空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

政権の飼い犬と化した大新聞

 筆者が好きな漫画に、鳴海けいさんの『ピース*2』という作品がある。
 そしてその中に、こんなシーンがある。

 主人公は潔癖で成績優秀な模範生の高校生なのだが、外見は童顔で文学少女風の同級生、間宮さんが気になっている。
 そしてその間宮さんの兄は生徒会長なのに遊び人で、公私混同して生徒会長の地位も悪用してばかりのいい加減な人間なのだが。
 で、その間宮兄が、妹に気があるらしい主人公を脅すのだ。
「俺は全校生徒の情報を握ってる。お前の秘密を、校内放送で流してやろうか」
 しかし主人公は動ぜず、真顔でこう返す。
「別に構いませんよ、俺は知られて困るようなことは何もありません。清く正しく生きてますから」
 で、間宮兄はドン引きして、妹にこう囁くのだ。
「おい……あいつ怖いぞ。あいつはやめとけ」

 その主人公のように真顔で「清く正しく生きている」と言い切れる人間が、果たしてどれだけ実在するだろうか。
 堅い仕事に就いている真面目と思われている人だって、知られて困ることの一つや二つ、抱えているのが普通ではないか。
 女性にぶたれたり踏まれたりするのが快感だったりとか。
 小さい女の子(幼女)が大好きだったりとか。
 三十過ぎていてしかも妻子持ちなのに、まだアイドルオタクだったりとか。

 他人に知られたくない恥ずかしい事なら、筆者だって幾つも抱えている。
 実はツインテール&オーバーニーソックスの女の子には弱いし。
 大の猫好きのせいか、猫耳の似合う女の子も「可愛い!」と思ってしまうし。
 それに何より、若い頃の中二病的な痛すぎる言動については、今でも思い出すだけで赤面するだけでなく、「皆に知られたら」と想像するだけで死にたくなる。

 今、政界では加計学園と安倍首相に関するスキャンダルが問題になっている。
 そしてさらに、「総理のご意向」として加計学園獣医学部の新設を促す文書が「確実に存在した」と証言した文科省の前川喜平前事務次官が、「出会い系フーゾクに通っていた」という情報も読売新聞にリークされて話題になっている。

 この二つのスキャンダルを混同してはならない。
 フーゾク通いは、別に高級官僚でなくても決して誉められた事ではない。しかし違法では決してないし、迷惑は誰にもかけていない。
 だが総理が自分の権力を笠に着て、お友達の為に便宜を図るよう文科省に圧力をかける事は、明らかな公私混同の総理にあるまじき行為である。
 この二つの問題は決して「どっちもどっち」ではないし、もし「そんなフーゾク通いをする前事務次官の言うことなんて信用できないね」と思った人がいるならば、その人は馬鹿である。
 前事務次官のフーゾク通いは、あくまでも個人の性癖の問題であり、違法では決してない
 しかし総理がお友達の加計学園の為に権力を使って便宜を図るのは、明らかに「してはならない、悪いこと」である。

 それにしても、最近の総理とその周辺の、スキャンダルに対する対応は酷い。
 あの森友学園の籠池理事長については「しつこい」と言い、加計学園に関する文書の存在を証言した前川前事務次官については「地位に恋々として」とけなし、さらにはフーゾク通いを仲良しのマスコミにリークして。
 とにかく相手の人格を貶めることによって、相手の証言の信用性を薄れさせ、スキャンダルそのものを無かったことにしようとしている。

 それにしても情けないのは、一部マスコミがその安倍総理の意に従い、前川氏を貶める報道をして安倍総理のスキャンダル隠しに手を貸していることだ。
 繰り返すが、違法ではないフーゾク通いと、総理の公私混同のお友達に便宜を図る為の政治的圧力は同列に語れない。
 しかし恥ずかしいことに、日本で一番発行部数の多い大新聞、読売新聞が総理の意を汲んだかのように動き、加計学園と総理のスキャンダル隠しに手を貸しているのだ。
 で、少なからぬ国民が「総理も問題ありかも知れないけれど、証言しているのがフーゾク通いのお役人だからどっちもどっち」と思いかけている。

 そんな現状だからこそ、筆者はあえて繰り返し言いたい。
 一個人の違法でない性癖の問題と、国家権力を総理がお友達の為に公私混同して使う事は、全く別の次元の話である。
 だからそれは、決して「どっちもどっち」ではないのだ。
 前川前事務次官のフーゾク通いを非難できる人は、例の『ピース*2』の主人公のような、「俺は知られて困るようなことは何もありません。清く正しく生きてます」と言い切れる人だけだ。
 しかし総理が文科省に圧力をかけてお友達の学園の為に力を貸す事は、誰がどう考えても公私混同の悪い事だ。

 にもかかわらず日本のマスコミには、しかも大新聞には、総理と仲良くして総理の意を汲んで働く、報道の名に値しない恥ずかしい組織が存在する
 読売新聞の社長で主筆を務めるお方が総理と会食し、間もなく総理の憲法改正についての独占記事を紙面に載せて。
 そして総理は国会で野党議員の質問に、「読売新聞を熟読して」と答える。
 さらに加計学園と総理の関係の問題になり、前川前事務次官が総理に都合の悪いことを言えば、読売新聞が前川氏のフーゾク通いについて八段抜きの記事で大々的に報じる。
 この総理と大新聞が癒着したズブズブの醜い関係には、一国民として反吐が出る思いがするほど気分が悪い。

 かつて田中角栄元総理は、記者たちにこう言った。
君たちは年がら年中わしらを批判する。どんどん批判しろ。それが君たちの仕事だ
 そう、それこそ与党の政治家とマスコミの正しい関係だ。マスコミは権力を批判し、権力を持つ政治家もそれを当然のことと受け止める。
 ところが今はどうだ。
 与党の政治家はマスコミを統制しようとし、そして日本で一番売れている大新聞も政治に対する批判を忘れ、それどころか権力にすり寄り、その意を忖度して記事を書いているのだから呆れる。と言うより、恐ろしい。

 戦時中には政府により報道が厳しく管理され、マスコミも国民の戦意高揚に手を貸した。
 その反省に基づいて、戦後のマスコミは権力の監視に努めてきた筈だが。
 今の安倍政権下で、幾つものマスコミが「政府や軍部の圧力に屈して」ではなく、「自ら進んで」総理の意を汲みそのお先棒を担ぐような真似をし、“報道”ではなく“政権の広報”としか言えぬ情報を臆面もなく発信し続けている。
 特に読売新聞の記者には、報道にかかわる者としての矜持など既に無いのであろう。
 そして安倍政権下で、世界の中で見る日本の報道の自由度のランクはガタ落ちしている
 あの愚かで悲惨な戦争に至る歴史を知る者にとっては、実に怖いことである。

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