空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

幼なじみ⑫・まだしつこく『インタールード』を薦めマス

 新品でも中古でも、ゲームソフトは店頭ではたいていジャンル別に並べられているけれど。RPGだのアドベンチャーだの、格ゲーだのって具合にね。
 でさ、広い意味でギャルゲーと思われているゲームって、そのどこに分類されてるか、意外に様々なんだよね。
 
 例えば『ときめきメモリアル』や『センチメンタル・グラフティ』なんかは、ジャンルで言えば正確には『信長の野望』や『大戦略』なんかと同じシミュレーション・ゲームなワケで。
 でもプレステの“やるドラ”で一気に広まった、テキストを読みながら行動を選択肢で選んで進めて行くゲームは、アドベンチャーに分類されるんだよね。
 そのアドベンチャー系のノベルゲームと、『信長の野望』や『大戦略』で戦力や収入を上げるのと同じように、学力だの容姿だのの数値を上げながら好感度アップを狙うシミュレーション系のゲームは、同じギャルゲーでもテイストはかなり違うし、とても一緒にはできないよ。

 それに作中に占める恋愛要素の割合も、ゲームによってかなり差があってさ。
 映画だって「恋愛要素もある冒険活劇」とほぼ恋愛だけの「ラブロマンス映画」を、恋愛モノとして一括りには出来ないよね。
 それと同じように可愛いヒロインが出て来るゲームにも、彼女とただ両想いになるのだけが目的のものから、いろいろ事件が起きて、その過程で結果的に両想いになるものまで、いろいろあるわけデス。
 だからその辺りのコトを解っているゲームショップは、恋愛シミュレーションと恋愛アドベンチャーをキッチリ分けているんだよね。さらにホラーやミステリーの要素が高めなものは、一般のアドベンチャーのコーナーに並べていることも少なくないよ。

 でも作品の中の恋愛要素の割合など、数値で表せるものではないからね。だから同じゲームが、ショップによって“恋愛アドベンチャー”のコーナーに置かれていたり、普通の“アドベンチャー”のコーナーに置かれていたりするのも、よくある話でさ。
 で、その辺りの分類を面倒に思うショップは、恋愛要素が少しでもあってジャケ絵も可愛い女の子のゲームは、ファンタジー系のロープレからホラーまで全部一緒くたにして“美少女ゲーム”なんて小っ恥ずかしいコーナーにひとまとめにしてあったりするし。
 で、『インタールード』も恋愛アドベンチャー、一般のアドベンチャー、そして例の“美少女ゲーム”と、ショップによって置かれているコーナーが笑っちゃうくらい違うんだよ。

 黒沢の私見では、『インタールード』は恋愛メインの美少女ゲームではなく、一般のアドベンチャーゲームとして売られるべきだったと思うんだ。立ち位置としては『白中探検部』や『アカイイト』などと同じところで、「結果として恋愛要素もあるけれど、メインテーマはもっと別のところにある」って感じだし。
 繰り返し話してきたように、『インタールード』に出て来るヒロイン達はみなそれぞれ“難アリ”だし、萌えを期待してプレイすると絶対ガッカリするよ。でも恋愛要素は話の彩りくらいのつもりでストーリーを追いかけていれば、夢と現実の境界がわからなくなってくる感覚に、グイグイ引き込まれて行くと思うのだけどな。それにこのゲーム、グラフィックと音楽のレベルもかなり高いし。
 シナリオも絵もBGMも、同時代の他の多くのギャルゲーと比べてもかなりハイレベルなのだけど。ただ萌え要素の低さとストーリーの難解さゆえに、ネットのレビューでは不当に叩かれてるんだよね、この『インタールード』って。

