空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

新ジャンル酒を8本飲み比べてみた

 暑い。
 ここのところ、夏になるといつも猛暑で、冷夏だった夏など記憶の彼方にしか無いような気がする。

 で、夏になるといつも困ってしまうのが、「酒は何を飲むか」である。
 ちなみに筆者はウイスキーは常温で飲む主義で、ビールもキンキンに冷やして一気に飲むのは好まず、エール系のビールをゆっくり味わいながら飲みたい人間なのだ。
 そしてお酒を飲むと血液の循環が良くなった結果体温が上がり、余計に暑くなってしまう。

 だから蒸し暑いこの日本では、副原料入りのビールをキンキンに冷やして、喉越し最優先でガブガブ飲む人が多いのだろう。
 しかし筆者は、スーパードライなどの副原料入りのビールはどうしても好きになれないのだ。
 副原料を入れると軽い味わいになると言うが、筆者にはただ旨味と香りを損なっているだけにしか思えない。
 そして味に深みがあり香り高い麦芽とホップだけの本物のビールは、キンキンに冷やして一気に飲むには勿体な過ぎる。

 筆者はドイツのビール純粋令を支持している一人だから、副原料入りの“軽い”ビールはどうしても好きになれない。
 だから麦芽を減らして副原料を増やした発泡酒など、飲む気にもなれなかった。
 当然、発泡酒より更に安い新ジャンル酒など、まるで見向きもしないでいた。

 ところが一昨年、町内会の慰労会で、その新ジャンル酒が出されてしまった。
 筆者は偏屈で困った人間だが、町内会の人を相手にビールのウンチクを喋り立て、「だからこんな酒は飲めマセン」などと言うほど空気が読めないわけではない。
 だから出された新ジャンル酒に、いやいや口をつけたのだが。
 するとそれが、案外悪くなく飲めたのである。

 美味いとまでは、もちろん言わない。
 本物のビールに比べたら薄くて軽くて、まるで物足りない。
 しかし薄い代わりに嫌味も無く、副原料入りの下手なビールよりずっと気持ち良くグイグイ飲めてしまった。
 それがサッポロの、麦とホップだった。
 それ以降、暑い時に喉の渇きを癒すために飲む一本として、自販機のジュースや缶コーヒーと同じかそれ以下の値段の新ジャンル酒に興味を持ってしまったのだ。

 で、またも猛暑が予想されているこの夏に備えて、新ジャンル酒をいろいろ買って飲み比べてみた。

サントリー金麦P1090972

 まずは、嫌になるほどテレビCMが流され、どのスーパーのお酒コーナーにもある、サントリー金麦リッチモルトから。
 プルタブを開けてグラスに注いでも香りは弱いが、香りそのものは悪くない。そしてザ・プレミアム・モルツに負けないくらい澄んだ黄金色をしている。
 ただ、糖質副原料に大麦ではなく糖類(コーンやスターチを液化・糖化させたもの)を使用しているせいか、スーパードライに似た金属っぽい味を感じる。
 同時に、リッチモルトと名乗るだけあって、僅かだがモルトの甘みも感じる。

 全体としては、副原料入りのビールを薄めた印象。しかし味が薄い分だけ、嫌味も薄く感じられる。
 特に美味くはないが軽く飲みやすいので、冷やしてゴクゴク飲むにはかなり向いている。
 個人的には、変な副原料入りのビールを飲むくらいなら、より安く嫌味も少ないこちらを飲みたい。

 ただ、一気に飲み切れずに残った分がぬるくなると、嫌味がより強く感じられるようになってくる。
 だから続けて何本も飲むのではなく、暑さをしのぎ喉の渇きを癒す為の最初の一本として、よく冷やして一気に飲むのが良い。
 味わいは軽めで苦みも強くないから、ビールの苦みが苦手な人でも飲みやすく感じるのではないか。
 僅かに感じる金属っぽい味に不満はあるが、全体的に見ればよく出来たビールもどきだと思う。

サッポロ麦とホップザゴールドP1090976

 続いてサッポロ麦とホップ・ザ・ゴールドだが、「麦とホップ史上最大の麦芽量!」と謳っているだけあって、意外にビールに近い味わい。
 最初から、しっかりとして心地よい苦みを感じる。
 他の新ジャンル酒は「悪くはないが薄い」と感じる物が少なくないが、この麦とホップ・ザ・ゴールドはその薄さを感じさせない。コーンやスターチをどっさり使った変なビールよりずっと美味い。

 なかなかビールに近い味わいで、金麦で僅かに感じた、スーパードライに似た金属っぽい嫌味も感じない。
 黙って出せば、新ジャンル酒ではなくビールと思って飲んでしまう人もいるのではないか。

