空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

意外にイケる、ベルモルト・ゴールド

 暑い。
 まだ5月だというのに、夏日や真夏日が続いている。
 こうなると「ビールは喉越しでゴクゴクではなく、ゆっくり味わって飲みたい」と思っている筆者でも、冷たいビール類を気持ち良くグイッと飲んでみたくなる。

 が、「ビールはゆっくり味わって飲む」のが基本の筆者にとって、夏の暑い時期にどんなビール類を飲むかは意外に難しい。
 日ごろ愛飲している、ゆっくり味わって飲んで美味しいビールは、ただ暑さと喉の渇きを癒す為に「ゴクゴク、プハーッ」と飲んでしまっては、あまりにも勿体ない。
 一気にゴクゴク飲んでしまうなら、麦とホップだけで造られた(そしてお値段もそれなりに高い)本物のビールでなく、発泡酒や新ジャンル酒で充分だと、筆者個人は思っている。
 しかし麦芽の使用率が低く糖質副原料をあれこれ使ったビール類には、喉が渇いている時に喉越しでゴクゴク飲んでも不味いものが、少なからずある。

 香り高く奥深い味とコクのある本物の良いビールは、喉越しで一気にゴクゴク飲み干してしまっては勿体ない。
 それに味のしっかりしたコクのあるビールは、喉越しで飲むと重く感じてあまり美味く思えないのも事実だ。
 暑さと喉の渇きを癒す為に喉越しでゴクゴク飲むなら、むしろ副原料入りの味も香りも軽いビール類の方が良い。
 しかしその種の麦芽が少なく副原料たっぷりのビール類には、ただ軽いだけでなく嫌味のある不味いものが少なからずある。
 いくら新ジャンル酒でも(350mlの缶で)百円かそれ以上するし、「変なビール類を飲むくらいなら、炭酸水を飲んだ方がずっとマシな上に、はるかに安くつく」という話になる。

 良いビールを見つけるのは、比較的簡単だ。
 香りの高さや味の深みに差こそあれ、麦芽とホップのみで造られたビールに不味いものは、まず無い。
 ビールは基本的に麦芽とホップのみで造るべきで、副原料として使用して味や香りを良くするのはオレンジピールやコリアンダーくらいだと、筆者は思っている。
 糖質副原料として米やコーンやスターチを入れたものは、味わって飲むと不味いものばかりだ。
 だから美味しいビールを飲みたければ、麦芽とホップだけで造られたものか、副原料にオレンジピールやコリアンダーを加えたベルジャン・ホワイトエールビールを選べばまず間違いない。
 麦芽とホップだけで造られたビールは、喉越しでゴクゴク飲みたい人達には「重い」と思われがちだが、サントリーのモルツやキリンの一番搾りなどは軽快に飲めて味に嫌味も無い上に、値段も副原料入りの他のビールとほぼ同じだ。

 日本という国では、麦芽の使用率が高いほど酒税も高くなるから。
 だから暑さと喉の渇きを癒す為に軽快に飲め、かつ一気に飲み干しても惜しくない値段のビール類を捜すとなると、どうしても発泡酒か新ジャンル酒の中から選ばざるを得なくなる。
 で、そうした発泡酒や新ジャンル酒は糖質副原料を少なからず使用している為、不味いものが少なくない。
 そしてその発泡酒や新ジャンル酒が「まあ飲めるレベル」か、「副原料の嫌な味があって、喉の渇きを癒すなら炭酸水や麦茶の方がずっとマシ」かは、「実際に飲んでみないとわからない」というのが実態だ。

 ただ筆者がいろいろ飲み比べてみた経験から言えば、新ジャンル酒でも副原料やスピリッツに麦を使ったものにはまだマシなものが多かった。
 そして税率の高いビールと同じで、米やコーンやスターチ等を使った新ジャンル酒や発泡酒には嫌味を感じる不味いものが多かった。
 麦芽とホップだけで造ったビールを「重い」と感じる人は、糖質副原料を使うと「味が軽快になる」とも言う。
 しかしその糖質副原料もただ味と香りを軽く(薄く)するだけでなく、原料によってそのビール類の味に影響を与える。
 そして麦芽に最も近い麦を糖質原料として使った新ジャンル酒が、最も嫌味が少なくビールの味に近く仕上がるように思える。

ベルモルト・ゴールド①P1110536ベルモルト・ゴールド②P1110538

 そして筆者は先日、お酒も扱う某ホームセンターで、妙な新ジャンル酒を見つけてしまった。
 その名をベルモルト・ゴールドと言い、ベルギー産で麦100パーセントと謳っている。
 しかもそれで、値段は330mlの缶でたった97円(税抜き)だ。
 当然、味見の為に少し買ってみた。

