空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

読売新聞と一部テレビ局にもはや“報道”は存在しない


 安倍政権下で特定秘密保護法と戦争法案が押し通され、共謀罪もまた可決目前となって。
 戦後レジームを敵視する安倍首相の政策により、日本は今や戦前の大日本帝国に姿を戻そうとしている。
 それと同時に、安倍首相のお友達ばかりが“えこひいき”される森友学園や加計学園などの実状が明らかになりつつある。
 そんな中、今もなお安倍政権を支持している貴方に聞きたい。

 貴方は“良い人”ですか?
 それとも“悪い人”ですか?

 その問いに、スパリと躊躇うこと無く答えられる人は、おそらく殆どいないだろうと筆者は思う。

 筆者は作家の池波正太郎氏を、今も大好きである。そしてその池波氏が、作品の中でこんな事を書いていた。
 人は良い事をしながら悪い事もし、悪い事もしながら良い事もするものだ……と。

 悪い事しかしない完全な悪人も、良い事しかしない完全な善人も、おそらくこの世には殆ど存在しないのではないか。
 善が1で悪が9だったり、またはその逆だったりしても、悪人だってたまには良い事もするし、良い人だって後ろ暗い事の一つや二つくらい抱えているものである。
 それが人間というものだ。

 だから権力者は、自分に刃向かう者や、政権に都合の悪い事を言う者がいれば、警察の力を使ってその敵対する者の後ろ暗い部分を洗い出し、名誉を失墜させて「こいつの言うことなど信用ならない」と“印象操作”しようとするものである。
 安倍首相とそのお仲間たちが、文科省前事務次官の前川喜平氏にしている事は、まさにその悪い権力者が刃向かう者にする典型的な行為である。

 天下り問題で引責辞任した事については、「地位に恋々としがみついた」と言って。
 さらには出会い系バーに出入りした事を取り上げ、「そういう店に出入りして(女性に)小遣いを渡すようなことは到底考えられない」と言って。
 前川氏の告発に対し、安倍首相のお仲間は前川氏に対する人格攻撃に徹し、前川氏を貶める事でその証言の信用を無くそうと躍起になっている

 そうした権力者の汚いやり方も情けないし腹が立つが、もっと情けない上に怒りを禁じ得ない危険な行為が、政権の情報操作に大マスコミが手を貸している事である。
 以前にもこのブログで書いたが、出会い系バーに行くことは決して違法な行為ではないし、前川氏が出会い系バーに行ったのも勤務時間外の私的な時間だ。
 それに対し、首相がお友達に便宜を図る事は、誰がどう見ても不正な行為である。
 この「首相がお友達に便宜を図る為に圧力をかけた事」と「前川氏が勤務時間外に私費で出会い系バーに行った事」を同一に論じては、絶対にいけない
 にもかかわらず安倍首相に媚びへつらうテレビや新聞は、前川氏と出会い系バーの問題を興味本位に取り上げ、加計学園問題の本質から国民の目を逸らすよう誘導している

 テレビ報道記者の金平茂紀氏によると、5月25日に弁護士会館で前川氏の記者会見が急遽行われたが、その部屋は空調が切られていて、記者もカメラマンも前川氏も汗が噴き出る中で会見が続いたという。
 が、あるワイドショーは、その会見についてこう報じたという。
前次官は会見で出会い系バー通いの質問が出ると、汗を拭き拭き答えていた
 前川氏だけでなく金平氏も含め、その部屋に居た全員が汗だらけだったにもかかわらず、である。
 金平氏はそのテレビ放送を後で見て驚いたと言うが、これが今の日本のテレビの実態である。
 加計学園の問題に迫るより前川氏の出会い系バー通いの問題を取り上げ、その内容をねじ曲げて情報操作までする
 安倍首相の意を忖度しているのか、自ら首相に尻尾を振って見せているのかは知らないが、今の日本の一部のテレビは戦時中の大本営発表と何ら変わらない