インタールード(ベスト版)インタールード(ベスト版)
(2007/03/01)
PlayStation2

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 でもそのおかげで、中古ゲーム店ではかなり安く手に入るから。この『インタールード』、黒沢はキズを再研磨したものを某店で380円で見つけたよ。無キズのものでも、せいぜい600円というところかな。
 コミックスの単行本一冊買うのと、ほぼ同じ感覚で手に入れられるんだよ? 間違いなくお買い得と思うから、もし見かけたら是非お試しを……。
 萌え萌えのギャルゲーが好きで、「とにかく可愛いキャラとイチャイチャできればイイんだよ」って人には物足りな過ぎるだろうと思う。けど「異世界を冒険してみたくて、さらに恋愛要素もあればなお良し」って人には絶対おススメだよ。

 黒沢は『インタールード』の評価は低過ぎるし、ネットのゲームレビューでも不当に叩かれ過ぎだと思ってる。けど黒沢は、それも仕方のないことかも知れないとも思ってるんだ。
 例えば井筒監督の『パッチギ!』って映画があるよね。あれは、とりあえず日本人の高校生男子(少しヘタレだけどいいヤツ)と在日の美少女の恋愛モノ……ってコトになってるんだけど。
 でも恋愛映画を見たい女の子に見せたら、多分いい顔されないと思う。だって出てくるのは昔のDQNばかりで、話も大部分は日本人と在日の不良高校生同士の流血の抗争だもの。
 ま、「恋愛を通して成長して行く少年の、男の友情物語」ってところで、同じDQNの恋愛モノでも『恋空』などとはまるで別物なんだよね。
「恋愛映画」と「恋愛要素もある××映画」って、似ているようでやっぱりかなり違うものだと思う。だからネットで『インタールード』を罵倒するギャルゲーマー達のレビューを読んでも、「筋違いだな」とは思うけれど、その気持ちもある程度わかるんだ。
 もし発売元がこれをギャルゲーとしてでなく、当初から「これは恋愛要素もあるアドベンチャーです」とハッキリさせて売り出していたら。そうすればそんなゲームを求めていた層にちゃんと買われて、もっと高い評価を得られていたと思うのだけれど、どうだろうね?

 あと、『インタールード』のシナリオライターや制作者たちって、恋愛経験もちゃんとあるし、現実の女の子のこともよく知っているような気がするな。
 現実に恋愛を何度かした者がギャルゲーをやるとさ、シナリオライターや制作者サイドに「オマエは脳内恋愛しかしたコトないんだろ?」ってツッコミを入れたくなる事、よくあるんだよね。

 ツッコミその①……主人公はややバカでだらしのないネボスケで、さらに無趣味で特技もろくに無く、モテる要素など皆無に近いのに、幼なじみや妹(←血縁ナシ)から学園のアイドルまで、いろんな可愛い子に何故かモテてしまう。
 ツッコミその②……主人公は欠点だらけでダメ人間に近いのに、それを慕うヒロインは「美人で優しく家事も上手で世話好き」とあり得ないほどの完璧さ。
 ツッコミその③……二人きりになってムードが盛り上がった時の、男の台詞がまるでなってない。ヒロインは気の利いた可愛い台詞で、言葉を変えて好きスキと伝えてきているのに、主人公は「お、おう」とか「そ、それってどういう……?」とかの鈍クサい反応ばっかりだったりするんだよねぇ。しかも告白も、たいてい女の子の方からだし。 

「主人公は照れ屋なんだよ」って言うのかも知れないけどさ、せっかく女の子と良いムードになれた時に、その会話はねーよ、ヒド過ぎだってば。シナリオライター自身にデートの経験もロクになく、女の子を口説いた事もナイのが丸わかりなんだよね。
 だからかも知れないけど、プレイしていて「このゲームを作ってるヤツ、生身の女の子を知らな過ぎ」ってイライラして来るギャルゲー、ホントに幾つもあるよ。
 いや、「女のコの扱いを知らない」って言うより、「その会話や態度、人としてどうかと思うゾ?」ってレベルなんだよね。「コミュ障にしてもさ、もっと相手に気持ちをちゃんと伝える努力くらいしろや」って感じ。
 まーね、そういうゲームの例をいちいち挙げていたらまた話が長くなりそうなんで、それについても別の機会に語ろうと思っているけれど。
 でも『インタールード』のシナリオライターや制作者たちは、少なくとも「恋愛は脳内と二次オンリーのオタ君」じゃないってことは、プレイしていてよくわかるよ。