 缶の裏面に味や香りについての自社評価が、5段階評価で表示されており、それによるとコクと苦みが星4つ、香りが星3つで甘みが星2つになっている。
 が、冷蔵庫で冷やしプルタブを開けてみると、香りは殆ど立たない。そしてグラスに注ぐと、糖質副原料を多く使ったビール類にありがちな金属的な不快な匂いすら漂ってくる。

 これは筆者が苦みの強い、IPA(インディア・ペールエールビール)も好きだからかも知れないが。
 星4つとされている割には、苦みはそれほど強いと思えなかった。
 しかしそれより、喉越しでゴクゴク飲むと、匙を舌に押し当てたような金属的な嫌な味を強く感じた。そして後味もあまり良くなく、暑く喉が渇いた時に喉越しでゴクゴク飲むにはふさわしくないと思った。
 このベルギー産で麦100%のベルモルト・ゴールド、日本人がやりたがる「ゴクゴク、プハーッ」という飲み方では、はっきり言って不味い。

 ところが、だ。
 喉越しでぐいぐい飲まずに、ゆっくり味わって飲むと案外悪くないのだ。
 喉越しでゴクゴク飲むと、金属的な嫌味を感じて不味い。
 しかしゆっくり飲むとその嫌な金属的な味が消え、しっかりとしたコクとほのかで心地よい甘みを感じるのだ。

 このベルモルト・ゴールドは「欧州産最高級ホップを贅沢に使用し飲み応え十分のコクと旨味、爽快なキレ」と謳っている。
 爽快なキレについては疑問があるが、新ジャンル酒にしては確かに十分なコクと旨味を感じる。
 とても97円とは思えない、下手なビールよりしっかりしたコクと旨味を感じる。
 金属的な味と香りや、後味があまり爽やかでないなどの問題点はあるが、少なくともコクと旨味については新ジャンル酒の中では最高と言っても良い。

 新ジャンル酒や発泡酒はまず価格の安さが取り柄で、暑い時に喉の渇きを癒す為に喉越しでゴクゴク飲むのに向いている。
 しかしこのベルギー産の新ジャンル酒のベルモルト・ゴールドは、喉越しで気楽に飲むのには全く向いていない。
 ゆっくり飲めばビールに近い旨味とコクがあるものの、日本人に多い喉越しで「ゴクゴク、プハーッ」という飲み方をすると変に不味いというのが皮肉だ。

 ビールは、その生産国の気候に合った造り方をされる。
 暑い国では、どうしてもキンキンに冷やして喉越しで一気に飲んで美味しいような軽めのビールが好まれる。
 そして暑くない欧州では、ゆっくり味わって飲むのに適した、しっかりした味と香りのビールが好まれる。
 このベルモルト・ゴールドを造ったベルギーの人達は、蒸し暑い日本の気候を全くわかっておらず、ビールを喉越しで一気に飲む事も無いまま、よりビールに近いコクと旨味を出そうと頑張ったのだろう。

 このベルモルト・ゴールドは、大麦を副原料に使った発泡酒を、大麦のスピリッツで割った新ジャンル酒だが。
 その原材料表示を見てみると、発泡酒(大麦・麦芽・ホップ)と書いてある。
 そして原材料の表記は、使われている原料の多い順に書くのが通例だ。
 つまりベルモルト・ゴールドは、麦芽より副原料である大麦の方が多く使われているということだ。
 そのせいで例の金属的な嫌な味と匂いが出てしまったものと思われる。
 コストの問題もあろうが、税制の限度いっぱいまで麦芽を多く使っていれば、もっと良い味の新ジャンル酒になったのではないだろうか。

 もちろん、麦芽とホップだけで造られた本物のビールの方が、味も香りも間違いなく上だが。
 しかしこのベルモルト・ゴールド、97円という値段を考えれば間違いなく美味いのだ。
「ブラウマイスターこだわりのキレとコク」と缶に書いてある通り、欧州のビールのコクと旨味の片鱗を確かに感じる。
 ただ残念ながら、これはゆっくり味わって飲んでこそ旨い酒で、ビール類は夏に「ゴクゴク、プハーッ」とやりたい多くの日本人の飲み方にまるで合ってない。
 筆者個人としては、新ジャンル酒としてはかなり良い出来だと思うが。
 このベルモルト・ゴールドの旨さがわかる日本人のビール飲みがどれだけいるか、甚だ疑問だし心配だ。

 提案だが、このベルモルト・ゴールドは二本目以降に飲むビール類にすると良いだろう。
 まずはサントリーの金麦やキリンののどごし生などを喉越しで飲んで、暑さと喉の渇きを癒して。
 そしてその後でベルモルト・ゴールドをゆっくり飲めば、きっと「案外、悪くないね」と思って貰えるのではないだろうか。

 美味しい良いビールを飲みたければ、麦芽とホップだけで造った本物のビールを飲めば良いのだが。
 しかし懐事情が厳しい人もいるだろうし、そんな人がたくさん飲みたい時に、選択肢の一つとしてこのベルモルト・ゴールドも考慮していただければと思う。

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