 テレビと言えば、加計学園の問題に対するニュースでの報道の仕方がかなり違う。
 TBSやテレビ朝日系列では、加計学園に関する報道が連日トップに近い順で出て来るが。
 少なくともNHKでは、忘れた頃に終わりの方で短くしか報道されない
 しかも必ず、「野党や前川氏の発言に対し、安倍首相とそのお仲間が反論して否定する」という形で報道されている。
 NHKしか見ていない事情を知らない者には、まるで安倍首相側が野党や前川氏を言い負かしたように思えてしまうだろう。
 テレビ朝日系やTBS系のニュース番組に比べ、NHKがニュースで加計学園の問題を取り上げる時間は明らかに短いし、政権に真相解明を求める姿勢も甘い。
 実際、TBSの『ニュース23』では前川氏の長時間インタビューを放送するだけでなく、その中身も検証していたのに、NHKでは事前に撮っていた前川氏のインタビューの放送を見送ったりもした。

 加計学園の問題の本質から国民の目を逸らすかのように、政権の走狗となって前川氏の出会い系バー通いについて事実をねじ曲げて放送する民放のワイドショーも許し難いが。
 よく、「イジメをする者も悪いが、イジメを見て見ぬふりをする者もイジメに加担しているのと同じだ」と言うではないか。
 イジメに例えれば、読売新聞や例のワイドショーはイジメの主犯(安倍首相とそのお仲間)に媚びて従うイジメグループの一員で、NHKはイジメを見て見ぬふりする者と言えよう

 だいたい、NHKは政府から金を貰っているのではなく、国民から受信料を半ば強制的に徴収して経営を成り立たせているのではないか。
 NHKの受信料の取り立てに対する執念は凄い。レオパレスのような、元からテレビなどの家電が備え付けられた短期滞在型のアパートに入居した者からも、「テレビを受信できる人には支払う義務がある」という理由で受信料を取り立てている。
 そこまでして取り立てた“皆様の受信料”で、その経営を成り立たせているのだ。ならばあくまでも国民の為の放送局であるべきで、政権の意向など忖度する必要など無い筈ではないか。
 と言うより、国民の皆様の受信料で経営しているNHKの経営陣に、首相がそのお仲間を送り込んでくること自体が間違っているのだ。
 その事に、NHKの記者や職員らは何故抗議の声を上げないのか。
 抗議の声を上げるどころか、政治部の岩田明子記者など、首相と仲良しで有名で、ニュース番組に“解説者”として出ては、御用記者らしい政権に媚びた発言を繰り返している始末だ。

 経営陣や上層部に政権に近い者達を送り込まれている為、ただの記者や一職員が抗議できないのは無理も無いことかも知れない。
 しかし筆者は、「受信料を払っている(むしり取られている)国民は、もっと怒るべきだ」と思っている。
 国民の受信料で経営しているのだから、NHKは時の政権とは距離を置き、常に公正な立場で批判すべき時には政権をも遠慮なく批判すべきではないか。
 それでこそ真の報道機関で“皆様のNHK”と言える。
 ところが今はどうだ。
 国民の皆様の受信料で経営している筈のNHKは経営陣に首相のお仲間を送り込まれて“アベ様のNHK”と化している。
 国民の受信料で成り立っているNHKをタダで私物化し、自らの広報放送局としているのだから、酷い話ではないか。
 政権の闇を追求する姿勢が見られないだけでなく、この安倍政権下で、首相の長時間の記者会見の放送がNHKで妙に増えているのも間違いのない事だ。政権に近いと言われる民放ですら通常の番組が放送されているのに、NHKでは番組を中断して首相の一方的な談話がリアルタイムで長々と放送される事が、近年妙に目立つ。
 しかし国民の約半数はこれにまるで怒らず、こんな政権を相変わらず支持し続けている

 安倍政権の前の民主党政権は、確かに無能で酷かった。
 しかし民主党政権は“無能”で済んだが、安倍政権は放送法でマスコミを恫喝する一方で、マスコミの経営者や親しい記者達と盛んに会食などをして、まさに“飴と鞭”で政権批判を抑え込もうと務めている
 安倍首相の狙いはマスコミを戦時中の大本営発表のようにすることであろうし、事実、読売新聞と一部の民放とNHKは“報道”とは名ばかりで、現実には“政権の広報”に成り下がっている
 そしてマスコミが“親安倍政権”とそうでないものに見事に分断される中で、数の力で特定秘密保護法や戦争法案や共謀罪が制定され、時代は日本会議や神社本庁の念願通りに戦前戦中に戻ろうとしている。

