空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

味もリニューアルされた白角

 このブログを何度か読んでくださっている方はご存知のことと思うが、筆者はサントリーが嫌いだ。

 と言うと、「サントリーのウイスキーは立派な賞を幾つも取っているし、今やサントリーは世界的なウイスキー・メーカーだ」とおっしゃる方もいるだろう。
 賞を取るようなサントリーの高価なウイスキーは、確かに美味い。
 しかし高価なウイスキーは美味くて当然で、高くて不味ければそれはもはや詐欺である。
 筆者が気に入らないのは、コンテストの賞を狙うような高価なウイスキーと、普通の人が普通に飲む手頃な価格のウイスキーを、サントリーが呆れるくらい見事に作り分けている事だ。

 他のメーカーには、お手頃価格のウイスキーもコストの制約の中で精一杯良い製品を造ろうと努力しているところもある。
 しかしサントリーは違う。
 高価なウイスキーで世界的な賞を取り、それを宣伝に利用してサントリーのウイスキーのイメージを上げて。
 そして一般の人に売るお手頃価格の製品は、炭酸や水で薄く割らねばとても飲めないようなシロモノばかり出しているのだから質が悪い。

 正直に言って、普通の人が普通に買えて日常的に飲むようなサントリーのウイスキーは、飲むに値しない不味いものばかりだ。
 特に「日本で一番売れているウイスキー」と言う角瓶など、本当にヒドい味だ。若いアルコールの刺激がキツ過ぎて、宣伝されているようにハイボールにでもして薄く割らねば、とても飲めたものではない。

 角瓶だけでなく、トリスもレッドもホワイトもオールドも、量販店やスーパーの洋酒コーナーなどでよく売られているサントリーのお手頃価格のウイスキーは筆者は大嫌いだ。
 ただ白角だけは違った。
 筆者の大嫌いな角瓶の姉妹品なのだが、白角だけはそれなりに飲める案外悪くないウイスキーだと思っていた。
 しかしその白角も、リニューアルされて価格も上がってしまった。

 筆者にとって、白角は特に好きと言うのではなく、「この値段のサントリーのウイスキーにしては、案外悪くない」という程度の製品だった。
 その価格帯で一番良い出来というわけでなく、同じ値段でもっと旨いウイスキーは他に幾つもあった。
 だから値上げをして名の知れたスタンダード・スコッチより高くなった白角など、「飲む意味もない」と思っていた。
 が、ある量販店で税込み1250円で売っていたのを見て、リニューアルされて変わったのは瓶の形だけかどうか興味を抑えきれなくなって、つい買ってみてしまった。

サントリー・新白角①P1110483

 で、家に買い置きしてあった以前の白角と並べてみると、瓶の形が微妙に角張っただけでなく、ラベルも細部が幾つか変わっている。
 その中で最も目立つのは、古い白角にあった“淡麗辛口”の文字が無くなった事だ。そしてそれに代わって、瓶の上部に“CLEAR&SMOOTH”の文字が入れられた。
 筆者はそれを、とても良い事だと思う。
「日本酒ではあるまいし、ウイスキーに淡麗辛口など変だ」と、以前からずっと思っていた。
 実際、以前の白角はほのかに甘い“淡麗甘口”でこそあれ、決して“辛口”では無かった。
 辛く感じるのは、若いアルコールの刺激だ。
 あと“THE FINEST OLD WHISKY”という、この価格帯のウイスキーにしては大袈裟で嘘くさい一文も無くなっていた。

サントリー・新白角③P1110489

サントリー・新白角②P1110484

 さて、新しい白角のキャップを開けると、グラスに注ぐ前から優しい甘い香りとほのかな果実香が漂ってくる。
 グラスに注いで口に含むとライトで滑らかで、通常の角瓶(黄角)はもちろん、以前の白角よりもアルコールの刺激が少ない。
 香りは控えめで、まろやかだがインパクトはやや弱いし、余韻もあまり長くない。しかしチェイサーを口に含むと、青リンゴの香りとほのかなスモーキーさを感じる。
 以前の白角の“淡麗辛口”という売り文句には違和感があったが、新しい白角の“クリア&スムース”については「まさにその通り!」という感じだ。

 正直に言って味も香りも控えめな、ライトなウイスキーで、本格的なウイスキー好きには物足りないかも知れない。
 しかし果実の香りと心地よい甘さのあり、飲みやすくて決して悪いウイスキーではない。水で割れば、食事にも合いそうだ。

 事実サントリーは、この白角を水割りで飲むよう勧めている。
 実際、水を加えてトワイスアップにしてみると、アルコールのツンとした刺激が殆ど無くなり飲みやすくなるだけでなく、スッキリとしてフルーティーな甘さがより引き立つ上に、香りも損なわれない。
 ウイスキーにはストレートで飲むのが一番美味しくて、トワイスアップにするだけで水っぽく残念な味になってしまうものが少なくないが。
 この新しい白角は、水を加えてトワイスアップにするとむしろ味と香りがよく伸びて引き立つように感じる。