 男女にかかわらず十代ぐらいの若いうちって、後になってみると恥ずかしくなるくらい、相手に完璧を求めちゃうんだよね。自分がヘタレでダメダメなのは棚に上げて、でも相手には理想の女の子像を勝手に押しつけて、そしてちょっとした欠点に気付いただけでキライになっちゃったりして。
 ハイ、黒沢自身も身に覚えがあるし、今では深~く反省しておりマスよ。
 でもある程度長く生きて何度も躓いて、自分のダメな部分も目を背けずにちゃんと見られるようになると、周りの他の人にも優しくなれるんだよね。
 人間、誰だって欠点の一つや二つあるものだし、「悪い所があったって、良い所の方が大きければそれでOKだろ」って気付くようになるから。

 だから黒沢は、美人で優しくてモテモテなのに、あまり冴えない平凡な主人公を一途に好きでいて、見返りも求めずに尽くしてくれる」みたいなヒロインには、惚れるよりまず嘘くささを感じちゃうよ。と言うより、むしろ「このアマ、腹の中でナニ企んでるんだろ?」なんて疑っちゃうくらい。
 こーゆーコト言うと、女の子にまだ幻想を持ってる若い衆に「夢を壊すな!」って怒られちゃいそうだけど。ただ黒沢は、女の子の裏や実態を嫌と言うほど見てしまったんでね、男の願望をそのまま描いた現実離れしたヒロインを攻略しても、ただ虚しさしか感じられなくて。

 こんな黒沢だから『インタールード』のタマのポンコツぶりも、元気で悪意が無くて可愛い部分と差し引きすれば全然気にならないし、隙だらけでいろいろユルそうなダメOLの丸藤サンだって、「ま、悪い人じゃないんだけどね」と苦笑いしながら見ていられるんだ。
 現実の女の子なんて、ま、こんなモノでさ。と言うより、もしタマや丸藤サンを現実の世界に放り込んだとしたら、女の子の中では間違いなく上等な部類に入ると思うよ。
 特に丸藤サンってホントに「こーゆー女、何か実際にいそうだよな」っ感じでさ、シナリオライターやキャラを考えた人はホントにちゃんと恋もしてるし女の子もよく見てる……って部分が伝わって来るよ。
 で、逆にいかにもギャルゲー的な、タマの親友でホワンとして優しい、ゲームレビューでも人気の高い木村千佳を、あえて攻略不可のサブキャラに留めているあたりを見ても、「萌えキャラを並べただけの、ただのギャルゲーを作る気はない」っていう制作者達の志みたいなものを感じたよ。

 そうそう、例の丸藤サンを演じている声優さんだけど、かの『ときメモ』の藤崎詩織の中のヒトなんだよね。
 声優さんって、大雑把に言って「役柄によって声質までガラリと変えて、まるで違うキャラが演じられる人」と「違うキャラをやっても、ああ○○さんだなと何となくわかってしまう人」がいるような気がする。で、丸藤サンの声優さんは、どちらかと言えば後者の方みたいで……。
 意識しないでただ聞いていると、「ガードの甘いダメOL」って役柄を巧くこなしているし、何の違和感も無いんだよ。でも「藤崎詩織の中の人だ」って一度意識しちゃうともうダメで、丸藤サンに藤崎詩織の姿まで重なって見えてきちゃうんだよね。
 だから黒沢など、丸藤サンのルートは「藤崎サン、きらめき高校を出てからナニがあってこんなヒトになっちゃったの?」なんて、心の中で呟きながらプレイしてマシタ。
 昔『ときメモ』をやったことのある人、安い中古品があったら『インタールード』の丸藤泉美ルート、ぜひ試してみて下サイ。「藤崎詩織の劣化バージョン」みたいな感じで、きっと笑えると思うから。

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