 毎日新聞の記事によると、例の文科省の前川喜平前事務次官は、貧しい子供たちの為にボランティア活動をしている東京都中央区のNPO法人キッズドアに、一般の人と同じようにホームページから説明会に申し込み、子供に勉強を教えているという。
 その今年度の学習会20回すべてに参加予定で、キッズドアの理事長渡辺由美子さんも、「生半可な思いでは出来ない」と言っている。
 そして前川氏は会の運営にも建設的な提言をし、スタッフにも「信頼できる」と評価されていたという。
 その貧しい子供たちの為のボランティア活動に加わるに際し、前川氏は前職や経歴をひけらかすような事は全くしなかった。
 で、一連の報道と記者会見を見てNPOのスタッフ達は「あのおっちゃん、偉い人だったんだ」と驚き、心配しているそうだ。
 出会い系バーの事ばかりが注目され、菅官房長官にも「地位に恋々としがみついた」と中傷される前川氏にそんな一面もある事を、毎日新聞はしっかり報道した。

 それに対し、加計学園の問題で前川氏が証言すると、誰の意を受け、誰から情報をもたらされたのかは知らないが、間もなく前川氏と出会い系バーの問題を八段抜きの記事で大々的に報じた読売新聞は本当に腐っている。
 ただ出会い系バーの問題を報じただけでなく、前川氏の記者会見で、読売新聞の記者がこう質問したという。
こういった在職中に知り得たものを明かすのは(国家公務員法の)守秘義務違反に当たらないかという指摘もされると思うんですけれど
 ……呆れたものだ。
 新聞記者だけでなくジャーナリストというものは、その公務員が在職中に関して知り得た国事や犯罪に関する情報を何とか取ろうと、夜討ち朝駆けなどして張り付き、公益の為にその守秘義務の壁にぶつかってきたのではないか。
 その首相とそのお友達である加計学園の癒着の問題で、せっかく勇気をもって証言してくれた前川氏に感謝するどころか、出会い系バーの問題を報じて貶め、さらには「守秘義務違反ではないか」と糺すのが、読売新聞という“マスコミ”の正体である。
 読売新聞は役所や役人が隠している秘密を暴くつもりはまるで無く、ただ政治家や役所の公式発表を垂れ流せば良いと思っているようだ。
 これで“新聞”とか“ジャーナリスト”とか名乗っているのだから、笑わせてくれる。
 読売新聞は今後“読売アベ広報”と改称すべきだし、国民もそうした認識をもってその記事を読むべきだ。
 筆者は読売グループについて、「政治色の強い社長兼主筆の命で心にも無い記事を書かされる、気の毒な記者たち」と思っていた。
 だが実は、社長兼主筆だけでなく末端の記者まで腐っていて、ジャーナリストの精神など全く無くしているようだ。

 安倍政権下で、マスコミが政権に取り込まれたものとまだそうでない抵抗勢力に分断されている今。
 筆者は思うのだが、「読売新聞を読んで、ニュースは主にNHKを見ている人」と、「毎日や朝日や東京新聞を読んで、TBSやテレビ朝日のニュースを見ている人」とでは、同じ日本に住んでいながら見えている世界がまるで違うのではないだろうか。
 そして政権と仲良しの読売グループやフジ産経グループ、および政権に屈服したNHKの報道に対する姿勢が、特定秘密保護法や戦争法案や共謀罪を無理押ししようが、森友学園や加計学園のスキャンダルがあろうが何のそのの、安倍政権の高支持率を支えているのだろう。

 安倍政権の飴と鞭に屈せず頑張っている新聞社や放送局が一部残っている今は、まだ良いが。
 もしマスコミすべてが政権に取り込まれるか屈服した後の事を考えると、筆者は恐ろしくてならない。
 少なくとも安倍首相が敵視する戦後レジームの時代の日本人は、国民だけでなく自民党の首相ですら「記者は政権を批判するのが仕事だ」と、ちゃんとわかっていた
 だから筆者は戦後レジームの時代には、少なくとも小泉政権が誕生するまではずっと自民党を支持してきた。
 しかし今はどうだ。
 首相は批判するマスコミを敵視し、マスコミの中にも政権に媚びる腐ったゴミ虫が増殖しつつある。
 首相の姿勢もクソだが、今の日本のマスコミの半分近くから腐臭が漂いつつある
 そしてすべてのマスコミが政権に膝を屈して権力を批判するのを止めた時に、日本はまた戦争と独裁の暗い時代へと戻るのだろう。

