彼の場合は存在感と凄みのある不細工さであって、しかも書いていたのは重厚な社会派の推理小説だった。
 もし松本清張氏がなまじイケメンだったら、むしろ「作風に似合わない、あんなチャラ男風だとは思わなかった」とガッカリされただろう。

 ただ恋愛小説の場合は、作者もまたそれなりの容姿でなければ読者を失望させるのもまた事実だろう。
 自身の恋愛経験はどう見ても少なそうな外見を、インタビューや新刊広告や著者近影の写真で見てしまうと、作品そのものの説得力にも大いに影響してしまうのだ。
 どう見てもモテそうもない容姿の作家の書く恋愛なんて、喪女や喪男の脳内妄想である現実が、ありありとわかってしまうからね。

 人は、どうやら有名人の顔に興味があるらしい。
 だから作家に関しても、本を読んで感動したら「作者はどんな顔をしているのだろう?」とつい興味を持ってしまうのだろう。
 だからマスコミもインタビュー記事で顔写真を大きく載せるし、出版社も新刊広告に顔写真まで載せているのだろうが。
 しかし作家というものはテレビのタレントではなく、あくまでも書いた作品で勝負するものではないか。
 なまじ顔を見るとガッカリしてしまい、「俺はこのキモメンの妄想を読んでいたのか」と夢を壊されてしまう事も、間違いなくある。

 断言するが、作家で著者近影やインタビュー記事や新刊広告に顔写真を大きく載せて良いのは、元々見てくれに自信のある、文化人wwwとしてテレビにも出てものを言いたい人だけだ。
 なのに昨今では、顔や見栄えが悪い作家でも、平気で素顔を曝している。
 出版不況と言われる現状の中で、それが本を売る為の精一杯の努力なのかも知れないが。
 美男美女とは程遠い、冴えない中年過ぎのオジサンやオバサンの作家が、新刊広告の中でニッコリ笑っている顔写真を見ると、見苦しいと言うよりむしろ気の毒で痛々しく思えてくるくらいだ。

 幼い頃から今までずっと本を読むのが好きだった筆者としては、小説は読者に夢を売るものだと思っている。
 そしてその小説のセカイが造る夢に、幼かった筆者がどれだけ救われてきたことか。

 繰り返し言うが、作品の質に作者の顔は関係ない。
 例えば絵などでは、作品にいちいち画家の顔写真など添えたりしないではないか。
 音楽もまた、特に顔写真が必要とされるのは流行のアイドル歌手だけだ。
 小説もまた、書かれた作品の質でのみ評価すべきものであると、筆者は信じる。
 しかし人は、筆者も含めて俗人は、つい顔に興味を持ちそれに騙されてしまう。
 だからこそ小説家は、なるべく顔は表に出さない方が良いと筆者は考える。

 著者近影やインタビューや新刊広告などで、イケメンでも美女でもない作家が顔を曝しても、庶民のくだらない好奇心を満たすだけで、良いことなど一つもない。
「へえ、こんな冴えないオッサンだったのか」
「こんな顔で、よく恋愛モノなんて書けるね。実体験が無いから、いろいろ空想してるのか」
 一般の人にはそう笑われ、元からの読者を失望させるだけだ。

 その点を、漫画家さんは良く理解しているようだ。
 著者近影はたいてい似顔絵かペットの写真で、顔写真を公開している漫画家はごく一部の売れっ子か、容姿に自信のある人だけだ。
 だからこそ凄い冒険物語を描いても、めくるめく恋愛物語を描いても、読者の夢を壊さずに済む。

 それにしても、新聞にしても雑誌にしても、マスコミは何故作家を含めた有名人達に、大きな顔写真を求めるのだろうか。
 顔写真で読者に人柄も伝わるというのは、マスコミの大嘘だ。顔写真でわかるのは、現実には容姿の善し悪しくらいでしかない。

 例えば筆者は、あのAKBでは渡辺麻友さんを推すが。
 それはただ、顔写真が可愛くて見かけが筆者の好みだからだ。
 筆者はそれなりに長く人間をやってきたつもりだが、それでも顔写真(グラビア)を見ても、渡辺麻友さんの人柄までは全くわからない。
 それが現実ではないか。
 一枚の、或いは数枚の顔写真を見ただけで相手の人柄まで正しく読み取れる人になど、少なくとも筆者は全く会った事が無い。
 顔写真を見ただけで、会った事も無い相手の人柄まで見抜けてしまう人は、おそらく霊能者だけではあるまいか。

 それにしても、新聞や雑誌の記者は狡い。
 自分達は「顔写真でも人柄が伝わる」というような綺麗事を言い、相手の大きな顔写真を撮って紙面に載せておきながら。
 自分達記者の顔写真は載せないか、載せても本当に小さくしか出さない。
 マスコミも「顔写真で人柄も……」とか言いつつ、本音ではただ「顔を見てみたい」という、読者の下らない好奇心を満たす為に、取材相手の顔写真を要求しているのだろうな。

 大衆(新聞や雑誌の読者)が有名人の顔写真を見たがるのは、ゲスの好奇心に過ぎない
 筆者はそう確信しているし、テレビタレントになれるレベルの容姿でもない作家が顔をマスコミで曝すのは、その作家にとってマイナスにしかならないし、その作家の作品に夢を抱いている読者の為にもならないと筆者は確信している。

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