空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

言葉より、態度や雰囲気で察そう

 はっきり言って、黒沢は結婚願望が少ない。
 結婚したくないわけではない、けれど「変な相手と間違って結婚してしまうくらいなら、一生独身でいた方がマシ」と本気で思っている。
 さらに世間体も殆ど気にせず、他人にどう思われようが構わないというタイプだから、周囲の同世代の皆が結婚していても、「自分も早く家庭を持って落ち着かなきゃ!」とか思って焦ったりもしないし。

 まっ、要するに「生まれついてのKY」ってことなのだろうね。世間の“普通”と自分が違っていても、本当に全然気にしまセン。
 自分の進む道は自分で決めるし、世間や周りに合わせて生きる必要性とか、一ミリも感じてないんだよね。自分の選んだ道が世間の常識から外れ、周囲の皆と違っていようとも、自分さえ納得しているらそれでOKと思ってる。

 うーん、ここまで来るとただのKYと言うより、既にアスペルガー障害の域かも。
 ハイ、だから集団行動とかチームプレイとか、大の苦手デス。

 ゆえに恋人が出来ても、相手の心の中にはあまり踏み込まないね。同時に、相手にプライベートな領域にズカズカ踏み込んで来られるのも、実は苦手だったりしマス。
 いくら恋人でも「相手は別人格」と思っているし、恋人同士だからといって一心同体のようには、どうにも思えないんだ。

 ……と、このような前置きをダラダラと書き連ねたのは、また例の毎日新聞連載の亀山早苗氏のコラム、『現代恋愛模様』を読んでしまったからだ。
 11月22日付けの同欄で、亀山氏は「一年付き合っている彼が、私をどう思っているのかわからなくていつも不安」という、アラサー女性のアキヨさんについて書いていた。

 そのアキヨさんは問題の彼氏と、合コンで知り合って付き合うようになった。そしてデートもしているのだが、付き合うようになってから彼氏は、愛情表現の言葉を殆ど口にしない。
 だからアキヨさんは彼が本当に自分を愛しているのか、必要としているのか実感が持てずにいるのだという。

 そのアキヨさんに、亀山氏はこう言った。
「わからなければ聞いてみればいい」
 するとアキヨさんは、激しく首を振ってこう言った。
「そんなのKYですよ。彼がどんな反応をするかわからない。もし、『え?』と聞き返されたら、ショックでどうしたらいいかわからなくなります」
 アキヨさんは、続けてさらに言う。
「実は相手にどこまで踏み込んだらいいのかわからないんです。私たち世代ってみんなそうじゃないかな。踏み込んだら嫌われるかもしれない、傷つきたくないからなんとなく相手に合わせる。それが普通なんです」
 で、亀山氏は唸ってしまうわけだ。それでいいのか、それで満足感があるのかと言いたいが、それこそKYと言われそうだ……と。

 黒沢に、男の立場から言わせてもらえば。
 うん、もしアキヨさんが思っていること(尋ねたいこと)をそのまま彼氏にぶつけたら、確かにKYになってしまうだろうね。
 だってさー、アキヨさんが彼氏に尋ねたいことって、どれも重たいんだもの。
「この先、彼がどうしたいのか、結婚はあるのか、彼の家族観とか人生観、男女観は。いろいろ知りたいけど、聞いていいかどうかわからなくて」
 ……これってさ、男からしたら結婚を迫られているようなものだよ。と言うか、「私と結婚する気はあるの!?」と詰め寄られた上に、「で、親との同居はあるの? 子供は何人? 人生設計は? 家事の分担はどうする?」と、いろいろ問いつめられているようにさえ感じてしまう。

 ま、女としては結婚だけでなく結婚後の生活も重大事だから、いろいろ聞きたくなって当然なんだろうけど。
 でも男としてみれば、結婚を考えているかどうかを聞かれるだけでも重大な決断を迫られるのに、結婚相手として値踏みするように家族観から男女観までいろいろ尋ねられたら、本当に重たく感じてしまう。

 それにさー、アキヨさんは「付き合うようになってから、彼が愛情表現の言葉を殆ど口にしないから、彼が自分を本当に愛しているの実感が持てずに不安」って言うけれど、男からすれば「そんなの、言葉でなく態度でわかれよ」って言いたいよ。
 なら欧米の映画でよく見るカップルのように「愛してるよ」って度々言いさえすれば、本当に愛情があるのか……って?
 バッカじゃねーの、人間なんていくらでも嘘をつけるんだから、「愛してる」と言ったからって本当にそうだとは限らないって。
 と言うより昔風の日本男児wwwの感覚から言えば、軽々しく「愛してる」と繰り返し口にできるような男は、ホストや札付きの女たらしのような類の悪いヤツに決まっているんだよ。

