空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

「誤解を招く発言」という欺瞞と傲慢

 近頃、与党の閣僚や要人の失言が相次いでいるが。
 そして発言が問題になると、近年の閣僚はよくこう言う。
「誤解を招く発言をしてしまい……」

 誤解を招く発言、って一体何なのだ?
 少なくとも筆者には「発言そのものは間違っておらず、国民が誤解してしまったのだ」と言っているようにしか受け取れない
 自らの非や誤りを認めず、国民の受け取り方の問題に責任転嫁している以外に見えないのは、筆者だけだろうか。

 例えば最近の、稲田防衛相の発言について考えてみよう。
 都議選の応援に行った稲田防衛相は、皆の前で間違いなくこう言い切った。
防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたいと思っている
 防衛省という役所とその長として、自衛隊という組織として自民党の候補の応援をしているとしか理解できないし、稲田防衛相は間違いなく禁じられている自衛隊の政治利用をしたいと考えているとしか思えない
 しかし発言が問題にされると、稲田防衛相はまたしても例の言葉を言った。
「誤解を招く発言をしてしまい──」

 同じ発言を撤回して謝罪するにしても。
「私は間違いを犯しました、申し訳ありませんでした」
 非を認めてそう素直に謝るのと。
「誤解を招く発言をしてしまい……」
 そう言い逃れて言葉を濁しつつ暗に非を認めず、責任を“国民の理解力不足”に転嫁するのでは、意味も印象も全く違う。

 閣僚とは責任の規模がまるで違うが。
 筆者も仕事や私事でミスを犯した事が、幾度となくある。
 その際、筆者は自分の非は認めて全面的に謝る事にしている。
 言い逃れをしたり誤魔化したりせずに率直に謝り頭を下げるのが、相手の心証も最も良くなり結果的に許していただける可能性が一番高くなると経験的にわかっているからだ。
 相手が893関係者や既知外など、よほどタチの悪い人である場合は別として。
 間違った事をしてしまったら、非を認めて謝るのが最善の道だし、その前に人として当然の事ではないか。
 なのに与党の偉い人達の中には、「謝ったら負け」とでも思っているかのように振る舞う人が多いのに呆れる。
 まずはとぼけてシラを切り、証拠を突きつけられて言い逃れが出来なくなると「誤解を招く発言をしてしまい──」と、問題を国民の理解力にすり替える。
 そして「誤解」の言い逃れすら出来ない状況に追い込まれると、入院という手段を使って逃亡する始末だ。
 例の豊田真由子代議士にもし本当に入院の必要があるとすれば、それは精神科の他にあり得ないと思うが、違うだろうか。

 それにしても。
 稲田防衛相や豊田真由子議員も酷いが、安倍首相はもっと酷い。
 安倍首相の面の皮の厚さと嘘の多さは、本当に呆れるほどである。

 この7月1日に、東京都議選の応援の為に秋葉原駅前に出た安倍首相は、『安倍やめろ』の横断幕やプラカードを掲げた人々に迎えられ、「辞めろ!」という大合唱を浴びせられた。
 それに激昂した安倍首相は、その群衆を指さし、声を荒らげてこう言ったた。
「あのように、主張を訴える場所に来て演説を邪魔するような行為を、私たち自民党は絶対にしません。憎悪からは何も生まれない。相手を誹謗中傷したって何も生まれないんです。こんな人達に私たちは負けるわけにいかない」

安倍・秋葉原②P1110750安倍・秋葉原①P1110747

 2013年3月29日の参院予算委員会で、安倍首相はこう言った
あまり人を指さすのはやめた方がいい、人としてのまず初歩です
 その“人としての初歩”が出来ておらず、反安倍の人達とは言え有権者である国民を指さし、「こんな人達」と声を荒らげたのは、どこの誰か