 無論、麦芽とホップだけで造った本物のビールの方が間違いなく美味い。同じサッポロのヱビスには全くかなわないし、味わってじっくり飲むには物足りなさがある。
 ただその分だけ、軽くスイスイ飲めるとも言える。
 じっくり味わって飲むなら二百円以上の本物のビールだが、皆と談笑しながら、食事をしながら、あるいは暑い時に喉の渇きを癒す為に気軽に飲むならこれで充分だ。

 個人的には金麦より美味いと思う。
 しかしこの麦とホップ・ザ・ゴールドには、決して不快ではないがそれなりの苦みがある。
 だからビールの苦みが苦手な人や、より軽いものをゴクゴク飲みたい人には金麦の方が向いていると思う。

サッポロ麦とホッププラチナP1100025

 麦とホップには、ザ・ゴールドの他にプラチナクリアがある。
 で、麦とホップ・プラチナクリアだが、「新・爽快系」と名乗っている通り、喉越し最優先で軽く飲みやすい。そしてその分、コクや旨味も少ない。
 もちろん、薄い分だけ嫌味も無いが。
 同じ麦とホップでも、ザ・ゴールドよりかなり物足りない印象。
 ザ・ゴールドや後述するキリンの澄みきりのような、ホップによる後味の良さも残らない。

 これはとにかくキンキンに冷やして、暑い時に喉越しで一気に飲むものだ。
 ただ苦みもザ・ゴールドよりかなり少ないし、他の一部の製品で感じる副原料の嫌味もないので、「ビールは苦いしまずい」と敬遠している人達には向いていると思う。
 ズバリ、旨味も嫌味も無い炭酸飲料という感じ。

サッポロ麦とホップ黒P1090937

 麦とホップ黒は、缶ジュースや缶コーヒーと同じかそれ以下という値段を考えさえすれば、なかなかそれらしく出来ていると思う。
 本物のスタウト系のビールと比べたら全く物足りないが、本物の半額程度という価格を考えれば、それらい香ばしい味を出せていると思う。
 しかし所詮は発泡酒をスピリッツで割ったものだから、とにかく軽くスッキリしていて、本物の黒ビールのようにじっくり味わって飲めるものではない。
 やはりこれも、喉越しでゴクゴク飲むべきものだ。

 黒ビールを飲んだ事の無い人が、その気分を味わう為に飲むには充分な品質だ。
 しかし本物の黒ビールの味を知っている物には、何とも悲しくなってしまうような飲み物だ。

サッポロホワイトベルグP1090933

 サッポロは新ジャンル酒に黒ビール風のものだけでなく、ベルギーのホワイトビール風のものまで出している。ザ・ゴールドにプラチナクリアと黒、それにこのホワイトベルグと、サッポロは新ジャンル酒の開発にかなり意欲的だ。
 で、このホワイトベルグはベルギー産の麦芽に加えてコリアンダーシードやオレンジピールも使っていて、値段の割にはかなりそれらしく出来ている。
 ただ麦とホップ黒と同様に、やはり本物より薄味に感じられる。

 喉が渇いている時の、最初の一本としては悪くないのだが。
 ただ喉の渇きが癒えた後で「もう一本飲もう!」とまでは、どうも思えない。
 本物のベルギーのホワイトビールと似ているようで、じっくり味わってしまうとやはりかなり違う。

 また、本物のホワイトビールはキンキンに冷やすのではなく、ややぬるくなった時の方が味も香りも立ってくるのだが、このホワイトベルグは逆。
 ホワイトベルグも麦とホップ黒も、本物のホワイトビールや黒ビールと違って、ぬるくなるとまずく感じる。
 ホワイトビールや黒ビールを気取っても、ホワイトベルグや麦とホップ黒は所詮ゆっくり味わって飲むものではなく、「暑い時に喉の渇きを癒す為の一本」として、キンキンに冷やしてゴクゴク飲むものという事らしい。

アサヒプライムリッチP1100038

 アサヒプライムリッチは「最高級のコク 最高級の香り」と謳っているが、それはハッキリ言って詐欺である。
 香りを感じられるように、わざわざチューリップ型のグラスに注いだのだが、香りなど殆ど感じなかった。
 最初は新ジャンルらしく薄く軽く感じて飲みやすかった。しかし飲むにつれ、スーパードライに似た金属的な嫌な味が強くなってくる。
 さすがはアサヒの製品だけあって、スーパードライを軽くしたような味わい。麦芽とホップの他に、副原料として大麦だけでなくコーンとスターチも使っている。

