空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

これは美味しい、Hello!ヴァイツェン

 筆者は先週、「キンキンに冷やして喉越しで飲むビールだけでなく、ゆっくり味わって飲める香り高くコクのあるビールも増えれば、夏の暑い時期だけでなく寒い時にも通年ビールを楽しめるのではないか」というような事を書いた。
 その直後に、日本に多いキンキンに冷やして喉越しで飲むタイプとは正反対の、ゆっくりじっくり味わって飲むべき美味しいビールに出会ってしまった。

 Hello!ヴァイツェンという名で、缶の正面にはCraft Labelと書いてあるものの、メーカー名は見当たらない。
 そして缶のサイドの原材料等を記す所にやっと「販売者:ジャパンプレミアムブリュー株式会社」とあり、その下に更に目立たない細い字で「製造者:サッポロビール株式会社」と書いてある。

ヴァイツェンP1090912

 プルタブを開けグラスに注ぐと、いかにもヴァイツェン・ビールらしい、甘くフルーティーな香りが広がる。
 味わいは軽やかで、口に含むとまず甘味を感じ、そして心地良い酸味も感じる。そして苦味は少し遅れて控えめにやって来るという印象だ。

 飲んでイヤミというものを全く感じない。大麦麦芽と小麦麦芽とホップだけで造っているせいか、米やコーンやスターチといった副原料を入れたビールにありがちな金属的な味がまるで無い。
 同じサッポロビールの、同じように麦芽とホップだけで造っているエビスよりずっと軽やかで爽やかな味わいだ。
 しかし「軽やか」と言っても決して薄味ではなく、重さをまるで感じないのに味に深みと奥行きをしっかり感じる。

 ビールなのに、初めに感じる味わいは甘味だ。
 が、飲み進めて行くうちに次第にホップの苦味もしっかり感じるようになってくる。
 と言っても「軽やかで心地良い苦味」の範囲内で、決して苦すぎる事は無い。

 このHello!ヴァイツェン、「ビールは苦いから」と敬遠している人達、特に女性にお勧めしたい。
 苦すぎずフルーティーで甘さもあり、日本のビールの大半を占めるキンキンに冷やして喉越しで飲む苦いビールしか知らずにいた人は、「こんなビールがあったのか!」と驚くと思う。

 筆者はこのサッポロビール製造のHello!ヴァイツェンを、サントリーのザ・プレミアム・モルツ・香るエール、それにヤッホーブルーイングの水曜日のネコと飲み比べてみた。

 まずプレモルの香るエールとの比較だが、Hello!ヴァイツェンの方が間違いなく香りが豊かで華やかだ。そしてより麦の甘味が感じられる。
 逆にプレモルの香るエールは僅かに甘味もあるものの、味の主体はキツ過ぎない苦味だ。そして味もどっしりしているように感じる。

 水曜日のネコはベルジャン・ホワイトエールらしくフルーティーで爽やかで軽やかで、Hello!ヴァイツェンに近いものも感じる。
 ただ水曜日のネコは、原材料にオレンジピールとコリアンダーシードが含まれている。そのほのかなハーブ感を好めるかどうかは、個人の好みの問題になってくるだろう。
 筆者自身は、フルーティーで爽やかで軽やかな、僅かなハーブの香りが漂う水曜日のネコは好きだ。しかし「こんなのビールじゃねえよ」と言う人も間違いなくいるだろうと思う。

 Hello!ヴァイツェンも水曜日のネコもプレモル香るエールも、どれもフルーティーで爽やかなのは間違いない。
 しかしフルーティーさでは、プレモル香るエールが最も控えめに思える。
 だがこの三つの中で最もビールらしい味わいなのはプレモル香るエールだ。
 イヤミは全く無くフルーティーで、苦味もしっかりありつつ適度で、苦すぎるという事も無い。味と香りのバランスがとても良く取れていて、本来のビール好きから「ビールは苦いからあまり好きじゃない」と言う人まで含めて、プレモル香るエールを飲んで不味いと思う人はまずいないのではないかと思う。

 その点、水曜日のネコのハーブ感を好きになれない人もいるだろうし、Hello!ヴァイツェンについては「苦くなく甘さが先に立つビールなんて!」と不満に思う人もいるだろう。
 要するにHello!ヴァイツェンと水曜日のネコは、好き嫌いのはっきり分かれるビールなのだ。
 好きな人は「大好き!」と言うだろうが、「こんなの、邪道なビールだ!」と言う人もいるだろう。

