空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

幼なじみ⑮・超ご都合主義で清々しいほどおバカに徹したゲーム

 さて、チラっと名前を出した『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』だけど、ネットのゲームレビューではこれも低評価で散々に叩かれているんだよね。その代表的なものを要約すれば、「声優陣だけムダに豪華で、中身はボロボロ」って感じかな。
 
 ……ワカるよ。同じ低評価でも『インタールード』とはまるで違って、『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』の方は黒沢も弁護出来ないほどのダメっぷり、って感じだもの。
 このゲーム、まずサブタイトルから常識ハズレで、「やっぱり一途にいってもそうじゃなくてもOKなご都合主義学園恋愛アドベンチャー!!」だよ?
 このゲームの何がご都合主義かって、まず何と言っても「フタマタOK!」ってトコ。サブタイトルにある「一途にいってもそうじゃなくても」ってのは、ズバリそーゆーコトなんだよね。
 と言うより、正確には「一人だけを攻略するのも可だけれど、基本はやっぱりフタマタ」ってくらいなんだな、コレが。

 例えば出てきた九人のヒロインの中では、「ボーイッシュでさばさばとした性格で姐御肌」という華岡・アレクサンド・柚那さんが、黒沢的にど真ん中のストライク・ゾーンだったんだ。だから真っ先にその柚那さんを攻めまくったんだけど、コレが良いムードになってもなかなか落ちないんだよ。
 って言うか、『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』は基本的に一緒にお昼を食べたり一緒に帰ったりして目当ての子の友好度&好感度を上げて行くシステムで、けど柚那さんに限らず一人の子だけを一途に追い続けていると、その子がナゼか途中から姿を見せなくなっちゃって、その子に関する選択肢まで無くなっちゃうんだよね。
 だから柚那さん攻略を目指した初回、柚那さんだけを追い続けた結果“柚那さん”という選択肢が無くなっちゃって、黒沢は仕方なく二番目に「良いな」と思ってた子(←成長後のカナコちゃんに似た、幼なじみの望月真心さん)と一緒に帰ったんだよ。

 あ、ちなみにこのゲーム、目当てのヒロインが出て来なくなっちゃった時に「一人で帰る」という選択肢はナイから。
 そしたらさー、何か知らないけどあれよあれよと言う間に、その次点という感じの望月真心さんとのハッピー・エンディングになっちゃって。
 つまりそこが「基本はフタマタ」って部分なんだよね。『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』のサブタイトルの「やっぱり一途にいってもそうじゃなくても……」で言う“一途”っていうのはさ、「ただひたすら意中のAさんを追いかける」のではなくて、「AさんとBさんのフタマタで行って、最後の最後にどちらか一人を選ぶ」って意味なのさ。

 って言うかこのゲーム、「Aさんを攻略するには、Bさんともそれなりに仲良くなっておかなきゃ絶対ダメ」ってケースが幾つもあり過ぎるんだよね。だからフタマタはかけなきゃフラグも立たなくて、しかもその「フタマタの相手は誰でもOK」ってワケでもないから話がややこしいんだよね。。
 そのかけるべきフタマタの相手は、冒頭から始まる長い回想シーンを参考にすれば、何となくわかるんだけど。でもそれだけでは完全クリアは不可能で、ノーヒントの意外な組み合わせも幾つもあったりしてね。さらに例のフタマタ進行でなくても、一人だけを一途に追いかけてもオトせる子も少数ながら居たりするから、話はますます厄介になっちゃう。

 黒沢が初回のプレイで躓いちゃったのは、柚那さんとセットになってる女の子が、黒沢の一番苦手なタイプだったんだよ。で、その子を選択肢で避けまくっちゃった結果、いつの間にか柚那さんまで出て来なくなっちゃってさ。
 そしてその後に仕方なく一緒に行動した子が、問題の「フタマタ進行でなくてもOK」って子だったんで、あれよあれよと言う間に……というワケ。

 こうやって話してて、自分でも「何が何だかよくわかんねーよ!」って喚きたくなっちゃったよ。けどそこを何とか整理して言えば、まあこういうコト。
 まずエンディングには、最後にどちらか一人を選ぶものと、結局誰も選べないままのものがありマス。
 そして九人のヒロインは、次の四つのタイプがありマス。

 ①一途にその子だけを追いかけるしかない子。
 ②一途に追いかけても、フタマタで進めてもOKな子。
 ③途中までフタマタで進めなければ、絶対に攻略不可の子。
 ④フタマタのエンディングしか無い子。 

 そんなこんなで、いろんなフタマタをかけたりかけなかったりで、エンディングは何と十五通りもあるのだよ。攻略ガイドかネットの攻略サイトでも頼らなければ、完全クリアはまず無理なんじゃないかな。
 黒沢も十五のエンディングのうち、十四までは何とか自力でたどりついたけれど。残る一つだけはギブアップして、ネット上の攻略サイトに頼っちゃったよ。

