空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

ザ・フェイマス・グラウス

 新星出版社から出されている橋口孝司氏の『ウイスキー銘酒事典』によれば、ザ・フェイマス・グラウスは「その品質の高さから英国王室御用達の名誉を与えられています」と書かれている。
 実際、ザ・フェイマス・グラウスは他のスタンダード・スコッチより明らかに割高である。
 各種のウイスキーを取り揃えている酒店で、およそ千五百円くらいで売られている。

 スコッチと言えば、イギリスのスコットランドのみで生産されている酒だが。
 その本場のスコットランドで最も愛飲されているのが、このザ・フェイマス・グラウスだと言う。

ザ・フェイマス・グラウスP1110395

 確かにこのザ・フェイマス・グラウスは、他のスタンダード・スコッチとはモノが違う。
 キャップを開けただけで、花のような華やかな香りが辺りに漂う。
 飲んでみてもなめらかでクリーミーで、かつコクがあり、他のスタンダード・スコッチより明らかに上質だ。
 濃い甘い花の香りが魅惑的な上、コクがあり味わい深く余韻も長い。
 スモーキーさは、飲んでいる時には殆ど感じない。しかし飲んだ後に余韻の中に僅かにスモーキー香を感じる。

 スタンダード・スコッチとしては、間違いなく、飛び抜けて良いウイスキーだ。ここまで香り高く味わい深いスタンダード・スコッチは、筆者は他に知らない。
 ただジョニ黒やシーバスリーガルなどの、12年モノのスコッチと比べてしまうと、アルコールの刺激のキツさが気になってしまうし、味の奥深さや余韻の長さも少し劣るのがわかる。

 スタンダード・スコッチは安い物なら量販店では千円程度で、ジョニ黒などの12年モノのブレンデッド・スコッチは二千円程度だ。
 そしてこのザ・フェイマス・グラウスは千五百円程度だが、その価格が全てを物語っている。
 他のスタンダード・スコッチより飛び抜けて良いが、ジョニ黒など12年モノの定番のスコッチには及ばない。
 まさに市場価格相応の味と香りと言えよう。

 ザ・フェイマス・グラウスは、間違いなく良いウイスキーだと思う。
 ただ「惜しいな」と思うのが、アルコールの刺激の強さだ。
 シングルモルトや12年モノのブレンデッド・スコッチなら、ストレートで美味しく飲める。
 しかしザ・フェイマス・グラウスは、その点が少し微妙なのだ。
 体調の良い日はストレートで飲めるが、日によってはアルコールの刺激の強さが気になる時がある。

 ザ・フェイマス・グラウスはもちろん、他のスタンダード・スコッチよりなめらかで、アルコールの刺激は少ない方だ。
 しかし12年モノのスコッチと比べると、飲んだ時に舌を刺すアルコールの刺激が間違いなく強い。
 そしてそこに12年モノとノンエイジ、二千円の品物と千五百円の品物の差を感じてしまう。

 で、ストレートではキツく感じられた日に、ザ・フェイマス・グラウスを試しにトワイスアップにして飲んでみた。
 これがイケるのだ、なかなかに。
 水で割っても、このザ・フェイマス・グラウスは味と香りを保ち、水っぽさをあまり感じさせない。
 トワイスアップにするとアルコールの刺々しさが見事に消え、味と香りも伸びやかになる。
 トワイスアップにすると水っぽく物足りなくなるウイスキーが多くなる中、水で割っても味も香りも薄まらないのは、よほど良い原酒を巧みにブレンドしている証拠と思われる。
 それで筆者はこのザ・フェイマス・グラウス、その日の気分によってストレートかトワイスアップで飲んでいる。

 試しにこのザ・フェイマス・グラウス、ハイボールでも飲んでみたが。
 ハイボールにしても、味にコクはあるし香りも損なわれない。
 ただ味のバランスが崩れ、甘さが失われビターさが妙に突出するように感じられて、正直に言って美味くない。
 一言で表現すれば、重くて苦いハイボールになってしまう。
 例えばジョニ赤のハイボールは、本来の甘さやスモーキーさを保ったまま爽やかな味のハイボールになるが、ザ・フェイマス・グラウスは本来の味の良さが損なわれてしまうように感じられる。

 ジョニ赤は、「ジョニーウォーカーの中で唯一、割って飲む事も考慮してブレンドされている」という。
 それに対しザ・フェイマス・グラウスは、割ってハイボールなどにして飲む事を考慮されていないのではないかと思われる。
 何しろ英国のパブやバーでは、ハイボールは「頼まれれば作るが、頼む人はまずいない」といわれる。
 その英国のスコットランドで一番人気のザ・フェイマス・グラウスだけに、炭酸で割られてハイボールで飲まれる事など考慮せずにブレンドしてあるのだろう。

 ザ・フェイマス・グラウスは良いウイスキーだと思うが、同時にとても惜しく感じる。
 他のスタンダード・スコッチより華やかで香り高く、コクもあり味わい深いだけに、どうしても12年モノの定番スコッチ達と比べたくなってしまう。
 そしてジョニ黒やシーバスリーガルなどと比べてしまうと、アルコールの刺激の強さなどの粗が気になってしまうのだ。
 ここまで味も香りも良いスコッチなのだ、どうせならジョニ黒と同じくらいにまで値段を上げてでも、もう少し熟成年数の長い原酒を使ったなら本当に美味しい、文句の無いスコッチになっただろうと思われる。
 その事が、とても残念でならない。

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コメント


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そこでネイキッドグラウスの出番ですよ。

| URL | 2017-05-16(Tue)12:31 [編集]


3千円近くとちょっとお高いのですが
フェイマスグラウスのネイキッドは、
しっかりとしたシェリー樽熟成の味を味わえる
ウイスキーとしては最安で
私も1本置いて、チビチビ飲んでます。
モルトウイスキーでシェリー系の味をしっかり
味わえるものは5千円以内では見かけなくなった
このご時世で、フェイマスグラウス頑張ってるなあ
と思います。

KAZ | URL | 2017-05-19(Fri)16:56 [編集]


Re: タイトルなし

> フェイマスグラウスのネイキッドは、
> しっかりとしたシェリー樽熟成の味を味わえる
> ウイスキーとしては最安で
> 私も1本置いて、チビチビ飲んでます。

 教えて下さり、ありがとうございます。
 フェイマス・グラウスのネイキッド、探してみます!

 先日、フェイマス・グラウスをストレートとトワイスアップとで改めて飲み比べてみたのですが、やはり割らずにストレートで飲んだ方が美味しく感じました。

黒沢一樹 | URL | 2017-05-25(Thu)01:36 [編集]