空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

「安全保障関連法案が無ければ日本の平和が守れない」という大嘘と無知

 いよいよ、例の“戦争法案”が、安倍政権と公明党を含む与党の数の力で可決されようとしているが。
 まあ、安倍首相は「ああいう思想のヒト」だし、公明党&創価学会が「何としてでも政権与党の中にいたい」というのもわかる。
 だが理解に苦しむのは、半数以下とは言え、あの戦争法案に賛成する一般国民が何割か存在する現実である。
 そして戦争法案に賛成する一般国民の多くはこう言うのだ、「我々は戦争をしたいわけでは無い。ただ国際情勢は変わっており、とりわけ中国の脅威が増す中で、いざという時にアメリカに守ってもらえないと困るから」と。

 はっきり申し上げる。
 日本がアメリカの戦争にも協力するという、この法案を可決しなければ日本はアメリカに守ってもらえないと信じている人達はバカである。
 バカと言うのは失礼かも知れない。
 しかしそう信じている彼らが、日米安保条約とそれに付随する条約や協定をよくご存知無いのは、間違いのない事実である。

 終戦後僅か6年の1951年に、非武装であった日本の安全保障の為に結ばれた日米安保条約は、確かに当初は「アメリカ軍は日本国内に勝手に基地を置くが、有事の際に日本を防衛する義務は負わない」という、大変に身勝手な片務的形式の条約であった。
 その点だけを見れば、「いざという時に、アメリカ軍は日本を助けてくれないかも知れない」という懸念は確かにある。

 しかし自衛隊が創設され増強もされ、日本が民主国家として生まれ変わり、自由主義諸国の一員として発展する中で、日米安保条約も改定された。
 そしてその1960年に改定された新条約では、「日本施政権下の領域におけるいずれか一方への武力攻撃に対しては共通に対処・行動する」と、双務条約的性格が強められたのだ。

 おわかりだろうか。
「日本施政権下の領域におけるいずれか一方への武力攻撃に対しては共通に対処・行動する」という事は、「もし日本の領土が他国から武力攻撃を受けたら、アメリカ軍は自衛隊と共に立ち向かう。そして日本国内の米軍基地が攻撃されたら、自衛隊もアメリカ軍と共に行動する」という事なのだ。

 戦争法案に賛成する人々は、「何かあった時に、アメリカに守って貰えないと困るから、日本の安全の為にこの法案が必要なのだ」と盛んに言う。だから日本もアメリカの戦争に協力シマス、ってね。
 だが安倍首相の首相が大変に敬愛している祖父の岸信介首相が、世論の大反対を押し切って1960年に成立させた安保条約の新条約で、「日本施政権下の領域が武力攻撃を受けたら、アメリカ軍も共に対処・行動する」と、既にはっきりと定められているのだ。
 だから何も「アメリカ様が戦争なさる時には、我が国も自衛隊を派遣して協力させていただきマス」などという卑屈で危険な法案を、わざわざ成立させなければ日本はアメリカに見捨てられてしまう……などと怯える必要はまるで無いのだ。「もし日本が他国に攻められたら、アメリカ軍も自衛隊と共に日本を守る」と、安保条約でちゃんと決められているのだから。

 戦争法案に賛成する人達は、最近の中国の威圧的な行動を法案成立の必要性の理由として挙げるが。
 尖閣諸島を含む日本の領土がもし中国から侵略を受けた時に、米軍が動かず静観していたとしたら、それは間違いなく日米安保条約に違反する事になるし、そして尖閣諸島が日米安保条約の及ぶ範囲内である事は、アメリカも幾度も明言しているではないか。
 それを無視して「日本もアメリカの戦争に協力して命を投げ出さなきゃ、アメリカも日本を守ってくれないかも知れないだろ!」と騒ぐのは杞憂に過ぎる

 仮に日本が(中国とか北朝鮮から)侵略を受けても、もし米軍が動いてくれず自衛隊だけで戦わされたとしたら。
 その時には国連に助けを求める一方、日米安保条約を破棄し、役立たずで金食い虫の在日米軍には、基地を返してもらいアメリカにお帰り願えば良いのだ。