「付き合うようになってから、彼は愛情表現の言葉を殆ど口にしない」ということは、裏を返せば「付き合おう」という話になった時には、彼氏はちゃんと「好きだ、愛してる」と言ったということだろう。
 それで充分ではないかと、日本の男である黒沢としては思ってしまう。
 最近何だか態度が変わったとか、他の女の影がチラついているならともかく。付き合い始めてから一年間、ちゃんと交際を続けているのだから、彼氏はアキヨさんを愛しているに決まっているだろうよ。
 それくらいわかれよ、と黒沢は言いたい。

 欧米の場合は、多民族国家だからね。人種も宗教も言語も違う人たちが集まって暮らしているわけだから、互いの考えていることは、ちゃんと言葉にしなければ理解し合えない。
 だから欧米の人たちは、強く自己主張するわけだ。そして愛情も、くどいほど繰り返し告げ合う。
 しかし単一民族に近い日本では違う。我が国では気持ちは強く主張するより、態度や雰囲気で察するものなのだ。

 はっきり言うが、アラサーになっても愛情を態度から察してくれず、付き合った後も愛情表現を言葉で欲しがるアキヨさんは、日本の男性にとっては「重くて面倒くさい女」だ。
 さらに「結婚は考えてくれているの? それと家族観や人生観、男女観は?」とかいろいろ聞かれたら、重たすぎて彼氏は本当に逃げ出してしまいたくなるかも知れない。

 付き合って一年で、アキヨさんはもう結婚も視野に入れているわけデスか。
 まあ、アキヨさんはアラサーだからね。そういう事も視野に入れた上での交際でなければ、そろそろマズいお年頃かとも思う。
 ただ男の場合、結婚と年齢の問題は女性ほど切実ではないし、「男の精神年齢は、実年齢から十歳くらい引いて考えろ」とも言うよ。
 だからアキヨさんの彼氏も、結婚するよりまだ自由に遊んでいたい可能性も充分あるだろうね。

 それでも男だって三十代も半ばになれば、結婚について焦りも出てくるし、真剣に考えるようになる。
 で、アキヨさんの彼氏は、アキヨさんより二つ年上ということで。
 32歳と言うと、結婚についての意識は微妙、と言ったところだろうね。「まあ、そろそろ」とは思っているけれど、まだ切実に「しなければ!」と焦っているわけでもない……といった感じかな。
 だから30歳のアキヨさんが二つ上の彼氏に、結婚について聞いてみるのは、本当に“微妙”だと思う。

 この二人の関係を、亀山氏は「一年付き合ってもいても、まだ距離を詰められない恋人たち。一緒にいられればそれだけでいい、という熱さも感じとれない」と言う。
 そしてさらに「少しずつ彼の本音を探れるような会話をしていったほうがいいかもよ、と私はやたら遠回しに言うしかなかった」と、この件についてのコラムを結んでいた。

 うーん、「やたら遠回し」って、「少しずつ彼の本音を探れるような会話」をするのは、この件に関しては別に少しも遠回しではないと思うよ。
 だってさ、もし30歳になった女性にストレートに「結婚は考えてくれているの?」聞かれて、つい頷いてしまったら、後はすぐ「婚約→親族同士の顔合わせ→結婚」って一本道を突っ走ることになっちゃうじゃん。

 相手が若い女の子なら、「うん、考えてはいるよ。でもまだ仕事もいろいろ覚えなきゃならなくて余裕もないし、給料ももう少し上がってからでないと生活して行くのも大変だから、しばらく待って」とか言えるけれど、もう30歳になった女の人の結婚話に「待ってほしい」とは言えないからねえ……。
 だからもし30歳になった女性に結婚話を切り出されたら、すぐ覚悟を決めて婚約→結婚と話を進めるか、それが出来なければ「ゴメン。今はまだ無理だから、他のもっと良い人を捜して」とキレイサッパリお別れするしかないよ。

「彼が私をどう思っているのか不安、でも相手にどこまで踏み込んだらいいかわからない」と言うこのアキヨさん(30歳)は、本当は結婚は考えているのかとか、家族観とか人生観とか男女観とかいろいろ聞いてみたいそうだけれど。
 このアキヨさんは、どう見ても結婚願望がたっぷりありマスよね?

 このアキヨさん(30歳)に、期間未定で「しばらく待って」とは、とても言えないでしょ。だって30代の女性をそういう宙ぶらりんの状態で放置しておくのって、生殺しに近いくらい残酷なことじゃん。
 そして「結婚する気はある、でもいつするとは言えない」という状態のまま付き合いを続けて、アキヨさんがもっと年を取った後で喧嘩別れすることにでもなったら、それこそ取り返しのつかない人生の悔いになっちゃうよね。

 かと言って、その場の雰囲気で深く考えずにうっかり「そのつもりでいるよ」と答えでもしたら、すぐに「婚約! 結婚!」と話を進められ、さらに「式はどうする? 子供はいつ頃、何人作る? 家事の分担は?」と、具体的な新生活のプランまでどんどん詰めて行かれそうな気がする。

