空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

オリオン生といちばん桜

 ほぼ沖縄でしか売られていないオリオンビールだが、アサヒビールは毎年春になると、そのオリオンビール製で麦芽100%のいちばん桜という季節限定のビールを出してくれる。
 この沖縄のオリオンビールのいちばん桜だが、麦芽とホップだけのビールにありがちな重さが無く、スイスイ飲める上に香り高くコクもあってとても美味いのだ。
 だから筆者は、毎年春にこのいちばん桜を飲むのを楽しみにしている。

オリオンいちばん桜P1100143

 で、その春に数本まとめ買いしたうち、一本だけ飲まずに大切にとっておいたものを、賞味期限の9月になってしまう前に改めて飲んでみた。
 プルタブを開けグラスに注ぐと、フルーティーで華やかな香りが広がる。
 エビスのような重さが無く軽く飲めるが、同時に深い味わいもある。麦芽100%だけに麦の甘味もあり、そのせいかホップの苦みも程良いくらいに感じる。
 だから「ビールは苦いから好きじゃない」という人にも、自信を持って勧められる。

 重くなく、苦すぎず、香り高くてコクもあり味わい深い。
 味わって飲んで心から「美味しい!」と思う。
 ただ暑さをしのぎ喉の渇きを癒す為にゴクゴク一気飲みしてしまっては勿体ない、本当に良いビールだ。
 筆者は春が来てこのオリオンビールのいちばん桜を飲むのを、心から楽しみにしている。

 そんな筆者だが、最近ある店でオリオンビールを売っているのを見つけた。
 いちばん桜が好評なので、アサヒビールが「オリオンビールをもっと売ってやろう」と考えたのだろうか。
 ただこちらのオリオン生は、いちばん桜と違って麦芽100%ではなく、コーンやスターチといった糖質副原料も使用している。

オリオン沖縄P1100121

 そのオリオン生だが、プルタブを開けグラスに注いでも、いちばん桜のようなフルーティーな香りは殆ど立たない。
 軽くとても飲みやすい。
 コーンやスターチを使ったビールには、何となく金属的なイヤな味を感じる事があるが、このオリオン生にはそうしたイヤミが全く無く、スイスイ飲める。

 しかし同時に、いちばん桜にあった深みやコクが感じられない。
 いちばん桜に比べると明らかに痩せた味わいで、コクや甘味が無い分だけホップの苦みだけが際立つ印象だ。
 だから「ビールは苦いから好きじゃない」という人には勧められない。
 そして香りやコクや深みにも乏しいので、「香り高いビールを、味わってゆっくり飲みたい」という人にも勧められない。
 ただ軽やかで味にも嫌みが全く無いから、喉越しでゴクゴク飲みたい方や、和食と一緒に飲みたい方には最適のビールではないかと思う。
 良いビールなのは認めるが、個人的には筆者の好きな種類のビールではない。

 同じオリオンビールを飲んでみて、麦芽100%のいちばん桜は大好きで楽しみに飲んでいるが、副原料入りのオリオンビールは二度と飲みたいとは思わなかった。
 同じ会社のビールを飲んで、これほど印象が違うとは驚きだった。

 ところで暑い今、日本ではビールの消費が伸びていると思うが。
 ビールの飲み方は、暑い国とそうでない国とで違ってくる。
 例えばドイツでは、夏でも長袖の服を当たり前に着ている。そのように蒸し暑くない国では、ビールも喉越しでゴクゴク飲んだりせず、ゆっくり時間をかけて味わう人が多い。
 しかし日本を含めて蒸し暑い国では、ビールはキンキンに冷やし、暑さと喉の渇きを癒す為にゴクゴク、プハーッと飲むのを気持ち良いと感じる人が多い。
 だからビールの好みは、その国の気候によって異なってくる。

 で、日本を含めた暑い国では、本来は麦芽とホップだけで造るビールに、米やコーンやスターチなどの糖質副原料を混ぜる事が多い。
 そしてその副原料を混ぜると、香りやコクが薄く少なくなるのだが、それを「軽くスッキリしたものになる」と感じる人達もいる。

 麦芽とホップだけで造るビールは、前記の糖質副原料を入れたビールより間違いなく味も濃く香りも高い。
 だから日本を含めた蒸し暑い国で、暑さと喉の渇きを癒す為に喉越しでゴクゴク飲んだ場合、「重い」と感じる人達もいる。
 そしてそうした人達は、香り高くコクもある麦芽とホップだけで造られた本来のビールより、副原料入りの軽いビールの方を好ましく思う。
 さらに食事との相性でも、あっさりした和食には香りも控えめでスッキリ薄味の副原料入りビールの方が合うらしい。
 それで日本では、ビールと言えば糖質副原料入りのものが多く売られていて、そして多くのビール好きにも受け入れられている。

 ただ筆者は、どんな酒もゆっくり味わって飲みたいのだ。
 だから香りも立たずコクが無くただホップの苦みが際立つ糖質副原料入りのビールは、どうしても好きになれない。
 それでオリオンビールについても、麦芽100%のいちばん桜と副原料入りのオリオン生とで、印象がとても違ってしまったのだろう。

 蒸し暑い夏には、ビールをキンキンに冷やして喉越しでゴクゴク飲みたいのも認める。
 しかし最初の一杯はともかく、それ以後も喉越しで一気に飲みたいだろうか。
 涼しいか寒いくらいの秋から春までの約半年間も、ビールはキンキンに冷やして喉越しで飲まなければ美味しくないだろうか。
 二杯め以降や涼しい(寒い)季節には、香り高い濃いめのビールをゆっくり味わいながら飲んでみたいとは思わないだろうか。

 日本の大メーカーのビールの多くが、副原料入りの喉越し重視の軽い香りの弱いビールを主に造っていて、日本の消費者もその種のビールを好む人が多いのが寂しい。
 ゆっくり味わって飲めるビールの存在を、日本の人にももっと知って欲しいし、メーカーにも力を入れて造ってほしいと願う。

 ビールは、決して暑い時にだけ飲む酒では無いのだ。
 日本人はビールと言うと「キンキンに冷やしてゴクゴク飲むもの」と信じている人が多いが、それでは暑い時期にしか美味しく飲めない。
 あまり冷やし込まずに10~13℃程度で、冷蔵庫から出して10~15分くらい経ったくらいでちょうど飲み頃になる香り高く味わい深いビールの存在を、もっと多くの人に知って貰いたいと願う。

 その種の味が濃く香りが高くて美味しいビールは、日本では主に地ビールのメーカーが出しているが。
 その点、大メーカーであるサントリーザ・プレミアム・モルツ・香るエールを出した事は、とても良い事だと思う。
 他の大メーカーも負けずに、キンキンに冷やして喉越しで飲むタイプ以外の、ゆっくり味わって美味しく飲めるものも出してほしいと願う。

 キンキンに冷やし込むのではなく、喉越しでグイグイ飲むのでもなく。
 ゆっくり味わって飲める香り高くコクのあるビールがもっと増えれば、日本人も寒い時期にだって喜んでビールを飲むだろうし、そうすれば日本のビールの消費ももっと増えるのではないだろうか。

 真夏は副原料入りの軽いビールを、キンキンに冷やして喉越しで飲むのも良いだろう。
 しかし季節に応じてビールの飲み方を変えれば、ビールをもっと楽しむ事ができる筈だ。

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