「もし中国や北朝鮮に攻められた時、日本を守って貰えないと困るからアメリカの戦争にも協力しなければならないんだ」と戦争法案に賛成する人達は、「日本はアメリカの好意に縋ってタダで守って戴いている」とでも思っているのだろうか。
 だとしたら、その種の人々は余りにも無知だ。

 日本がどれだけ広い土地を、アメリカ軍に基地及び演習場として提供しているのか、その人達はご存知なのだろうか。
 基地だけでなく、米軍関係者に住居など生活関連の施設も提供し、税も免除している事実をご存知なのだろうか。
 財政難を理由に日本政府は福祉にかかる出費を削減して弱者により我慢を強いる一方で、巨額の税金を『思いやり予算』として在日米軍に献上している事実をご存知なのだろうか。
 そして米軍関係者が日本で犯罪を犯しても、米軍の同意が無ければ捜査も逮捕もできない事実もご存知だろうか。


 江戸時代末期の1857年に、幕府はアメリカ総領事のハリスに治外法権を認める国辱とも言える不平等条約を結ばされ、その条約の改正を欧米諸国に認めてもらう為に、後の日本政府が大変な苦労をした事は、誰しも社会科の日本史で学んだ筈だと思う。
 その治外法権を認める不平等条約は、1911年に小村寿太郎外相により条約改正された事も、歴史の教科書に載っている筈だ。
 ところが。
 東条英機などのA級戦犯となった愚かな日本の指導者たちが無謀な太平洋戦争を仕掛け、そして破れるべくして破れた結果、例の治外法権を持つ駐留軍が今もなお日本を占領状態に置いているのが現実なのである。
 ちなみに安倍首相はその国策を誤り三百万もの同胞を死に追いやったA級戦犯たちを、『昭和殉難者』と称えている

 多くの国土を基地や演習場として米軍に占拠され、日本国内でありながらそこには日本の法律も及ばす、日本人は米軍の許可なしには立ち入る事も許されない。
 さらにその基地に駐留する米兵とその家族の為の住居は日本の税金で造られ、そしてその米兵らが日本国内で犯罪を犯しても、米軍の同意なしには逮捕どころか取り調べる事すら出来ないのだ。
 戦争法案を推進する安倍首相の支持層には、過去の日本の非を認めると「自虐史観だ!」と怒り、あのアジアの人々を苦しめた日本の侵略戦争を「アジアを白人支配から解放したのだ!」と美化する“歴史修正主義者”が多いが。
 その彼らはこの現実こそを、国辱と感じないのだろうか。

 米軍基地の周辺の住民たちは、米兵の犯罪だけでなく軍用機の騒音にも悩まされている。
 昼夜分かたず離発着する米軍機の騒音対策に、周囲の学校では窓を閉め切りエアコンをかけているのだが、それでも離発着時には授業が続けにくいほどうるさい。
 そして付近住民を何より悩ませているのは、深夜でも構わず離発着する事だ。おかげで付近の住民たちは、夜もろくに眠れない有り様だ。

 有事は昼間だけとは限らないから、夜間に離着陸する訓練が必要なのも理解できる。しかし自衛隊機に較べ、米軍機に夜間の離発着が多いのには特別な理由があるのだ。
 米軍機に夜間に日本の基地を離発着するものが多いのは、アメリカ本土の司令部や国防総省との連絡や行き来に、アメリカ側の勤務時間に合わせているからだそうだ。
 つまりアメリカ本土での勤務時間帯に合わせるのが最優先で、日本の付近住民の安眠などどーでもイイ、という事なのだろう。
 ぶっちゃけ「俺様たちがオマエ等ジャップを守ってやってんだ、ガタガタ文句を言うな」という事だろう。
 それはどうあれ、在日米軍が日本には上から目線で、「地元住民に配慮して仲良くやって行こうという気が無い」という事実は間違いないだろう。
 筆者には、在日米軍は今もまだ占領軍の気分でいるように見えるのだが、日頃何かと言えば同じ日本人を「売国」だの「自虐史観」だの「反日」だのと罵る“愛国者たち”は、この現実については何も文句を言わないから不思議だ。