 だからそれなりの年齢になった女性に切り出される結婚の話は、男にとっては本当に重いんだよ。
 ゆえに彼氏に結婚するつもりがあるかだけでなく、彼氏の家族観や人生観や男女観も知りたいアキヨさんは、ストレートにその問いをぶつけるのではなく、本当に慎重に、遠回しにそれとなく探るしかないと思う。
「この先、私とどうしたいの? 結婚する気はあるの?」
 ズバリそう聞いても良いのは、自分の年齢にリミットを感じて、彼氏にその気が無いならもう別れて他の人を捜す覚悟を決めた時
だよ。

 でも彼が自分を愛しているのか、言葉にして言われなければわからない、そして家族観や人生観や男女観なども、いちいち聞いてみなければわからない……って、このアキヨさんは30歳になるというのに随分と幼稚な人だと思う。
 愛情など、欧米人のようにいちいち口に出さなくとも、態度や雰囲気に滲み出てくるものでしょうが。それに家族観や人生観や男女観だって、日頃の雑談や何気ない態度などからも、充分に窺い知れるものではないか。

 例えば、デート中にどこかのお店に入る。その時、自分より下の立場にある店員さんにどんな振る舞いをするかでも、相手の人間性の一面がわかるし。
 仕事や趣味などの話をするだけでも、相手の知識や向上心などもわかる。
 そして特に相手が一人暮らしなら、相手の家に遊びに行くだけでも、相手の家事能力にそれなりの見当がつく。
 相手の金銭感覚だってデート中にも充分に察することができるし、「金払いの良い、いつも奢ってくれる気前の良い彼氏」は、結婚すれば「金遣いの荒い、無駄遣いの多いダンナ」になることに気付かない女性は愚かだ。

 それ以外にも、仕事をどれだけ大切にしているかとか。
 趣味にどれだけ金と時間をかけているかとか。
 仕事とプライベートの区別はキッチリしているタイプかとか。
 友達付き合いは、どの程度に大切にするタイプかとか。
 家族との仲は良いかとか。
 ブランド物を欲しがるタイプかとか。
 時間や約束はちゃんと守るタイプかとか。
 先のことをよく考えてから動くタイプか、それともその時の感覚や感情で動くタイプかとか。
 いちいち聞いてみなくても、ただ見ているだけでわかる事はその他にもたくさんあるぞ。

 これは相手の女の子がお喋りだったのか、それとも黒沢が聞き上手だったのかはわからないけれど。
 黒沢は付き合ってた女の子の人間関係やら、学校や職場での状況やら、好きな事やら、性格や考え方やら、やりたい事やら、家事能力やら、大体把握していたよ。
 いや、別に黒沢があれこれ聞き出したわけじゃないんだ。「うんうん」と頷いたり、「へえ、それで?」と話の先を促したりしてただ聞いているだけで、女の子は自身のことを本当によく喋ってくれるから。
 まっ、最後の家事能力については、話に聞くだけでなくお宅訪問もして、部屋の様子を見て御飯を作っていただけば自然と知れることだけれどね。

 もちろん彼女だって心の内まで全部喋っているわけではないし、「彼女の事なら何でも知っている」とは言わないよ。
 けどね。「いちいち尋ねてみなくても、相手の態度をよく見て、何気ない雑談にもよく耳を傾けているだけで、恋人のことはかなりわかる」というのも事実なんだ。
 だから黒沢は、彼氏のことについて「わからない、わからない」と連発する例のアキヨさんは、「30歳にもなるのに幼稚な人」だと言うわけデス。

 で、亀山氏はそのアキヨさんを例に挙げ、「今の若い恋人たちは、KYと言われるのを恐れて相手の心に踏み込まない」というようなコラムに仕立て上げていたけれど。
 違うって、ただそのアキヨさんって女性が30歳にしてはバカで、ちゃんと見ていればわかる事を態度や雰囲気から読めてないだけなんだってば。

 以前にもこのブログで触れたけれど、この亀山氏って、実に下らない一例からもっともらしい一文のコラムをひねり出すのがすごく巧いのには、本当に感心させられる。
 亀山氏は言葉の錬金術師だと、黒沢は心から思う。殆ど中身のないろくでもない事をネタに、現実を知らない人が読めば「へえ、今の恋人たちってそういうものなのか」と思ってしまうような、それらしいコラムを書いてしまえるのだからね。

 それにしても、元のコラムの亀山氏の文章は妙に平仮名が多くて、普段から文を読み慣れている黒沢にとっては、逆にそれが苦痛で仕方ないのだ。
 文章を読み慣れた者は、字を一字ずつでなく、文節ごとにまとめて読むものだ。しかし亀山氏の文章は句読点も少ない上に、平仮名をだらだらと長く続けて書いてあるので、文節の切れ目がわからず、本当に本当に読み辛い。
 ……でも、こんな文体でもプロのノンフィクション作家としてやって行けるのデスね。
 うーん、この事実にも改めて驚かされたよ。

 もしかしたら亀山氏は例の『現代恋愛模様』というコラムを、字を一字ずつ拾い読みしながら文を読むような人を対象に書いているのだろうか。
 うん、そう考えればコラムの内容の無さと中身の幼稚さも、充分に納得がゆく。

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