空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

安い国産ウイスキーを飲んでみた➂ブラックニッカ・クリア

 さて、今回は国産の安価なウイスキーのうち、ブラックニッカ・クリアについて話そう。

ブラックニッカ・クリアP1080994

 このブラックニッカ・クリアについて、筆者は以前「ウイスキー風味の麦焼酎のようなもの」と酷評した。
 そしてそのせいで、幾人かの方に不快な思いをさせてしまった。
 それで今回、ブラックニッカ・クリアを同価格帯のサントリーのレッドトリス・クラシックと比較しつつ、改めて念を入れて味を見てみることにした。

 封を切るとほのかな甘い香りが漂ってくるところは、レッドやトリス・クラシックと同じである。
 口に含むと甘みを感じるところも、レッドやトリス・クラシックと同じである。
 そして甘さは、レッドとトリス・クラシックとブラックニッカ・クリアの三本のうちで最も控えめか。

 甘さの質も、サントリーの二本とは微妙に違う。
 レッドとトリス・クラシックの甘さはカラメルっぽいが、ブラックニッカ・クリアの甘さは樽や穀物から来る、より穏やかで自然な甘さだ。そのせいか三本のうちで、ブラックニッカ・クリアが最も“クリア”な味に感じる。

 難点を言えば、封を切ってすぐに飲むと、少し意外なくらいアルコールの刺激を感じる。
 封を切ってすぐ水や炭酸で割ってガンガン飲むなら良いが、ストレートやトワイスアップ、あるいはロックなどでじっくり飲む場合には気になるかも知れない。

 封を切った直後の味わいとしては、ブラックニッカ・クリアとトリス・クラシックはかなり似ている気がする。
 どちらも度数37%で、香りも控えめであっさりした味わいで、水や炭酸で割って気軽に飲むのに適している。店頭での価格もほぼ同じだけに、「メーカーにこだわらない人は、どちらを選ぶべきか困るだろうな」と思った。
 味に少し癖のあるレッドは別として。
 実際、ブラックニッカ・クリアとトリス・クラシックの香りと味わいは殆ど変わらないのだ、少なくとも開封直後には。

 ただ開封して数日経つと、ブラックニッカ・クリアは味と香りが変わって来る。
 ウイスキーの中には、開封して数日経ち原酒が空気に触れるにつれて、本来の香りが広がってくるものがあるが、ブラックニッカ・クリアもの種類のウイスキーだった。
 開封してまず少し飲んで味を確かめ、そして数日放置してからまた改めて飲んでみると、穏やかながらウイスキーらしい香りがしっかりと立っていた。そして味にもコクが出て、開封直後には気になったアルコールの刺激もかなり薄らいでいた。
 ただそれでも、ストレートやトワイスアップなどの濃いめで飲むには、やや物足りないと思った。

 で、筆者は少し飲み方を変えてみた。
 濃いめで飲む時に、他のウイスキーを飲む場合より少し多めに口に含んでみた。
 すると案外、悪くないのである。
 ブラックニッカ・クリアは、何しろ基本の度数が37%である。だからトワイスアップにすると18.5%で、日本酒の原酒とほぼ同じくらいになる。
 で、ウイスキーと思ってチビチビ嘗めるのではなく、原酒の日本酒と思って少し多めに口に含んで飲むと、それなりにウイスキーらしい味わいを楽しめた。
 40%かそれ以上の普通のウイスキーと同じようにチビチビと飲むから薄く物足りなく感じてしまうのであって、より濃いめにするか、やや多めに口に含めばよいのだ。

 また、レッドやトリス・クラシックと違って、ブラックニッカ・クリアは強くはないがウイスキーらしいアフターテイストがしっかり残る。
 レッドやトリス・クラシックは飲んだ後にウイスキーの味と香りが殆ど残らないが、ブラックニッカ・クリアはちゃんと残るのだ。
 何しろ味も香りも軽いので、「何だ、これでもウイスキーかwww」などと思いながらグイグイ飲んでしまいがちなのだが、飲んだ後で深く呼吸をしてみると、ウイスキーの香りが口の中に残っているのがしっかりわかる。

 ついでに言うと、レッドとトリス・クラシックは開封して数日経っても、味と香りは全く変わらない。
 と言うよりむしろ、どちらも香りが弱まるように感じた。
 ブラックニッカ・クリアについては、封を切った当初は「アルコール臭のキツい安物ウイスキー」としか思わなかったが、原酒が空気に触れて行くにつれて「意外に悪くない」と思うようになった。
 しかしレッドとトリス・クラシックについては、時間をおいて改めて飲み直してみても「じっくり味わって飲むには値しない、安ウイスキー」というイメージしか持てないままだった。

 ただレッドやトリス・クラシックにも、取り柄はちゃんとある。
 何倍かに割ってもウイスキーらしさを意外に保っている、という点だ。
 サントリーはトリス・クラシックの飲み方について、1:3のハイボールを最も推奨しているようだが。実際、その割合でハイボールを作って飲んでみると、けっこうウイスキーらしい味わいを保っていて悪くない。
 そしてレッドもまた、水や炭酸で何倍かに割っても、香りはともかくウイスキーらしい味わいはちゃんと保っている。

 その点、ブラックニッカ・クリアは割る水や炭酸を多くし過ぎると、やや水っぽくなるような気がする。と言っても明らかに差があるわけではなく、本当に「やや」というレベルの話だが。
 筆者は以前、ブラックニッカ・クリアを1:2というかなり濃いめのハイボールにしてみたが、これが意外なくらいに悪くなかった。

 三週続けて、国産の千円未満のウイスキーを飲んでみたが。
 それで言える事は、レッドもトリス・クラシックもブラックニッカ・クリアも、どれも「濃いめでじっくり飲むより、水や炭酸で何倍かに割って気軽に飲むもの」という感じだった。
 特にレッドとトリス・クラシックは、完全に割って飲む為のものだ。
 ブラックニッカ・クリアはしばらく空気と触れればウイスキーらしさも出てくるし、ロックでもトワイスアップでも飲めるが、それでも本格的なウイスキー好きには物足りない部分があるだろう。
 やはりブラックニッカも水や炭酸などで割って気軽に飲むもので、「ウイスキーに親しむ為の、入門用のウイスキー」というのとは違う気がする。

 本格的にウイスキーを味わってみたい人の為の、入門用のウイスキーとしては。
 筆者ならばニッカだったら少なくともブラックニッカ・リッチブレンド以上の物を飲んで欲しいし(ブラックニッカ・スペシャルがお勧め)、サントリーなら白角スペシャル・リザーブを、スタンダード・スコッチならジョニ赤ベルホワイト&マッカイなどを勧めたいな。

 だがチビチビ味わって飲むのでなく、水や炭酸で割って食中酒として飲むウイスキーがあっても良いと思うし。
 そしてレッドやトリス・クラシックやブラックニッカ・クリアなどの手頃な価格の国産ウイスキーは、その為にちょうど良いのだろうと思った。

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