 で、「軍用機の騒音が余りに酷い」と付近の住民が裁判に訴えて、実際に勝訴してもいるのだが。
 ただ裁判で夜間の離発着を控えるよう命じられるのは自衛隊機だけで、夜間の離発着を盛んに行っている肝心の米軍機の方には裁判所でも何も命じられないのだ。騒音の酷さについては裁判所も認めているにもかかわらず、である。
 何故なら在日米軍は日米地位協定で治外法権が認められ、日本の法律の外だからだ。
 だから夜間離発着の訓練もバンバンやり、アメリカとの連絡にも本国の勤務時間に合わせて夜間に離発着し、どれだけ付近住民を苦しめようと、日本は在日米軍に何も言えないのだ。
 愛国者を自称する人達は、この事にも怒りを感じないんですかねえ。

 ご存知だろうか。
 アメリカでは刑務所も少年院も満杯で、できればそうした矯正施設にあまり収容したくなく、それでさほど重くない罪を犯した若者に、裁判官が「少年院に行くか、それとも軍隊に入るか?」と選択を迫るケースがあるそうだ。
 ……当然、少年院より軍隊を選ぶ者の方が多いわけデス。

 無論、米兵がそうした「少年院行きを逃れて入隊した不良少年ばかりだ」などと言うつもりはない。
 しかし少数ながら、米兵の中にはそうした者もいる事もまた事実なのだ。

 別に不良少年でなくとも、初めて親元を離れて暮らし始めた若者には、羽目を外して無茶をする者が少なくない。
 実際、日本人の若者だって、親元を離れて暮らし始めた時に、大酒を飲んで馬鹿騒ぎをしたり、ドライブで無茶な速度を出したり、ナンパをしたりと羽目を外した暮らしをしている者がいるだろう。
 日本に駐留している若い米兵たちも、ズバリそういう状態なのだ。それで中には、羽目を外し過ぎて罪を犯してしまう者もいるわけだ。
 そしてそれら日本で罪を犯した在日米軍関係者は、日米安保条約に伴う日米地位協定で守られているのである。

 また、我が国内にある米軍基地は、ただ日本を守って下さる為にだけ存在するのではない。
 在日米軍基地、特に沖縄の米軍基地はベトナム戦争の為に大いに利用されていたのは紛れもない事実である。
 ベトナム戦争は日本を含めたアジアを共産主義化から守る為の戦争だった、と強弁する方も中にはいるだろうが。
 しかしベトナム戦争を推進した当時のアメリカの国防長官だったマクナマラ氏ですら、ベトナム戦争は誤りだったと認めている。
 そしてベトナム戦争自体もアメリカの負けで終わったが、日本はもちろん、東南アジアの多くの国も“赤化”はしなかった。

 我が国は日本を守って戴く為に、アメリカに基地と金と治外法権を在日米軍に差し出している。しかしアメリカは、その基地を自国の戦争の為にも活用しているのである。
 そしてもし北朝鮮が暴走して再び朝鮮戦争が起こった場合には、日本の米軍基地は韓国を助ける為にフル活用されるに違いない。
 日本の米軍基地は、ただ日本を守る為にだけにあるのではない。米国が中国や北朝鮮を牽制し、韓国を後方から支える為にも存在するのである。

 にもかかわらず安倍内閣とその与党は、「日本がアメリカ様に一方的に守って戴いている」と考えているようだ。
 そして「アメリカはいざという時に、米兵の血を流してまで日本を守ってくれないのではないか」と怯え、「米軍に日本を守って戴くには、日本人(自衛隊員)の血もアメリカ様の為に流さなければいけないのではないだろうか」と考えた揚げ句に、この度の戦争法案を強行に成立させようとしている。
 こうした安倍首相とその内閣の思考が理解できれば、彼らがなぜあの戦争法案を「日本の平和を守る為のものだ」と強く言い張るのかがよくわかる。
 そしてその安倍首相の近年の中国に対する“怯え”に感化されて、「日本をより強くアメリカに守って貰う為に」と戦争法案に賛成する国民が何割か存在する理由も。
 しかし安倍首相を支持する国民はわかっていないのだ、「あれは自衛隊員の血をアメリカに差し出そうという法案なのだ」という現実を