 秋葉原の街頭演説では「主張を訴える場所に来て演説を邪魔するような行為を、私たち自民党は絶対にしません」と言いつつ、国会で度々野党の質問に野次を飛ばし、挑発的な答弁をしてきたのはどこの誰か
「日教組はどうするんだ!」
「早く質問しろよ!」
 安倍首相自身がそうした野次を国会で飛ばしてきた事を、筆者は決して忘れない。
 日教組云々(でんでん、ではない)の野次は、西川農相の政治献金問題を追求され、「野党だって日教組から貰っているだろうが」という意の野次であったが。しかし後に野党は日教組からの献金を受けていない事実がわかり、首相が陳謝する事になる。
 また今年の6月5日の衆院決算行政監視委員会では、加計学園の問題を巡り安倍首相から「野次を飛ばすのは止めていただきたい」と野党に注文をつけておきながら。
 その僅か10分後の野党の質問中に、首相自ら「いい加減な事ばかり言うんじゃないよ!」と野次を飛ばし、委員長から注意を受ける始末
だ。
 ちなみにこの安倍首相は、衆院予算委でこうも言っている。
「品の悪い言葉はやめた方がいい。それが民進党の支持率に現れている」
 安倍首相の言動のどこに品があるかと、筆者は逆に問いたい。

 戦争法案も共謀罪も反対を押し切り、数の力で強行可決して。
 森友や加計の問題も、数の力で追求をかわして。
 そしてその度に、決まり文句のように「丁寧な説明をする」と約束してきた安倍首相だが。
 それらの法律や疑惑について、一度でも国民が納得するだけの「丁寧な説明」をした事があったか
 いつも時を稼ぎ、国民が問題を忘れるのを待つばかりではなかったか。
 筆者は断言するが、安倍首相とそのお仲間は鉄面皮の大嘘つきである。

 他人(野党や反対勢力)は責めるが、自分の非は決して認めない。
 失言はすべて国民の誤解。
 野党の野次は許さないが、自分は野次を言い放題。
「人を指ささないのは人としての初歩」と説きつつ、「安倍辞めろ!」と言われると指さして怒り出す。
 何度も約束した「丁寧な説明」も、一度たりとも果たさない。
 こんな人が、今この日本の国を率いている。


 さすがに国民もこんな政権のおかしさに気付いてか、安倍政権の支持率は下がりつつある。
 そして「こんな人達に負けるわけにいかない」と安倍首相が言った都議選で、自民党は歴史的な大敗をした。
 かつて「品の悪い言葉はやめた方がいい。それが民進党の支持率に現れている」と言った安倍首相だが、その言葉がそっくりそのまま安倍自民党に返っているようだ。

 しかしこの安倍政権下で、特定秘密保護法も戦争法案も共謀罪も既に成立してしまっている。
 戦前の日本が大好きの安倍政権の独善と危険性に国民が気付くのが、少し遅すぎたのではないかと筆者は恐れている。

 筆者はインテリ層はほぼサヨクだった学生時代から、ずっと自民党を支持してきた。
 そして小泉政権の誕生と同時に、自民党を支持するのを止めた。
 さらに安倍政権下で、はっきり反自民にスタンスを変えた。

 だが筆者は、本質的にはサヨク嫌いの保守なのだ。
 いくら安倍首相ら日本会議に近い清和会中心の自民党が嫌いでも、民進党が支持するに足る政党ではない事もよくわかっている。
 ついでに言えば、無神論者の筆者は宗教政党はもちろん、政治に口出しする宗教勢力も大嫌いだ。それが某学会だろうが神社勢力だろうが、政教分離はきちんと守っていただきたいと思っている。
 筆者は個人主義者ゆえ、自由をとても重んじる。だから共産党はもちろん、自民党より右の極右政党などの、左右両方の全体主義的な政党も嫌悪している
 となれば、どうしても自民党が“まとも”になってくれる事を期待するしか無いではないか。
 国民に天皇を人としてではなく再び神として崇拝させたい戦前大好きの神社勢力と手を切り、安倍首相や小泉元首相らの清和会でなく保守本流と言われた人達が自民党で勢力を伸ばしてくれる事を、保守でかつては自民党を支持していた者として心から願ってやまない。
 かつての自民党はこんな戦前の日本が好きで全体主義的な党ではなく、もっと国民に優しい民主的な党だったのだが。

 自民党は、英語ではこう書かれている。
 the Liberal Democratic Party.
 そうなのだ。
 自民党とは、リベラルでデモクラティックな党の筈なのだ。
 しかし今の安倍自民党のどこに、リベラルとデモクラティックがあるか

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コメント


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たぶん、なりません。

自民党が、まともになるか。

たぶん、なりません。

と、いいますか、既に「自民党」は
自由主義でも民主主義でもないので
期待する方に無理があると思います。

そして次回の選挙まで自民は
意図的に大人しくしていれば
大半の国民は忘れてしまって
また大量に当選するでしょう。

黒澤氏の知る歴史通りに、今も
同じことを繰り返します。

現実は、曲がりません。

仕事でも、生活でも、そうなのですが
「言ったこと」より「やったこと」が
最優先されますよね?

