空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

キリン一番搾りの限定醸造二品を飲んでみた

 寒くなるこの時期にビールの消費が落ち込むのを防ぐ為か、ここのところビールメーカー各社から期間限定の製品が出されている。
 で、たまたま目に付いたキリンの二種類の限定醸造の一番搾りを買って飲んでみたので、それについてレボートする。

キリン一番搾り限定品P1090223

 その前に断っておくが、筆者は別にキリンが好きなわけではない。
 好き嫌いで言えば、ビールではギネスが大のお気に入りで、国産に限ればサッポロのエビスが好きだ。そしてスーパードライとそれに似た味の製品は、ビールと認めたくないほど苦手である。
 だから各社が出している限定醸造品の中で、キリンの二種類の一番搾りを選んだのは、本当に「たまたま」なのだ。
 売り場で目に付いたものだから、文字通りに衝動買いしてしまったのだ。

 今は違うが、かなり昔は日本でビールと言えばキリンというイメージがあった。
 しかし筆者は、キリンのビールを別に不味いとも思わなかったが、美味いとも全く思わなかった。
 筆者がビールを「美味い!」と思うようになったのは、ドイツやベルギーなどの麦芽とホップだけで造られた本物のビールを飲んでからである。
 だから筆者は国産では長いことエビスを好んで飲んできたし、コーンやスターチなどの副原料を使用したものは今も“ビール”とは認めていない
 筆者は紛れもない日本人だが、ビールに関してはドイツのビール純粋令の基準に従うべきだと考えている。

 で、「飲めないほど不味くはないが、決して美味くもない」と思っていたキリンのビールについてだが、副原料なしの一番搾りを出してから印象が変わった。
 麦芽とホップだけで造られた一番搾りについては、間違いなく合格点を付けられる良いビールだと思った。

 ただギネスやエビスなどを好んで飲んできた者からすると、飲みやすいが何となく軽めで多少物足りない印象もあった。
 それだけに、その一番搾りの限定醸造品がどれだけ通常の一番搾りと味が違うのか、俄然興味が沸いてきたのである。

キリン一番搾り限定品P1090224

 大型スーパーのお酒売り場で見つけた一番搾りの限定醸造品は、横浜工場限定醸造の“横浜づくり”と、岩手県遠野産とれたてホップの二種類である。
 もちろんどちらも麦芽とホップだけで造られた、副原料なしの本物のビールである。

 まず、横浜づくりの方だが、缶のプルトップを引き開けた途端に甘く華やかな香りが広がり、「これは違うな」と思わされた。
 ただ香りが華やかで強いだけでなく、ビール自体の色も濃く、グラスに注ぐと紅茶に似た琥珀色をしている。
 飲むと雑味の全く無い澄んだ味で、通常の一番搾りとは明らかに違う深い味である。
 個人的には通常の一番搾りより美味いと思うし、大好きなエビスにも負けていないと思った。

 但しこの横浜づくりは、缶の説明にも「5種類のホップを使い、アルコール度数は6%に高めました」と書いてあるが、ホップの苦みがいささか強い。
 だから飲み応えのある強いビールが好きな人には良いが、「ビールは苦いから好きではない」というような人は、このビールよりハイボールの方が好きと言うかも知れない。

 また、不思議な事にこの横浜づくりは、少し時間をおいてぬるめになって来ると、味の印象がかなり変わるのだ。
 よく冷えていたのがぬるめになって来ると、ほのかに甘みが出て来て、そしてホップの苦さにも複雑な広がりが出て来る。
 初めはただ苦みとしか感じられなかったものが、角が取れてかつふくらみのあるものに変わる。5種類のホップを使ったというだけの深さが、このビールの苦みの中にはあるのだ。

 ドイツでは、大きなジョッキに注いだビールを一時間近くかけてゆっくり飲むと言うが。
 この一番搾りの横浜づくりは、ややぬるめになったものをゆっくり味わいながらチビチビ飲んでもなかなか美味いのだ。
 甘く華やかな香りは時間が経ちビールがぬるくなっても変わらず、深い味わいと相まって豊かな酔い心地をもたらしてくれる。

 と言うよりこのビール、普段のビールのように「ゴクゴク、プハーッ」と一気に飲んでしまっては勿体ないと思う。
 一気に飲み干してしまうと、「まあ上質だが苦みの強いビール」という印象しか残さないような気がする。
 ゆっくり、じっくり味わって飲むべき本格派のビールだと、筆者は思う。

 さて、続いて同じ一番搾り限定醸造品の、岩手県遠野産とれたてホップだが。
 缶にも「52年もの間、ともに歩んできた、キリンの醸造家と、遠野のホップ農家。この夏も、とれたてのホップを凍結し、一番搾り製法で、みずみずしい香りを引き出しました」と書いてあるし、そして何より缶の正面に大きな字でとれたてホップと書いてある。
 だから「さぞホップが利いていて、苦いのではないか」と予想して缶のプルトップを引き開けた。