 繰り返し言う。
 安倍首相が大好きなお祖父サマの岸信介氏が首相在任時に改定した安保条約に、「日本施政権下の領域におけるいずれか一方への武力攻撃に対しては共通に対処・行動する」とはっきり書かれているのだ。
 そしてアメリカ政府は、尖閣諸島が日米安保条約の及ぶ範囲内であると明言している
 だからわざわざ戦争法案など強行して決議せずとも、安倍首相とその支持者たちが恐れるように中国が尖閣諸島を武力で占拠したら、アメリカ軍には自衛隊と共に“対処・行動”する義務が既にあるのだ。
 さらに日本は米軍に多くの基地を提供し、その基地をアメリカの戦争にも利用させている上に『思いやり予算』という名の多額の金を貢ぎ、米兵には治外法権を与えてその犯罪の摘発すらままならない……という有り様なのだ。
 この上さらに今度の戦争法案で、「自衛隊員の血もアメリカの為の戦争で流させよう」というのだから、その卑屈ぶりには呆れ果てる
 安倍首相を熱心に支持する人達は、『売国』とか『自虐史観』とかいう罵声を、意見を異なる人達によく浴びせかけるが。
 安倍首相が押し進めようとしている戦争法案こそが『自虐』で『売国』ではないかと、筆者は声を大にして言いたい。

 安倍首相と彼を支持する「この法案は平和を守る為のものだ」と信じている人達は、「日本を守る為にアメリカ兵に血を流させるのは申し訳ない、だから自衛隊員もアメリカの為の戦争で血を流し、それで対等になれる」とでも考えているのだろうが。
 しかしもし正気で「アメリカと対等の立場に立ちたい」と考えているならば、アメリカ国内にも自衛隊の基地を置かせて貰い、その基地の維持費に『思いやり予算』をアメリカ人の税金から払って貰い、基地と自衛隊員には治外法権を認めて貰わねば、とても“対等”とは言えないではないか

 もしアメリカに「対等なんだから米国内にも自衛隊の基地を置かせろ、その金も出せ、そして治外法権も認めろ」と要求したら、アメリカ人は誇りを傷つけられたと激怒するに違いない。
 だが我が国はアメリカに治外法権の基地を自国内に何カ所も置かれ、その維持費を『思いやり予算』として国民の税金から取られ、米兵の犯罪の摘発もままならない現状を強いられているのだぞ。
 我が国がここまでしていて、もしアメリカがいざという時に「日本は守りマセン、中国に攻められても自力で頑張ってクダサイ」と言うとしたら、それこそ“やらずぶったくり”というやつに他ならないし、そんな役立たずな日米安保条約など、即刻破棄すべきであろう。

 にもかかわらず逆にもっと下手に出て、「どうか日本を守って下さい、アメリカ様の戦争には自衛隊も差し出しますから」とは、その発想が自虐的すぎて、笑う気にもなれない
 そしてそんな戦争法案を、「日本を守る為」と心から信じて賛成する国民が少なからず存在する現実にも呆れる。

 安倍首相は自衛隊をアメリカの良いように派遣するのではなく、「日本の存立危機にかかわる時のみに限定する」と言う。
 しかしそもそも、その“日本の存立危機”という定義そのものが不明確で、内閣の判断によるというのだから恐ろしい。
 先の太平洋戦争も、「満州での日本の権益を認めてくれれば、北支からは撤兵する」などの条件で譲るべきところは譲れば、外交交渉で避ける事が出来たかも知れなかったのだ。にもかかわらず当時の日本の政府と軍部は、米英に1ミリも譲らず逆に仏領インドシナを侵略するという暴挙に出て、石油の禁輸を招いた挙げ句に「我が国の存立危機だから」と戦争に打って出る有り様だった。
 だから政府による国の存立危機の判断など、とても危なっかしくて信用できるものではない

 実際、安倍首相とその内閣も、我が国の存立危機の例の一つとしてホルムズ海峡の封鎖を挙げていたが。国内には約半年分の石油の備蓄があり、また石油の産出国は中東だけではない。
 その半年の間に外交で事態を解決する努力も充分に払わずに、「国の存立危機」として自衛隊の派遣する例として挙げるのは、太平洋戦争を始めたかつての日本政府の発想と全く変わらぬ。
 そう言えば安倍首相の祖父の岸信介氏は、太平洋戦争を始め日本を破滅の縁に追いやった東条内閣の閣僚で、それでA級戦犯の容疑者として逮捕されたのだったな。

