空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

スーパードライを飲んで考えた

 アサヒスーパードライを、筆者はずっと「不味いビールの代表格だ」と思ってきたし、このブログでも嫌いだと何度も書いてきた。
 しかし日本人のビール好きには、そのスーパードライを好む人がとても多い。
 日本人だけではない。2015年のブリュッセルビアチャレンジでも、スーパードライは金賞を獲得している。
 つまりスーパードライは、日本だけでなく世界でも評価されているという事だ。

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 で、筆者は頭を抱え込んでしまった。
 スーパードライを不味いと思う、筆者の味覚が狂っているのだろうか……と。

 それで思い切って、不味い不味いと思って避けてきたスーパードライをもう一度買い、本当に不味いのかどうか改めて試してみることにした。
 そしてその際には、家の冷蔵庫で最も冷えやすい場所に置いてよく冷やし、意識して喉越しでゴクゴク飲んでみた。

 よく冷やして喉越しで……って、日本のビール好きには「何を当たり前の事を言うのだ」と呆れられるだろうが。
 筆者は酒は何でもゆっくり、じっくり味わいたい人間で、ゴクゴク一気に飲むのは好まないのだ。
 だからビールも、エールビールやスタウトビールを11~13℃程度に、日本のビール好きにはややぬるく感じるくらいに冷やして、味と香りを楽しみながらゆっくり飲むのを愛している。
 だがスーパードライを好む人達は、ビールはキンキンに冷やして喉越しで飲むものだと堅く信じているように見える。
 で、筆者は思ったのだ。「スーパードライを、キンキンに冷やして喉越しで飲んでやろうじゃないか」と。

 そのよく冷やしたスーパードライのプルタブを開けると、香りは弱い。しかし香りそのものは爽やかで、存外に悪くない。
 開けたスーパードライをグラスに注ぎ、泡がフタ状になっているうちに、喉の奥に流し込むようにして出来るだけ一気に飲んでみる。
 正直に言って、意外なくらいに美味かった。
 爽やかで軽やかで、苦味も程良く心地良い。「ビールは苦いから」と敬遠している人でも、充分飲めるのではないかと思った。
 名前はスーパードライで、缶の上部にも“KARAKUTI”と書いてあるが、確かに甘味は無いものの、筆者は別に辛いとは感じなかった。

 が、一気に飲み切れずにグラスに残したものを、少しぬるくなってから少しずつ飲むと、一転して不味くなる。よく冷えていた時の爽やかさが嘘のように消え、代わりに金属的な味と酸味が出てきて、どうにも美味しくないものになってしまう。
 そしてこのぬるくなり泡のフタが消えたものを喉越しで一気に飲んでもやはり不味くて、嫌な味だけが口の中に残る。

 思うにこのスーパードライは、キンキンに冷やし泡がフタ状になっているうちに喉越しで一気に飲むよう特化したビールなのではないだろうか。
 日本などのように蒸し暑い国で、暑い時期に、その条件で飲むととても美味い。
 しかしキンキンに冷えているうちに喉越しで一気に飲まず、少しでもぬるくしてしまったり、舌でゆっくり味わって飲もうとしたりすると、途端に不味くなる。

 それがスーパードライが一部のビール好きに、「一杯目には美味いのだが、二杯、三杯と飲み進めて行くうちに不味くなる」と言われる所以だ。
 暑い時に、或いは喉の渇いている時に、よく冷やして喉越しで飲むととても美味い。
 しかし暑さが引き喉の渇きも癒え、お腹もビールと食事で満ちてから、ゆっくり、じっくり飲むと妙に不味くなる。
 スーパードライとは、そういうビールだ。

 日本のビール好きには、「キンキンに冷やして、ゴクゴク、プハーッ!」というのがビールの味わい方だと信じている人が多いから、特に取り立てて飲み方についての注意書きは必要ないのかも知れないが。
 しかし暑さが引き喉の渇きも癒え、喉越しで一気に飲めなくなると味が落ちるビールだという事も、一応知っておいた方が良いのではないだろうか。

 逆に、エールビールやスタウトビールなどは、キンキンに冷やして喉越しで一気に飲んでしまうと、その美味さがわかりにくい。11~13℃くらいのひんやりとする程度で、ゆっくり、じっくり味と香りを楽しんで飲むべきビールなのだ。
 だからまず一杯目にはよく冷やしたスーパードライを喉越しで飲み、暑さが引き喉の渇きが癒えたらザ・プレミアム・モルツ・香るエールよなよなエール、或いはギネス・エクストラスタウトなどを、ゆっくり、じっくり飲むようにすれば、ビールをもっと深く楽しめるのではないだろうか。