 が、こちらは同じ一番搾り限定醸造品の横浜づくりと違って、プルトップを開けてもグラスに注いでもあまり強い香りは立たない。
 但し、爽やかなホップの香りはわかる。
 横浜づくりの方は琥珀色の濃いめの色合いだったが、とれたてホップの方は普通の一番搾りと同じ淡い色である。
 そして飲み口も爽やかで、通常の一番絞りと同様にやや軽めに感じてしまうくらいだ。
 横浜づくりの方は、通常の一番搾りとはかなり味も香りも違う印象だが、とれたてホップの方は通常の一番搾りにかなり似ている。

 ただ遠野産のホップを使っているだけあって、飲んだ時の爽やかさが通常の一番搾りより明らかに強い。ホップの苦みはあるのだが、その爽やかさの為に「心地よい」という範囲内におさまっている。
「ビールは苦いから好きじゃない」と言う人でも、このホップの苦みに不快感はあまり感じないだろうと思う。
 とれたてホップなどと銘打ってはいても、決して苦すぎる事は無いからご心配なく。

 そして酒質も重くなく軽やかなくらいで、副原料入りのビール類にありがちな嫌味は全くなく澄んだ味だから、気持ち良くぐいぐい飲める。
 逆にあまりゆっくり飲んでいてぬるくなると、苦みがやや前面に出て来る感じだ。
 だから横浜づくりとは逆に、チビチビじっくり飲むより冷たいうちにグイッと飲むことを勧めたい。

 同じ一番搾りの限定醸造品だが、とれたてホップの方は苦みがあまり気にならない、爽やかで軽めで澄み切った味の万人好みのビールだ。
 それに対し横浜づくりの方は香り高く力強い飲み口の、通好みの個性的なビールという印象だ。
 性格としては真逆のビールだが、どちらも良く出来ていて美味いと思う。

 しかもエビスやギネスなどに比べて実売価格で50円くらい安く、通常の一番搾りと同じ二百円ちょっとで買える(筆者の家の近くのスーパーでは本体197円で税込み213円)のだ。
 もしご近所のスーパーや酒屋で見かけたら、キリンのこの限定醸造の二種類のビール、買って味を見てみても決して損はしないと思う。
 味はかなり違うけれど、どちらも通常の一番搾りより美味しいデス。

 あまり重くない爽やかなビールを普通にゴクゴク飲みたい方にはとれたてホップを、そして香り高く飲み応えのあるビールを、ゆっくり、じっくり飲みたい方には横浜づくりをお勧めする。

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コメント


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これくらい。

これくらい。

ビールの品質と同じくらい、ウイスキーの品質にも注力してくださいよ。

もう、キリンさんしかいないから。(笑)

ogotch | URL | 2016-01-04(Mon)02:55 [編集]


Re: これくらい。

> これくらい。
>
> ビールの品質と同じくらい、ウイスキーの品質にも注力してくださいよ。
>
> もう、キリンさんしかいないから。(笑)

 全くです。
 キリンも大きなメーカーなのだから、ウイスキー造りも頑張ってもらいたいものです。
 ロバートブラウンと富士山麓とボストンクラブだけでは、余りにも寂しすぎます。
 キリンならば、もっと上級品も造れそうなものですが…。

黒沢一樹 | URL | 2016-01-07(Thu)16:38 [編集]


個人的に。

個人的に。

本当に作って欲しいキリンのウイスキーが
一つだけ、あるのです。

実売2,000円の「富士山麗12年」。

竹鶴12年亡き後、空席になってしまった
普段呑みウイスキーの頂点。

そこを狙って欲しいですよねー。

ジャパニーズウイスキーの「普段呑みの本物」をニッカが作らなくなった今。

チャンスだ、キリンさん。
その座を奪って欲しい!

……無理か?(笑)

ogotch | URL | 2016-01-08(Fri)08:01 [編集]


Re: 個人的に。

> 個人的に。
>
> 本当に作って欲しいキリンのウイスキーが
> 一つだけ、あるのです。
>
> 実売2,000円の「富士山麗12年」。
>
> 竹鶴12年亡き後、空席になってしまった
> 普段呑みウイスキーの頂点。
>
> そこを狙って欲しいですよねー。
>
> ジャパニーズウイスキーの「普段呑みの本物」をニッカが作らなくなった今。
>
> チャンスだ、キリンさん。
> その座を奪って欲しい!
>
> ……無理か?(笑)

 おっしゃる通りです。
 富士山麓は確かに値段の割に良く出来たウイスキーです。
 けれどやはりどうしても、強いアルコールの刺激に熟成の足りなさを感じてしまいます。
 もし2000円にして、12年モノにしたら、さぞ良いものが出来るでしょうね。
 後はキリンが、どれだけ本気でウイスキーを造ってくれるかどうかにかかっていますね。

黒沢一樹 | URL | 2016-01-14(Thu)16:13 [編集]