 そういう点で、プレモル香るエールはとても良く出来たビールだと思う。
 しかし筆者はHello!ヴァイツェンも水曜日のネコも大好きだし、こういう個性の強い、飲み手を選ぶビールがあっても良いと思う。
 少なくとも筆者は、プレモル香るエールよりHello!ヴァイツェンの方が好きなくらいだ。

 この筆者も大いに気に入ったHello!ヴァイツェンだが、飲む時にはキンキンに冷やし込まないように、そして喉越しでゴクゴク飲まないように気をつけていただきたい。
 ビールだけでなく他の酒もジュースも、冷やすほど香りと甘味を感じにくくなり、逆に苦味と渋味が際立ってくる
 だからHello!ヴァイツェンをキンキンに冷やすと、ただちょっと苦いだけの、香りも甘味も無いつまらないビールになってしまう。
 Hello!ヴァイツェンだけでなくプレモル香るエールも、キンキンに冷やし込んだら“香らないエール”になってしまうのだ
 水曜日のネコも冷やし込んだら、フルーティーさが薄れハーブ感も無くなってしまう。

 Hello!ヴァイツェンの缶の裏面に、こう書いてある。

 一口飲んでホッとして、
 二口飲んで思わずニコリ。


「喉越しでゴクゴク飲んで下さい」とは、どこにも書いてない。
 このHello!ヴァイツェンは間違いなく、ゆっくり味わって飲むべきビールなのだ。
 水曜日のネコやプレモル香るエールもまた、喉越しで飲むのではなく、ゆっくりじっくり飲むべきビールだと考える。
 キンキンに冷やして喉越しで飲みたい方は、米やコーンやスターチなどの副原料入れたピルスナータイプの物を選ぶべきだ。

 ビールにはキンキンに冷やして喉越しで飲むものと、あまり冷やし込まずにゆっくり味わって飲むものがある。
 なのに日本人の多くが、特にビール好きを自認する人達の多くが「ビールはキンキンに冷やして、喉越しと泡立ち勝負で飲むもの」と盲信しているのが悲しい。

 最初の一杯目ならともかく、続けて何杯も喉越しで「ゴクゴク、プハーッ!」と飲めるものだろうか。
 暑い時期に、暑さと喉の渇きを癒す為にキンキンに冷えたビールを喉越しで飲みたい気持ちもわかるが。
 だが最初の一杯を飲めば、暑さも喉の渇きもかなり癒えるのではないだろうか。
 最初の一杯はキンキンに冷やしたものを喉越しで飲んで、しかし二杯目以降はゆっくり味わって飲むべきビールに切り替えるとか。
 夏場はピルスナータイプのビールをキンキンに冷やして喉越しで飲んで、しかし涼しくなってきたらエールビールをゆっくり味わって飲むとか。
 そうした飲み分けが出来るようになったら、日本のビールも種類がもっと豊富になり、ビールの消費自体も増えるのではないだろうか。

 夏は確かにキンキンに冷やしたビールも美味しいけれど。
 涼しくなってから、キンキンにでなく「ひんやりとした」程度に冷やした香り高く味わい深いビールをゆっくりじっくり飲むのも、また別な味わいがあって良いものだ。
 キンキンでなく「ひんやりとした」程度とは、冷蔵庫から出して10分ほど経った頃と覚えていただきたい。
 Hello!ヴァイツェンだけでなく水曜日のネコやプレモル香るエールも、冷蔵庫から出したらすぐ飲みたい気持ちを堪えて、10分ほど待ってからグラスに注ぐと、豊かな香りと深い味わいが心行くまで楽しめマス。

 ビールはキンキンに冷やすべきというのは、ピルスナータイプの話だ。
 エール系のビールやスタウト系のビールが最も美味しく飲める適温は、10~13℃なのだ。冷蔵庫から出してすぐゴクゴク飲んでしまうと、本来の味の深みと香りが損なわれて「値段が高いだけの平凡なビール」としか感じられなくなってしまう。
 それは実に勿体ない話ではないか。
 だから上面発酵のビールの味と香りを楽しみたければ、冷蔵庫から出してもすぐには飲まず、少しだけ待っていただきたい。

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