 それにしても、キンキンに冷やして喉越しで飲んでこそ美味しいビールもあれば、冷やし過ぎずにゆっくりじっくり飲んで美味しいビールもあるのだから、ビールの世界もなかなか奥深い。
 で、筆者が不満なのは、その最も美味しく味わえる飲み方を書いてあるビールが少ない事だ。

 例えば近年の日本酒などは、冷やと常温とぬる燗と熱燗とどれが良いか、飲み方をラベルに書いてあったりする。
 しかしよなよなエールなど一部のものを別として、ビールにはよく冷やして喉越しで飲むべきか、程々に冷やして味と香りをゆっくり楽しんで飲むべきかを書いてあるものがとても少ない。
 そして日本人は「ビールはキンキンに冷やして、喉越しでゴクゴク、プハーッとやるもの」と信じている人が大多数だから、あまり冷やしすぎずにじっくり味わって飲むべきエールビールやスタウトビールまで、キンキンに冷やして喉越しで飲んでしまう。
 逆に少数だが筆者のように酒をゴクゴク飲むのが苦手な者は、スーパードライを少しずつゆっくり飲んだあげくにぬるくして、「何と不味いビールだろう」と誤解してしまったりもする。

 ワインなどは、赤と白とで合わせる料理だけでなく冷やす温度まで変えるのが常識になっているが。
 しかしビールとなると、何故かふさわしい温度や美味しい飲み方を教えられる事が無く、何でも一緒くたにされているように感じる。
 ビールにもそれぞれ飲むのに適した温度や味わい方がある事を消費者に周知させるのもメーカーの義務と思うが、どうだろうか。

 ところで、大嫌いだったスーパードライも「キンキンに冷やして、喉越しで一気に飲めば美味い」という事を、ようやく知った筆者だが。
 どうせ喉越しで一気に飲んでしまうなら、新ジャンル酒でも良いのではないかという疑問が、スーパードライを飲んでふと湧いた。
 スーパードライは350ml入りの缶で二百円前後するが、新ジャンル酒なら百円くらいで買える。
 この差は、かなり大きい。

 で、新ジャンル酒の中で個人的に筆者が一番良く出来ていると思うサッポロの麦とホップと飲み比べてみた。
 うむ、やはりビールはビールで、新ジャンル酒は新ジャンル酒だった。
 スッキリしていて飲みやすい所は同じなのだが、泡の質や喉越しなど、細かい点がかなり違う。そして新ジャンル酒には、加えられているスピリッツによる何とも言えないアルコールの刺激がある。
 スーパードライと新ジャンル酒を比較するのは、スーパードライに失礼だった。

 それにしても、日本のビールは高すぎる。
 新ジャン酒が百円くらいで買えるのに、スーパードライを含めて日本ではビールが350mlで二百円前後かそれ以上する。
 実はこれは、ビールそのものではなく税が高いのだ。
 一缶あたり、発泡酒は47円で新ジャンル酒は28円なのに、ビールには77円もの税金がかけられているのだ。

 ビールに対する日本の課税は、アルコール度数を考えると異様に高い。
 1キロリットル当たりで、ワイン等の果実酒は80000円、日本酒は120000円、焼酎(25度)は250000円でウイスキー・ブランデー・スピリッツ(40度)は400000円となっている。
 それに対しビールは、222000円も課税されているのである。
 アルコール度数僅か5%前後のビールの税が、ワインや日本酒の倍近くかそれ以上で、焼酎とも大して変わらず、ウイスキーの半分以上もかけられているのだ。

 もし酒に課税するのなら、税額もアルコール度数に比例させるのがフェアではないだろうか。何故なら、度数の強いお酒は少量で酔えるのだから。
 しかし日本の酒税は、ビールが突出して高い。
 それはまさに、「取りやすい所から取る」という、日本の財務省のあくどい体質の象徴だろう。
 日本では宴会と言えば「まずはビール」というケースが多いから、それを狙ったのだろう。