 ……ハッキリ言って、この『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』が低評価でクソゲーと言われても仕方ないと思う。プレイしていて、黒沢も「ありえねー、ワケわからん!」って頭を何度抱えたかわからないよ。
 ギャルゲーにはさ、大雑把に言って二通りあって。まず不思議な力や奇跡とかも出てくる、ファンタジー色のあるものと。そしてそうした非現実的なものを排除して、あえてフタマタや三角関係などドロドロした人間関係もあるリアルな恋愛を描いたものと。
 その前者の代表的なのがKeyの名作『kanon』など、後者がKIDの『メモリーズ・オフ』シリーズと言ったところかな。

 また余談になっちゃうけど、鍵っ子ことKey作品の信者とKID系の支持者の間で、端から見ていて不毛な罵倒のし合いがネット上でされてたりしたんだよね。
 ま、「鍵っ子とメモオフのファンって、全然気が合わねーだろーなー」ってのは、そのどちらのゲームもプレイ済みの黒沢にもよくわかるけど。
 何て言うのかな、Key作品の信者とメモオフなどのKIDの“修羅場ゲーム”が好きの人は、性格から人生観や恋愛観まで全然違うような気がする。ただ個人の好みの違い……というだけではなくてね。
 ぶっちゃけ言ってしまうと、黒沢はKeyの『Air』はそれなりに楽しめたし、メインヒロインの“観鈴ちん”も可愛いと思ったけど、結論としてはメモオフの方が好きなKID系寄りの人間だよ。

 で、開発・発売共にKIDの『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』だけど、もちろん不思議な力も奇跡も出て来ない上に、主人公は平気でフタマタ恋愛もしちゃうし。けど他のメモオフ・シリーズなどと違って、ナゼか修羅場にはならず丸く収まっちゃうんだよね。
 フタマタかけようがミマタだろうが、エンディングはそれこそもう「みんなシアワセに暮らしましたとさ」って感じで。
 この『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』、制作はリアルで容赦ない展開と修羅場でおなじみのKIDだけど、どう見てもまともな恋愛モノじゃ無くて異質なんだよね。
「主人公はイタいくらいおバカなのにモテモテ」な上に、「恋愛をフタマタで進めながら、ナゼか相手の女の子達に恨まれない」というあたり、もはやKey作品とは別の意味で「奇跡と不思議な力に溢れた、男子限定のファンタジー」って感じだよ。

 にもかかわらずこの『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』、黒沢は不思議なくらい楽しめちゃったよ。リアルな展開を求めてて、「修羅場もドーンと来い!」ってヤツの筈なのにね。
 だってのゲーム、あまりにもバカ過ぎなんだもの。設定からイタ過ぎる主人公の色々な発言まで、本当にもう何から何までおバカでさ。

 いくらファンタジー色がウリのゲームでもさ、そのフィクションの部分には、それなりのリアリティーを持たせようとするよね。例えば不思議な力にしても、「何故そのような力を持つことになったのか?」みたいな説明も付け加えて。
 その説明が実際にユーザーを納得させられるかどうかは別として、少なくとも説明する努力、嘘を嘘に見せない努力はしているよね。
 でもこの『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』は、そーゆー嘘にリアリティーを持たせる努力を一切放棄している感じがするんだよ。もう「ただモテてハーレム気分を味わえれば、それでいーじゃん」みたいな感じのノリで。

 このゲームの制作者たち、もう完全に開き直っちゃってるから。「リアリティーって何ソレ、おいしいの?」って感じで。それでサブタイトルにも、「一途にいってもそうじゃなくてもOKなご都合主義学園恋愛アドベンチャー」なんて掲げちゃってね。
 で、「この主人公は何故こんなにモテるワケ?」とか「フタマタをかけられた女の子達が、何故みな許して受け入れちゃうの?」みたいな、現実には絶対あり得ない部分についての説明も完全スルーでさ。
「いーんだもん、だってご都合主義なゲームなんだからさ」ってね。
 ここまで居直られて中身もバカに徹されちゃうと、もう腹も立たないし笑うしかねーな……って感じになっちゃて。

 だから決して真面目にやっちゃダメなんだよね、このゲームは。ただ何か辛い事があったり気持ちが疲れている時に、とにかく頭の中を空っぽにするにはとても向いていると思う。
 何しろメモオフのような鬱になりそうな重い要素は全然無いし、Key作品のように暗に涙と感動を求められる事もないからね。

 ゲームに興味の無い人達は、ただギャルゲーって言うだけでバカにするけれど。でも生きる意味とか家族の絆や友情の大切さとか、恋愛以外のことについても大いに語っちゃってるギャルゲー、意外に少なくないんだよね。
 けどこの『ホワイト・プリンセス・ザ・セカンド』は、ホントにただお気楽で能天気な恋愛しか描いてないんだよ。「ストーリーや設定にリアリティーを少しでも持たせよう」なんて努力は、スッパリ一切放棄してね。
 ハイ、コレは本当に極めて軽いノリの、清々しいまでにおバカに徹したゲームなのでアリマス。