 安倍首相の考えでは、そのホルムズ海峡の封鎖でも「日本の存立危機」に該当し、自衛隊を派遣(正確には派兵)する理由になると言うのだから。
 だとすればその時の政府の判断一つで、どんな理由で世界のどこに自衛隊が派遣されるかわかったものではない。
 我が国は資源に乏しく、国民が生きて行くのに必要な物資の多くを輸入に頼っているが。
 そのホルムズ海峡の理屈で言えば、ある国が我が国に必要な物資を輸出しなくなる度に、「さあ自衛隊を派兵!」という事にもなりかねないではないか。

 そもそもこの度の戦争法案では、自衛隊を出動させる「日本の存立危機事態」の基準すら明確にされていないのだ。
 そしてその判断は、「政府に一任しろ」と。
 馬鹿を言うな、海外派兵のような戦争に繋がりかねない重大時を、「政府を信じて一任」など出来るものか!

 かつて国民が政府を信じて従ったが為に特攻などの酷い戦争をさせられ、都市は無差別爆撃で焼け野原になり原爆も落とされ三百万もの日本人が命を落とす事になった事実を、筆者は決して忘れない。
 あの戦争を、「自衛の戦争」とか「アジアを白人支配から解放する為の戦い」などと言う知性と理性と冷静な判断力に乏しい人達(自称愛国者)が、残念ながら今の日本で増えつつある。そしてそれは、安倍首相を支持している層に目立って多い。
 しかし筆者は、太平洋戦争は「避けるべきだったのにその時の日本のアホな指導者達が強行した侵略戦争であった」と断言する

 話は戻るが、日本の本当の危機は遠く離れたホルムズ海峡などではない。
 名指しは避けているが、安倍首相は恐らく中国の脅威に対抗しようとして戦争法案の成立を急いでいるのだろう。
 しかし戦争法案が無くとも日本には日米安保条約があるし、尖閣諸島も日本の施政権下にあるとアメリカの現政権も明言している。
 だからもし中国が尖閣諸島に兵を送れば、日米両軍が反撃する事も、そしてすぐ近くの沖縄には多数の米軍基地がある事も中国はわかっている筈だ。
 さらに中国がたかが尖閣諸島などの小島を手に入れる為に、ただでさえ鈍りつつある経済成長を台無しにする覚悟で、重要な輸出相手である日米両国と戦闘状態に突入するとは考えにくい
 中国が日本の領土を武力で侵す危険は「無い」とは言わないが、冷静に考えれば、中国にとってもそれはデメリットがかなり大きい行為なのだ。

 安倍首相の言う“存立危機事態”が起きる可能性がおそらく最も高いのは、マスコミでは殆ど話題にされていないが北朝鮮であろうと筆者は見ている。
 あの国は経済が崖っぷちの状態で、食料もギリギリの状態にある。
 それでもかつては中国や旧ソ連の援助があったから何とかやって来られたものの、今ではその両国との関係も微妙だ。
 そんな今、もし今年日本を襲ったような台風が北朝鮮を襲ったらどうなるか。
 農業は壊滅状態に陥り、追い詰められた指導部が飢えた国民たちを食わせる為に、韓国へ攻め込む事を決意しかねない。

 実際、北朝鮮の人々の中には「飢えた暮らしをずっと続けるくらいなら、いっそ戦争で死んだ方がマシだ」と言っている人達が現にいるという。
 飢えの苦しみは24時間ずっと続くが、死ぬ痛みは一瞬だ、と。
 で、豊かな“南”に攻め込んで腹一杯食えるなら、その後は死んでも構わない……と。
 台風でも日照りでも冷害でも、近年の異常気象でもし北朝鮮の人々がもっと飢える事になれば、あの国は本当に何をするかわからない

 で、仮に北朝鮮が韓国に攻め込んだとしよう。
 その場合、米韓相互防衛条約により、アメリカは当然韓国に軍隊を送って支援する。
 その時日本は、前回の朝鮮戦争の時のように、対岸の火事として北朝鮮と韓国&アメリカの戦いを眺めていれば良いだけだ。例の“戦争法案”をまだ可決していない今までならば。
 日本には憲法第9条があるし、北朝鮮が直接に日本を攻撃して来ない限りは、自衛隊も動かなくて良いし、動いてはいけないからだ。