仕事なら、言っていることと
やっていることが違ったなら
クビになるのが普通でしょう?

でも「今の自民党」は自由主義と
民主主義を言っているのに実際に
やったことは真逆の法案と採決。

「前の自民党」は自由主義と民主主義に
ハズれたことだけは、しませんでした。

というより、してはいけないんです。

「自民党」なんだから。(笑)

してはいけないことを、やった以上
「自民党」は事実上、消滅しました。

「自民党」は この世にないんです。

「自民党」の看板をかかげた別の党が
今の日本に存在しているわけです。

平成の大政翼賛会だと考えれば
全ての辻褄が通るなと私自身は
考えています。

黒澤氏、歴史は繰り返すというのは
真実だったんですね。(笑)

ogotch | URL | 2017-07-08(Sat)11:36 [編集]


何に対する「誤解」か

お邪魔します。
 日本人に「事実と論理」はありません。「心情と人間関係」しかありません。「お前等が俺等の心情を忖度しさえすれば事は丸く収まるんだ」という発想しか無いのです。それは三国志演義の「関羽の曹操見逃し」と勧進帳の「義経見逃し」を比較しても明らかです。三国志の方は「下心があったとはいえ、曹操が関羽を殺して当たり前の状況で殺さなかった"事実"と忘恩は罪という儒教の"論理"」ですが、勧進帳の方は「弁慶の心情への共感というか忖度」です。「誤解を招く発言」の「誤解」とは発言内容その他の「事実」に対するものではなく、愛国心や善意といった「自らの心情」だと思っているのです。安倍総理も「自分は国を想ってやっている。であるから自分に反対し批判する連中は、自分(総理)の愛国心を理解しようしない、それどころか悪意で捻じ曲げている連中に違いない」とでも考えているのではないかと思われます。失言等をしても「悪気は無いんだから」と忖度してくれる人達に担がれてここまで来た人ですから。

ブロガー(志望) | URL | 2017-07-08(Sat)23:29 [編集]


Re: 何に対する「誤解」か

>  日本人に「事実と論理」はありません。「心情と人間関係」しかありません。「誤解を招く発言」の「誤解」とは発言内容その他の「事実」に対するものではなく、愛国心や善意といった「自らの心情」だと思っているのです。安倍総理も「自分は国を想ってやっている。であるから自分に反対し批判する連中は、自分(総理)の愛国心を理解しようしない、それどころか悪意で捻じ曲げている連中に違いない」とでも考えているのではないかと思われます。

 的確なコメント、ありがとうございました。
 三国志演義の「関羽の曹操見逃し」と勧進帳の「義経見逃し」の比較、とても明快でよくわかりました。
 日本人には本当に「心情への共感というか忖度」しかないのですね。
 私は「誤解でないのに誤解と、なぜ言い逃れるのだろう」と不思議に思い続けてきましたが。
 ブロガー様のコメントで、ようやく理解できました。
 ありがとうございます。

黒沢一樹 | URL | 2017-07-12(Wed)16:03 [編集]


Re: たぶん、なりません。

> 「自民党」は事実上、消滅しました。
>
> 「自民党」は この世にないんです。
>
> 「自民党」の看板をかかげた別の党が
> 今の日本に存在しているわけです。
>
> 平成の大政翼賛会だと考えれば
> 全ての辻褄が通るなと私自身は
> 考えています。

 自民党は、もうまともになりませんか。
 受け皿になる野党が無いだけに、辛いところですね。

 最近は「アベ辞めろ!」というデモもあり、政権を支持する人よりも支持しない人の方が増えたようですが。
 しかし既に特定秘密保護法も戦争法案も、そして共謀罪も成立してしまっています。
 デモに参加した人も公安警察に顔写真を撮られ、身元も突き止められてマークされているかも知れませんね。
 初めは「一般の人には関係ない」と言って成立させたのも、戦前の治安維持法でした。

 この時代の流れを止めるには、選挙で自民党を政権から引きずり下ろすしかないですが。
 その政権に不満を持つ人の受け皿が小池新党しかない、というのも嘆かわしい現実です。

 今の平成の大政翼賛会、何とかしたいのですが、展望は暗いですね。

黒沢一樹 | URL | 2017-07-12(Wed)16:42 [編集]