 そうそう、ネットのレビューで「ムダに豪華」と叩かれているキャストについて、参考までに紹介しておくね。
 新谷良子、能登麻美子、清水香里、佐藤利奈、田村ゆかり、小清水亜美、斎藤千和、植田佳奈、清水愛
 どうかな、声優さんやアニメに詳しくない人でも、一人や二人くらい名前に聞き覚えがあるだろうし、詳しい人なら「スゴい!」って目を見張っちゃうのではないかな。
 何しろ上記のようにツッコミどころ満載の、クソゲーと紙一重のギャルゲーだから、決して積極的におススメは出来ないけれど。ただ中古ゲームショップの店頭で見る価格も、せいぜい夏目漱石一枚前後だし、この豪華な声優さん達の声の競演を聞くだけでも、買ってみる価値はあると思うな。

 さて、生徒会のお仕事で再び距離が縮まったかのように見えた、黒沢とカナコちゃんのその後についてだけど。
 マンガやドラマにあるような進展等は、ハッキリ言って何もありませんデシタ。
 押しつけられた生徒会の仕事が終わると、それ以前と全く同じ、言葉を交わすことすら無い関係に戻っちゃったよ。

 前にも話したように黒沢の中学は一学年九クラスで、全校の生徒数も千二百人を越えるマンモス校だったから。そして黒沢は一年の時は八組で、二年と三年の時には九組でさ。
 一つの階に九クラスも入れられる校舎なんて、実際まず無いじゃん? それで黒沢のクラスはいつも、同じ学年の他のクラスとは違う階か、ヒドい時には別の校舎に入れられちゃってたんだよね。
 だから同じ学年でも他のクラスのヤツらとは殆ど没交渉で、部活や委員会が一緒でもない限り、顔も合わせる機会も無いんだよ。
 それにカナコちゃんとは通学路も真反対だったから、「登下校中に、偶然一緒になって」なんてイベントも起こり得なかったし。

 ……いや、実はそんなのは、全部言い訳でしかないんだよね。
 だって本当に「また前みたいに仲良くなりたい!」と思ってたなら、自分から会いに行けば良かっただけの話だもの。クラスが離れていようが通学路が反対だろうが、同じ中学の同じ学年なんだよ?
 幼なじみでよく一緒に遊んだ昔のことを、いろいろ喋った中でカナコちゃんがまるで触れなかったのは事実だよ。けどそれを言うなら黒沢だって、昔の事なんか覚えてない……って顔をしていたし。

 言葉にも素振りにも出さずに、ただ心の中で「幼なじみだった事、カナコちゃんは覚えてくれているかな?」って思ってて。そして「そう言えば昔、よく一緒に遊んだよね?」って、カナコちゃんの方から切り出してくれるのをずっと待ってた。
 ま、ズバリ言ってしまえば、黒沢がヘタレでチキンなだけだったんだけどね。
 ただムスカ大佐かチビヒトラーって感じの悪役キャラだった当時の黒沢にとって、カナコちゃんの屈託ない態度と明るい笑顔は太陽より眩しかったんだよ。
 太陽って明るくて暖かいけれど、近寄り過ぎると焼け死んじゃうでしょ? ちょうどそんな感じだったんだよ、カナコちゃんって。

 中学生になった後も、学年が上がる毎に黒沢の心は荒む一方でさ。中二病でナマイキで、同じ学年のDQN系のヤツらには、「いつかボコってやる」みたいに憎まれてたし。
 そのくせナゼか一部のDQNには一目置かれてて、一緒にツルんで遊んだりもしていて、真面目な優等生とはかけ離れた存在だったんだよね。
 とは言っても、もちろん他人サマに害を及ぼすような犯罪行為はしてないよ。けど校則なんか頭から無視してたし、「DQN系のヤツらとは険悪なのに、どこか繋がりもある」みたいな、まあそんな感じ。

 そんな黒沢にとって、外見も心もよりキレイになっていたカナコちゃんは、何か本当にもう遠くから眺めるだけの別世界の人……って感覚で、恋愛感情とかとても持てなかったんだよ。
 それに黒沢はその頃、恋人も友情も何もかも失って人間不信になってしまうような、鬱ゲー顔負けの泥沼の恋愛をしていたから。実際その恋愛のせいで、黒沢のその後の人生まで変わってしまったと思う。
 だから再会したカナコちゃんとのことは、本当にもう一時の清涼剤でしか無かったんだよね。

 大袈裟ではなく地獄を見たその泥沼の恋愛のコトも、またいつか語りたいと思ってる。この駄文を読んでくれている若いキミたちが、同じようなイタい目に遭わないように……って。
 ただその時の事は、思い出すだけで今でも痛くて苦しくて、冷静に振り返って語る自信が無いんだよ。だから次回の予告は、今の気分としてまだ出来ないでいるんだ。
 で、次回の記事がもしイタい(読み手にとってはメシウマな?)中学時代の失恋話ではなく、能天気なバカ話に終始していたら、「逃げたな、このチキンめ!」と笑ってやってくれタマエよ。

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