 ついでに言うと、この白角の甘さはあくまでもフルーティーな甘さで、ハニーな甘さとも、チョコやキャラメルの甘さとも違う。
 そしてそのしつこさの無い適度な甘さが、心地よく口の中に残る。

 筆者はさらに白角を1:2の水割りにしてみた。
 するとさすがに水っぽくなり、さらに甘さが薄くなる代わりにビターさが出てきた。
 だから個人的には、ストレートでゆっくり飲むか、トワイスアップで気楽に飲むかを勧めたい。
 ただ食事と一緒に飲むなら、1:2やもっと薄めに水で割っても良いと思う。

 そして続いて、家に買い置きしてあった以前の白角も開けて、リニューアルしてどれだけ変わったか確かめてみた。
 で、キャップを開けると古いものは、新しい白角より香りがさらに弱い感じだ。
 ただ古いものには、新しいものには無いスモーキーさを感じる。
 しかし甘さやスモーキーさより、まずアルコールの刺激的な臭いが鼻を突く。

 実際に飲んでみても、古い白角はストレートでは甘さよりアルコールの刺激がずっと強く、舌がピリピリして口も曲がりそうだ。
 この薄味でかつアルコールの刺激が強いのを“淡麗辛口”と称していたのだから、サントリーの商法はヒドい。
 しかしその以前の白角も、トワイスアップにするとアルコールの臭いと刺激がかなり引き、甘やかな味と青リンゴのフルーティーな香りが出てきて飲みやすくなる。
 古い白角はストレートで飲むのはキツいものの、少し加水してトワイスアップにするとなかなか良い感じになる。
 ただ、その古い白角のトワイスアップと、新しい白角のトワイスアップを飲み比べてみると、古い白角の方がまだアルコールの刺激が強く、新しい白角の方が明らかに滑らかで美味しい。

 古い白角も1:2の水割りにしてみたが、二倍の水を加えるととにかく薄く水っぽい。こちらの方はビターさも無く、ほのかな甘みを感じるだけ。
 まるで、いいちこなどの減圧蒸留してイオン樹脂濾過もした麦焼酎の水割りでも飲んでいるかのようだ。
 ただいいちこの水割りが別に美味くもないが飲みやすいように、古い白角の薄い水割りも食事と一緒にスイスイ飲める。

 はっきり言うが、新しい白角はただ瓶の形とラベルが少々変わっただけでなく、味も間違いなく良くなった。
 以前の白角には、いかにもサントリーの安いウイスキーにありがちな若いアルコールの強い刺激があり、ストレートで飲むのはつらかった。
 しかし新しい白角は明らかにそのアルコールの刺激が弱まり、ストレートでも楽しんで飲めるようになった。
 フルーティーな心地よい甘さと青リンゴの香り、そして僅かなスモーキー香という従来の白角の味を守りつつ、よりまろやかに飲みやすくなった。

 ただストレートでザ・フェイマス・グラウスと飲み比べてみたところ、香りも味の深みも明らかに物足りなく感じた。
 新しい白角はよりマイルドになり味に磨きがかけられ、ストレートでも飲めるようになった。
 しかし筆者の印象では、ストレートでじっくり味わうより、やはり加水してトワイスアップで気楽に飲むのが一番良いように感じた。
 もちろん、もっと加水して料理と一緒に飲むのも良いだろう。

 この新旧の白角を飲んで、改めて思ったのだが。
 白角はスコッチともアイリッシュともバーボンともカナディアンとも違う、まさしく日本のウイスキーだ。
「是非飲んでみてほしい」と勧めるほど美味いものではない。
 しかしまだ飲んだ事が無く、そしてもし安く売られていたら一度味を見てみて損はないと思う。

サントリー白角とジョニ赤P1110853

 ただ問題なのは、白角の値段だ。
 筆者はある店で、この新しい白角を税込み1250円で買ったが。
 他の酒の量販店では、たいてい1296円(税込み)で売られている。
 そして近所のスーパーでは、この白角と黄角が税込み1491円で売られていた。
 その店ではジョニ赤ですら、税込み1078円だというのに。
 ハイランド・リザーブというスコッチに至っては、税込みで千円を切っている。
 ホワイトホースやジョニ赤などのスコッチが、今では千円前後で買える。
 なのに何故、白角や黄角がそれより三百円から四百円以上も高いのか。その理由が、筆者には全くわからない。
 黄角はともかく、白角は普段に気軽に飲んで美味しい、悪くないウイスキーだと思う。
 しかしジョニ赤などの定番スコッチと比べて、明らかに高すぎる。
 だから「悪くない」と思いつつ、なかなか買って飲む気になれないでいる。
 白角も悪くないけれど、ジョニ赤より何百円も高いなど「あり得ない」と、声を大にして言いたい。

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