 だがもし安倍首相が何としてでも成立させたい戦争法案が可決された後は、事情は全く変わって来る。
 何しろ遠く離れたホルムズ海峡と隣の韓国の戦争では、日本の感じる“存立危機”のレベルが違う。
 当然、政府は日本の存立危機事態に該当するとして、アメリカ軍の“後方支援”という名目で自衛隊を韓国に派遣するだろう。
 しかし「敵の背後に回って補給を絶つ」というのが、軍事の常識である。だから北朝鮮軍は、当然“後方支援”の自衛隊を襲撃するだろう。
 北朝鮮と韓国の間に有事が起きれば、米韓相互防衛条約により米軍も出動するし、戦争法案が成立すれば自衛隊も韓国に行かざるを得ず、そして北朝鮮軍との戦闘に巻き込まれる。自衛隊員にも間違いなく戦死者が出るだろうし、北朝鮮軍に捕虜にされる自衛隊員も出るだろう。
 不時着したヨルダン軍のパイロットが、ISに捕らえられて拷問の末に焼き殺された事はまだ記憶に新しいだろう。もし自衛隊員が北朝鮮に生きて捕らえられたら、どんな扱いを受けるか想像もしたくない。
 我が国民は、そんな事態が起きた時に果たして耐えられるだろうか

 それだけではない。
 歴史問題もあり、反日教育を受け続けてきた韓国人が、アメリカの要請で韓国に駆けつけた日本の自衛隊を、果たして“友軍”と見るだろうか。
 韓国を助けにやって来た自衛隊を、敵と見なす韓国軍の兵士や一般市民も、きっといるに違いない。
 さらにもし筆者が北朝鮮の軍事指導者なら、北朝鮮兵士の一部に韓国の民間人を装わせて、アメリカ兵や自衛隊員を攻撃させる。
 そしてそうした北朝鮮のゲリラ兵や、反日的な韓国兵や市民から思わぬ攻撃を受けた場合、自衛隊員は韓国の一般の善良な市民と北朝鮮人のゲリラを正しく区別できるだろうか。

 で、警戒の余り「やらなければ自分や味方が殺される!」と、誤って罪の無い韓国の一般市民を殺しでもしたら、国際的な非難が浴びせられる事は、ベトナム戦争やアフガン戦争などでアメリカ軍が既に体験している。
 ついでに言えば、韓国とアメリカに巻き込まれて日本も北朝鮮と戦争状態に陥った時、日本人に国内にいる在日朝鮮人と北朝鮮のスパイや破壊工作員の区別がつくだろうか
 いや、それは無理だろうと筆者は確信している。そして北の工作員によりテロや破壊活動が起きた挙げ句に、国内で在日朝鮮人に対する激しい差別が起きるだろう。かつて関東大震災の際に、疑心暗鬼から何の罪もない朝鮮人を虐殺したように。そして日本は、また国際社会から非難の的だ。
 もちろん、在日米軍や自衛隊の基地周辺だけでなく、日本の主要都市が北朝鮮のミサイルの的になる事も覚悟しなければならない。

 戦争法案を「日本の安全を守る為のものだ」と主張している人達は、その北朝鮮という厄災の存在をちゃんとわかっているのだろうか。
 もし北朝鮮が暴発して韓国に攻め込んだ時、戦争法案が成立していれば自衛隊も、まず間違いなくアメリカ軍の“後方支援”に駆り出される事になるのだ

 何度も繰り返すが、戦争法案に賛成する人達が主張する「国際情勢の変化=中国の脅威」には、現行の日米安保条約で充分なのだ。
 日本はアメリカに一方的に守って戴いている……って? とんでもない。我が国は基地を提供し治外法権も認め思いやり予算wwwも出し、米軍機の騒音や米兵の犯罪にも耐えているのだ。
 なのに更に自衛隊員の命までアメリカ軍に差し出そうという安倍首相やその周辺の卑屈さが、どうにも理解できない。
 売国とか自虐とかいう言葉は、この戦争法案を押し通そうとする安倍首相とその支持者にこそふさわしいと、筆者は断言する。

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