空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

姉系はビミョー⑥・バカにバカと言うのは…

世界ノ全テ』ってゲームがあってさ。オリジナルはPCゲームらしいけど、黒沢がプレイしたのは、例によってコンシューマー用のプレステ2版の方でアリマス。
 主人公の宮本浩は高校生で、成績優秀で性格も良い大学生の兄と比べられては「自分は要らない人間だ」みたいに思って苦しんでいて。それでもようやく音楽に生き甲斐を見出しかけるのだけれど、家族も学校の教師も理解してくれなくて……というようなストーリーと思って下サイ。
 この『世界ノ全テ』を、黒沢は共感と反感の両方を抱きながらやり進めたよ。

 主人公の辛さは、黒沢にもかなりわかった。
 ただその主人公の兄ってのは、ホントに優秀で性格も良い人なんだよね。だから黒沢としては、「キミって事実ダメだし、性格もヒネクレちゃってるんだから、出来損ない扱いされても仕方ないじゃん」とも思ってしまって、主人公にどうも感情移入しきれなかったよ。

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 その『世界ノ全テ』に限らず、出来の良い兄や姉と比べられてはイジケてグレちゃう弟や妹の話は、ドラマや小説だけでなく実話でもよくあるよね。でもそういう「デキる兄弟へのコンプレックス」の話に出くわす度に、黒沢は「バカがバカって言われるのは、仕方ない事だろーが」って思ってたよ。

 黒沢の場合、自分が姉より劣っているとは全く思って無かったから。
 例えば黒沢は、勉強はすごくしていたと思う。それも「義務として嫌々」ではなく、教科書やテストの点数などまるで関係なしに、他の子供たちが玩具で遊ぶような感覚で好きで楽しんで勉強してたんだ。
 もちろん子供だから、経験や実体験の伴わない頭でっかちな知識ではあったけど、少なくとも得意教科に関しては、中学や高校の教師より詳しいくらいだった。

 そんな黒沢から見ると、テスト勉強はしても教科書の範囲を超えた事には興味を持とうともしない姉は、「知的好奇心の無い、モノを知らないヒトだなー」としか思えなかった。
 って言うか、テストの解答欄を埋める暗記の勉強しかしてないくせに「自分はデキる、頭がイイんだ」とか思ってる人を、黒沢は今でも軽蔑しているよ。
 それに黒沢の姉は、家の内と外で別人格のように態度を変える人だったから。しかも外でイイ子に振る舞うストレスを、家ではヒスりまくって解消していたんだよ。
 そんな姉を、黒沢はどう尊敬して見習ったら良いのかな?
 厨二病とか、イタい部分や欠点もいっぱいあり過ぎの黒沢だったけど。でも黒沢は、少なくとも自分を偽らなかった。家でも外でも、ありのままの自分を見せていたよ。
 コンプレックス? 「あんな風にはなりたくない」ってずっと思い続けている相手に、どんな劣等感を持てるんだろうね?


 でも親戚や教師や同級生達に出来損ない扱いされた上に、好きだった女の子にまで「それはデキるお姉さんへのコンプレックスでしょ、あたしはお姉さんを尊敬してるし」と言われる有り様だよ。
 だから黒沢の人間に対する絶望感と言うか、厨二病は悪化する一方で、人は皆バカばっかり」って確信はますます深まるばかりだったよ。
 その挙げ句に「この愚民どもめを、一体どうしてくれようか」と『我が闘争』を読みふけり、ヒトラーの政治手法を本気で研究してたんだから、ただイタ過ぎる中二病と言うより、今なら心療内科に通院を勧められるレベルかも。
 だから『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐なんかを見ていると、昔の自分の姿を見ているようでちょっとイタいよ。

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 でも大人になって冷静に考えてみれば、「教師よりモノを知ってる生徒」って、先生から見れば可愛くないよね。可愛くないどころか、授業の邪魔だしズバリ小憎らしいってレベルかも。

 でさ、姉は成績はトップクラスだけれど、知識は全て教科書の範囲内だから、先生の知らない事を質問して、先生を困らせたり恥をかかせたりすることもないワケ。しかも現役中学教師の母から、どう振る舞えば先生に気に入られるかも、バッチリ教わっててさ。
 だから学校の教師達は、何かにつけて黒沢を姉と比べては、「お前はダメだ、お姉ちゃんを見習え!」と言い続けたよ。

 教師らがそんなだからさ、同級生達も「ダメな弟」ってそのまま受け取っちゃうワケ。そして教師が「お姉ちゃんと違って、お前は……」みたいに言う度に、クラスの皆も笑うワケよ。
 教科書の勉強はしなかったけど、いろんな本を読んでいたから、黒沢はテストの点数もそれなりに取れていて、順位もけっこう上の方だったよ? ナントカ委員会みたいな校内の仕事も、いつも何かしらやっていたしね。
 なのに自分よりずっと成績も下でクラスや学校の委員の仕事も何もしてないヤツに、「出来損ないの弟」って言われ続けたよ。何せ黒沢は、教師たち公認の「ダメな弟」だったからね。
 ……みんなバカばっか。そう思うな、っていう方が無理じゃないかな?


 だから黒沢は「事実デキが悪い兄弟が、もう一方の本当に優秀な兄弟にコンプレックスを持つ話」には、共感より反発しか感じにくいんだよ。だって黒沢は何でも自分の頭で考えて、自分の意志で頑張って姉より高い所を目指して、その結果「出来の悪い弟」って叩かれ続けて育ったからね。
 黒沢が「ホントに出来が悪いなら、兄弟と比べられてダメなヤツって言われても仕方ないじゃん」って思ってしまうのは、そういうワケだよ。

 ただね、『つよきす!』ってゲームの中で、主人公の親友の伊達スバル君(←同級生のすごく良いヤツ)が、主人公にこう言うのだよ。
本当のバカにバカと言っちゃダメだ。それはハゲにハゲと言っちゃならないのと同じだ、わかるな?」
 その台詞に、黒沢は考え込んでしまったよ。

 黒沢としてはさ、『世界ノ全テ』の宮本浩みたいなホントにダメな弟より、黒沢の方が世間からずっと不当に扱われてきたんだゾ……って思ってた。
 でもね、周囲の皆(←親戚一同や教師らなどの大人達も含む)から出来損ない扱いされながら、何でグレたりせずに居られたのか……って考えてみると、黒沢には自信と誇りがあったからだと思う。
このオレが、出来損ないなもんかよ!」ってね。
 姉は上っ面だけ飾った金メッキだけど、オレは見てくれは悪くても中身は本物だから。そう思ってたから、周りから何て言われても「バカはお前ら皆の方だろーが」って胸を張って居られたんだと思う。

 だから見方によっては、『世界ノ全テ』の主人公のように、ホントに出来の悪いヤツの方が、「ダメなヤツ」って言われた場合のダメージは大きいかも知れないね。
 だってホントに出来が悪いヤツの場合、悪く言われた時に反論できないし、自分のダメさを自分で認めなきゃならないもんね。

 そんなワケで『世界ノ全テ』の主人公には、共感と反感の混ざった複雑な思いを抱かされたけど、『つよきす!』のスバル兄さんには、ある意味目を開かされたよ。「バカにバカと言うのは、ハゲにハゲと言うのと同じだ」ってアレねwww。

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