 国民の皆さんに問いたい。
 民主党の時代はもう懲り懲りというのはわかるが、我が国の首相は本当に安倍氏でなければならないのだろうか?
 戦後の平和な個人の自由と人権が保障された日本が嫌いで英国のBBCにも「右翼のナショナリスト」と言われ、いろいろな危険な法案をゴリ押しする上に疑惑が深まるばかりの安倍氏の他に、自民党に首相にふさわしい人材は本当にいないのだろうか?
 日本の言論の自由が、一部なりともまだ何とか守られている今のうちに。
 保守だが無神論者で自由と戦後の平和な時代を愛する元自民党支持者として、その事を今も与党を支持する保守の方々に問いたい。

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コメント


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全員の論調が同じなのが一番ダメだ。これは言論の基礎の基礎

昔メディアが「カップラーメンの値段ガ~」って自民党叩いて政権交代起きたけど、僕たちはそこから何を学んだんだ?それとも何も学ばなかったのか?
韓国べったりのメディア、中国べったり、反社会勢力べったりのメディアがある中で、自民叩き一色に染まったらメディアは悪用されるだけだ。政権交代がそれを教えてくれた。

全員の論調が同じなのが一番ダメだ。これは言論の基礎の基礎

り | URL | 2017-06-10(Sat)10:38 [編集]


おかしいことを おかしいという。

おかしいことを おかしいという。

それがマスメディアの仕事です。

事実を事実として述べた結果
政権叩きになってしまうなら
政権がおかしいからです。

現状、何が問題かというと
おかしいことをおかしいと
指摘する能力がないこと。

マスメディアの重要な役割は
政権の監視ですから、政権は
「叩かれるのが当たり前」。

そしてマスメディアは政権の欠点を
論理的な思考で指摘するのが仕事。

ということは提灯記事を書いた時点で
新聞は基本的にアウトなんです。
(欠点のない政権は存在しないから。)

でも黒澤氏、私は現状とても勉強を
させていただいていますよ。

日本が戦前から戦中に入る時に
権力が暴走して、理性を失い、
そして新聞は御用新聞になった。

その時の状況を僕らはオンタイムで
経験しているわけですよ。

何のことはない「鬼畜米英」が
「鬼畜中韓」に変わっただけで
殆ど歴史のままの経緯です。(笑)

ogotch | URL | 2017-06-11(Sun)10:16 [編集]


Re: タイトルなし

> 全員の論調が同じなのが一番ダメだ。これは言論の基礎の基礎

 政権支持のマスメディアがあっても良いでしょう。
 ただ、日本の新聞の多くは公正中立を建前にしていますからね。
 反政府なら反政府、政権支持なら政権支持と、最初からスタンスをはっきりさせてほしいです。
「我が社は安倍政権を支持する!」と明言した上で、前川前事務次官を叩くなら良いのです。
 そう明言せず、しかし社長兼主筆が度々首相と会食し、そして政権の援護射撃の論調を張るのは、やはりよろしくないと私は思います。

 あと、権力者と国民は決して対等ではありません。
 ですから権力者が権力を悪用しないよう監視する者が、絶対に必要だと思います。
 マスコミが監視して報じなければ、国民は権力者の不正を知りようがないですからね。

黒沢一樹 | URL | 2017-06-14(Wed)15:43 [編集]


Re: おかしいことを おかしいという。

> 日本が戦前から戦中に入る時に
> 権力が暴走して、理性を失い、
> そして新聞は御用新聞になった。
>
> その時の状況を僕らはオンタイムで
> 経験しているわけですよ。

 過去の状況を経験していると言えば。
 ナチのNo.2だったヘルマン・ゲーリングが、戦後に戦犯として捕えられて刑務所に収容されている際、訪ねてきた米国人の心理学者グスタフ・ギルバートにこう語ったそうです。
「一般市民は戦争を望んでいない。ロシア人だろうと、イギリス人だろうと、アメリカ人だろうと、その点についてはドイツ人だろうと同じだ。しかし、結局、政策を決定するのは国の指導者達であり、国民をそれに巻き込むのは、民主主義だろうと、ファシスト的独裁制だろうと、議会制だろうと共産主義的独裁制だろうと、常に簡単なことだ。国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に晒す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ」
 この言葉が今の日本に見事に当てはまっているのが怖いです。

 そう言えば今の政権の副総理は、憲法改正について「ナチスのやり方を見習ったらどうかね」と言っていましたよね。

黒沢一樹 | URL | 2017-06-14(Wed)16:10 [編集]