 個人的な感想だが、麦とホップや金麦などよりずっと不味い。そして口の中に残る後味も爽やかでない。
 だが、日本に多い副原料入りのビールを味わう事なく喉越しで飲む人達の好みには合うかも。
 ただ断言するが、ビールを味わって飲む人達には絶対に向かない。
 深い旨味やコクも、スッキリした爽やかさも無く、ただ変に苦いだけ。典型的な日本の昔からの副原料入りの喉越し系ビールに似た味で、筆者には350ml入りの缶を一本飲み切るのが辛かった。

キリン濃い味P1100037

 キリン濃い味デラックスもまた、「ブランドと商品名に騙された」という感じだった。
 グラスに注ぐとビールらしい香りがほのかに漂い、最初のうちは飲みやすかった。
 しかし苦みはあるものの深みとコクに欠け、ゴクゴク一気に飲むならまだ良いが、味わって飲むと変な苦みと渋みが気になる。後味も苦く渋くて感心しない。モルトの甘みもホップの香味も無く、変な苦さとエグみが口の中に残る。

 ちなみにこのキリン濃い味デラックスは、麦芽とホップの他に、大麦とコーンにスターチ、それに糖類と副原料がたっぷり入れられている。
 個人的には、心の底から嫌いだ。同じ不味くても、アサヒのプライムリッチは我慢すれば一缶全部飲み切れたが、これは無理。キリン濃い味デラックスは、飲むのが辛くて一缶の半分以上を残して捨ててしまった。
 しかし昔から日本の大手メーカーの副原料入りのビールを美味しく飲めている人達は、このキリン濃い味デラックスも美味しく飲めるのだろう。

キリン澄みきりP1100030

 このキリン濃い味デラックスのあまりの不味さに辟易しながら、同じキリン澄みきりも戦々恐々飲んでみた。
 ……驚いた。
 濃い味デラックスとは全く別物で、これが意外に美味いのだ。

 香りはほのかで、軽い味わいなのだが飲みやすい。苦みも程良いくらいで雑味も嫌味も無く、スイスイ飲める。
 麦100%を謳う通り、副原料は大麦だけで、スピリッツにも大麦を使っている。
 そのせいか、本当に澄んだ清々しい味わいだ。

 ただとても軽く、本物のビールと比べたらコクも深みも香りも全く物足りないが、値段を考えたら充分な品質と言える。
 暑い時に、また食事をしながらゴクゴク飲みたい。
 じっくり味わうには物足りないが、最初の一本として飲むには充分。
 金麦にも似た味わいだが、金麦で僅かに感じた金属的な味が無い分だけ、キリンの澄みきりの方が少しだが上か。

 こうして8本飲んでみたまとめだが、同じ新ジャンル酒でも味わいはかなり違う。
 個人的には、麦とホップ・ザ・ゴールドが最もビールに近く、かつ嫌味も無くて良い味だと思ったが。
 ビールは苦いから苦手という人にも勧められるのが、キリン澄みきり、金麦リッチモルト、麦とホップ・プラチナクリアだ。
 そして昔からの日本のビールを好んで飲んでいる人達には、アサヒのプライムリッチやキリン濃い味デラックスが合うだろう。
 麦とホップ黒とホワイトベルグは、本物にはかなり及ばないが、黒ビールやホワイトビールの気分を味わうには良いだろう。

 新ジャンル酒はバラで買っても自販機の缶ジュースか缶コーヒーと同じ値段で、量販店で24缶まとめて買えば税込でも1缶百円ちょっとだ。
 味や品質は麦芽とホップだけで造られた本物のビールとは格段の差はあるが、暑い時にゴクゴク飲むには充分過ぎるほどだと思う。
 また、味が薄めで軽い為、和食を食べながら飲むにも良いだろう。

 筆者はヱビスザ・プレミアムモルツ・香るエールよなよなエール水曜日のネコ、それにギネス・エクストラ・スタウトなどの、喉越しに流し込むのではなくじっくり味わって飲むタイプのビールを心から愛するが。
 暑く喉が渇いている時に、缶ジュースや缶コーヒーと同じかそれ以下の値段で飲める新ジャンル酒の存在は、とても有り難い事だと思う。

 それにしても、日本はビールが高い。
 そしてそれは決してメーカーの責任ではない。
 日本では、基本的にビールの税金が高いのだ。
 アルコール度数が低いビールに、日本の政府は不当に高い税金をかけている。
 そのせいで、庶民が美味しいビールを気軽に楽しめなくなってしまっている。
 それについての不満は、またいずれ機会を見て稿を改めて書こう。

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