空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

妹と『初恋』④・コワ過ぎる“親友”

 今回取り上げてる『初恋』ってまずタイトルがタイトルだし、しかも絵も可愛いんだけれど何かロリっぽくてさ。
 それだけに予備知識なくジャケ買いした人は、プレイしてみて予想を覆す展開の連続に愕然とすると思うよ。

 例えばメインヒロインの桜井小桃は、「主人公より一つ上の3年生」って設定になっているのだけれど。
 マンガやギャルゲーなど二次のセカイでは、たった一つ上ってだけで、あり得ないほど大人の女性として描かれるのが当たり前だよね。でも『初恋』のこの小桃さんは小柄で童顔で、先輩なのにどう見ても妹キャラなのだ。しかも中身も案外ドジで天然系で頼りないし、どう見ても“先輩”ってイメージじゃないよ。
 けどその小桃サンは、主人公には何故かお姉さんとして接して来るんだ。実際、主人公にも「姉ちゃんだよ?」なーんて言ってきたりするし。

 世の中にはまだ「ゲーム=子供のモノ」というイメージでいるヒトが少なくないけど、ギャルゲーにも子供ダマシと言うかオタクダマシ的な安直なヤツも少なくないのは事実だよ。
 でも中には主要なキャラが死んだり、ドロドロの展開になってしまう、いわゆる“泣きゲー”とか“鬱ゲー”とかの大人向けとしか思えない作品もある……ってコトは、前の章も触れた通りデス。
 この『初恋』も、幼く可愛らしいキャラ絵と大違いの内容で、鬱と泣きの両方の要素が盛り込まれていたりするから要注意だよ。
 まず例の杏ルートが近親相姦っぽくて、家庭は崩壊するし、二人も遠く引き裂かれちゃうし……。
 そしてメインヒロインの小桃ルートがまた、普通のギャルゲーではあり得ないほどダークな展開だったりするのでアリマス。

 まず小桃サンを好きになって攻略にかかると、初っ端から三角関係に陥って親友に深く恨まれ、さらに死ぬ人まで出るんだよね。しかも死ぬのは一人ではなく続けて二人で、数え方によっては四人だったりするかも。
 え、「ヒロインが死ぬゲームなんて、全然珍しくないしありきたりだろ」って? ここで吐き捨てるようにそう呟いたキミは、間違いなくもう引き返せないレベルのギャルゲー好きのオタだね。
 でもこの『初恋』は、所謂“泣きゲー”で名高い某ゲームメーカーのギャルゲーとは違うから。プレーヤーを泣かせる為に、ヒロインを難病とかに設定してわざと死なせるとか、そういうベタな展開ではないのだよ、この『初恋』の小桃ルートは

 マンガや小説の世界でも「ベタな展開ほどウケるし売れる」と言われるけれど、某ゲームメーカーには特に熱心な信者サマが大勢いるからねえ。そのメーカーのゲームを批判する気かと、信者サマ達に誤解されてボコられないうちに、話を『初恋』の小桃ルートに戻すね。
 えーとですね、小桃サン自身は元気そのもので持病も何も無く、小桃ルートで待ちかまえているのは自殺と大災害と事故で、しかも事故の方は謎が残る不審死だったりするのだ。

 さらにこの『初恋』で異彩を放つのが、主人公の親友(♂)の豹変ぶりなんだ。
 主人公の親友の二木竜也は小桃先輩の事が好で、けれど告白する勇気はなくて。それで竜也は、主人公に無理に頼んでラブレターを渡しに行ってもらうワケ。でも小桃サンはそれを主人公からのラブレターと勘違いして、しかも超喜んで主人公にベタベタになってしまうのだ。
 当然、竜也からは「オレをダシにして、小桃先輩を横取りしやがって!」と恨まれ大喧嘩になってしまって……というあたりまでは、マンガやドラマなどでもありがちな展開なのだけれど。

 ただこの『初恋』でスゴいのは、その後の和解がまるでナイ……ってこと。
 陳腐でありきたりな青春ドラマだったら、主人公と友人は殴り合いの大喧嘩になった挙げ句に、友人とも和解して「お前には負けたよ、オレの代わりに小桃先輩を大切にしてやってくれ」みたいなコトになりがちだよね。けどこのゲームには、そんなベタな展開は待っていないのでありマス。