 だからその不当に高いビールの税金を逃れる為に、発泡酒や新ジャンル酒といった“まがいものビール”が売られるようになった。
 値段を考えれば、新ジャンル酒もよく努力してビールに似た味を作り出しているとは思う。
 しかしそれでも、飲み比べてみれば新ジャンル酒は本物のビールに全くかなわない。
 そして日本の酒税がビールに対して公平公正であったなら、発泡酒や新ジャンル酒などは売られる事が無く、皆が安い値段で本物のビールを飲むことができていただろうと思うと、本物のビールを庶民の手から遠くした財務省が憎くてならない。

 財務省と言えば、ビールメーカーが新ジャンル酒を売り、消費者がそれを買うのを税逃れと見たようで、5~7年のうちにビールと発泡酒と新ジャンル酒の税を、一缶55円に統一しようと考えているらしい。
 それが実行されれば本物のビールは20円ほど安くなるが、発泡酒と新ジャンル酒は逆に高くなる。
 なるほど、「取る税の総額は下げずに、高い方に合わせる」というわけですな。

 筆者はビールも好きだが、それ以上に純米吟醸系の日本酒が好きで、最も好きなのはウイスキーだ。
 その筆者でも、今の日本の酒税はおかしいし、ビールに対する税が不当に高すぎると思っている。
 酒税を取るなら、皆が飲んでいる「取りやすいものから」ではなく、アルコール度数に応じて取るのが公平というものだろう。
 ドイツなどでは、ビールが一杯百円かそれ以下くらいで飲めるという。
 日本でも不公平な今の酒税を改めて、皆が美味しいビールを安く飲めるようにすべきではないかと考える。

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コメント


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コンテストもピンキリですよ。

コンテストもピンキリですよ。

そして決める基準も それぞれです。

パーティにガンガン飲める
ビール探しコンテストなら
エビスビールは予選落ち。

そういうことに、なりますよね?

個人的なコメントを貴兄に言うなら
「こんなこと位でガタつくな。」
と いうところでしょうか。(笑)

ogotch | URL | 2016-09-18(Sun)15:39 [編集]


日本のビールは食中酒としては秀逸な出来だと思います
国内、国外を問わずクラフトビールも好きで飲んでますが、ホップモンスター系のビールなんかは、正直なところ食事中は勘弁してくれと思う事もあります。よくビールのお手本のようにいわれるドイツのビールも、二十日大根とかをアテに延々とビールを流し込んでますね。食事の邪魔をしない、味が濃くなった口中をリセットする、そういった飲み方に対しては、日本大手ビール会社のビールは世界一だと思ってます。
スーパードライは味自体よりも、飲んだ後のイーストっぽい感じが苦手なのですが、それでも食事中にブリュードックのジャックハマー2杯とスーバードライ2杯どっち飲む?と問われたら、迷わずスーパードライです。ジャックハマー2杯飲んで食事を味わう自信がありません。
クラフトビールはクラフトビールだけで味わうのが向いてると思います。

KAZ | URL | 2016-09-20(Tue)15:52 [編集]


>よくビールのお手本のようにいわれるドイツのビールも、二十日大根とかをアテに延々とビールを流し込んでますね。

ちょっと分かり辛い表現でした。
ドイツビールも食中酒じゃなく、それ単体で飲む飲み方をされてるという意図でした。

KAZ | URL | 2016-09-21(Wed)16:48 [編集]


Re: コンテストもピンキリですよ。

> コンテストもピンキリですよ。
> そして決める基準も それぞれです。
>
> 個人的なコメントを貴兄に言うなら
> 「こんなこと位でガタつくな。」
> と いうところでしょうか。(笑)

 確かにその通りです。
 外国の賞を取ったからといって、自分の飲むスタイルを変えてまで好きになる必要はありませんよね。
 自分の意志と好みを、もっとしっかり持つ事にします。

黒沢一樹 | URL | 2016-09-22(Thu)15:10 [編集]


Re: タイトルなし

> 日本のビールは食中酒としては秀逸な出来だと思います
> クラフトビールはクラフトビールだけで味わうのが向いてると思います。

 おっしゃる通りだと思います。
 私がこれまでスーパードライ等の日本のビールを好まず、クラフト系のビールばかり好んで飲んでいたのは、私に「食事をしながら飲む」習慣が無かったからだと思います。飲み会の時は別ですが、お酒はたいてい、食後にゆっくり飲んでいるもので……。
 逆に、私が好きな味の濃く香りの強いビールは、絶対と言っては言い過ぎかも知れませんが、食事に合うとはとても合うとは思えません。
 どちらが良い悪いでなく、要は場面に応じた飲み分けでしょうね。

黒沢一樹 | URL | 2016-09-22(Thu)15:22 [編集]