 この『初恋』に出て来る“親友”の竜也クンって、ある意味スゴいよ。主人公の悪口を言い触らしてクラスの仲間から孤立させるわ、主人公にしつこく絡んで粘着するわ、小桃先輩にはスネークするわと、超悪質なストーカーと化してしまうのだ
 で、主人公や小桃先輩だけでなく、他の友達みながいくら説得しても「問答無用、聞く耳なーし!」って感じで二人の邪魔ばかり続けて、反省などまるでしないまま、取り返しのつかないコトまでしでかしてしまうんだよね。

 ギャルゲーの男友達って、普通は主人公の引き立て役と言うか、水戸黄門のうっかり八兵衛みたいな「三枚目でちょっとお間抜けな良いヤツ」って感じのヤツが多いよね。けど『初恋』の竜也クンはマジでコワいから、それこそサイコ系のホラーが入ってるかも……っていうくらいにね。
 ハイ、それでもタイトルは『初恋』で、年齢制限も「12歳以上推奨」なのでアリマス。
 炉裏っぽく可愛らしいジャケ絵とタイトルには、くれぐれも騙されないようにね。ドロドロ展開アリの、明らかに鬱ゲーの部類だから。

 問題の二木竜也クンは、主人公が小桃先輩以外のコを選びさえすれば、最後まで良い親友でいてくれるのだけれど。ただプレーヤーが小桃先輩を選ぶと人格が激変する(コワれる)から、くれぐれも御注意を。
 早いうちに小桃ルートに入って竜也のこのコワ過ぎる一面を見てしまうと、下手をすると竜也の顔を見るだけで軽いトラウマになってしまうかも。「おい、今度はナニをされるんだ?!」ってね。
 黒沢も小桃ルートをやった後は、他の子とのルートをプレイしている途中で竜也の顔を見ただけで、ガクガクブルブル……って感じになってしまったよ。
 まっ、二木竜也のようなケースは極端にしても、一人の女の子を巡って友人同士で争った場合、現実には友情は修復不可能になってしまう場合が殆どだよね。そういう意味でも、初恋』はある程度恋愛経験も人生経験もある大人向けのゲームだと思うよ。

 近親相姦(?)アリ、JCの教え子を自宅にお泊まりさせちゃう“エロリ教師”アリ、スネーク&粘着アリ、そして自殺もアリと、コンシューマー用のギャルゲーの常識を覆す展開の連続なのだよ、この『初恋』wwwwって。
 だからリアルな恋愛経験が殆ど無くて、薄汚くて残酷なこの世の現実を受け入れられないギャルゲーのユーザーには評価も低かったのではないかと、黒沢は勝手に推測しているのだけれど。
 って言うか、現実の恋愛を知らない男子って、女の子をどうしても理想化し過ぎちゃうんだよねえ。で「可愛くて女らしくて性格も良くてモテモテなのに、主人公を一途に慕ってくれる」みたいな、二次か脳内のセカイにしか存在しないような“男に都合の良い女の子”しか認められなくなっちゃう。

 言いたいコトはわかるよ。
「いーんだよソレで。ギャルゲーなんて元々“年齢=彼女いない歴”の喪男の願望を満たす為のものなんだから、リアルさなんて要らネーんだよ
 そう思ってる人って、実際少なくないと思う。
 でもそれでは、ギャルゲーはいつまで経っても一般の人たちからバカにされる、キモオタの妄想レベルのままだよ?
 黒沢は「ギャルゲーだって、映画や小説と同じ立派な文化」って思ってるからさ、萌え系のオタだけのモノにしておきたくないし、そういうモノだと思われるのも厭なんだ。
 だから現実に恋愛もして、それなりに人生の痛みも知ってる人の鑑賞にも耐えるくらいの深さやリアルさが、ギャルゲーにも必要だと思うんだ。
 そういう意味でも、『初恋』の出来はかなり良いと思うよ。

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