空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

日米安保に対するトランプ氏ら一部米国人の無知

 アメリカ大統領選で、トランプ氏は日本や韓国やドイツに「米軍の駐留経費を全額払わせろ!」と主張している。
 トランプ氏や一部のアメリカ人は、日本などの同盟国に対し度々“安保ただ乗り”と批判している。
 果たしてそれは、真実であろうか。

米軍駐留経費EPSON004

 今年の5月30日の毎日新聞に掲載された表を見ていただきたい。
 ドイツとイタリアでは、施設設備費も従業員労務費も光熱水費もすべて駐留する米軍が負担している
 韓国は施設設備費と従業員労務費を負担してはいるものの、光熱水費くらいは米軍が払っている。
 そして米軍の駐留経費の負担割合は、ドイツとイタリアと韓国では約30~40%だ。

 では日本はどうか。
 ドイツやイタリアでは米軍が負担している施設設備費や従業員労務費はおろか、光熱水費まで日本が国民の税金で分担し、その負担割合は約75%と突出して多い
 その施設設備費や従業員労務費や光熱水費だけでなく、騒音軽減などの費用や、普天間飛行場の辺野古への移設や、海兵隊のグアム移転といった米軍再編費用まで日本政府は国民の税金から出している
 これでも一部のアメリカ人達からは「安保ただ乗り」と言われ、トランプ氏には「駐留経費は全部出せ!」と責められているのである。

 トランプ氏は「守ってやっている」という意識でいて、日本政府にも「守って貰っているのだから、仕方ない」と考えている人達がいるようだ。
 しかし駐留米軍は、日本をただ守って下さっているのだろうか。
 ベトナム戦争に沖縄などの米軍基地が拠点として活用されたように、日本の米軍基地はアメリカの世界戦略にも利用されているのだ。

 例えば沖縄の駐留米軍に、何故海兵隊が目立つか考えてみよう。
 安保法制に賛成する日本人は、「中国や北朝鮮の脅威が高まる今、アメリカに守って貰うには共に戦い血を流す覚悟を示さねばならない」と言うが。
 海兵隊は攻めかかって来る敵軍を迎え撃つ為の部隊ではなく、こちらから上陸して攻めて行く部隊なのだ。
 軍事に詳しい方によると、沖縄の駐留米軍は沖縄を守る為の部隊編成ではなく、韓国や台湾など周辺国で有事が起きた際に、そこの米国人を救い出す為の部隊なのだそうだ。

 この夏に、中国とロシアの軍艦が尖閣諸島周辺の接続水域を通過した。
 その尖閣諸島のうち大正島と久場島は、日米地位協定に基づき米海軍に射爆撃場として提供されている米軍基地である。
 しかし中国の艦船が何度近づこうが、沖縄の駐留米軍はスクランブルもせず、無視を決め込み無反応のままでいた。
 アメリカは中国とはとにかくビジネスをしたく、揉め事は極力避けたいというのが本音だ。
 それがこの、中国やロシアの軍艦が尖閣諸島の接続水域に進入した時の駐留米軍の態度にも現れている。

 中国と北朝鮮の脅威を理由に、安保法制に賛成した方々にも聞きたい。
 これでも沖縄の駐留米軍が、中国に対する抑止力になっていると言えるだろうか。
 少なくとも筆者がニュースで見る限り、駐留米軍はただ“居て”時折犯罪をおかすだけで、中国や北朝鮮から日本を守るような行動はしていない。
 沖縄国際大学の前泊博盛教授によれば、駐留米軍の“抑止力”は沖縄県民から「ユクシ(沖縄の方言で『嘘』の意味)力」と揶揄されているそうである。

 アメリカの世界戦略の為に日本(主に沖縄)の土地を治外法権の基地として提供し、大赤字財政の中からその駐留経費の約75%も負担し、安保法制で共に戦う約束までして、それでも「安保ただ乗りだ、守ってやってるのだからもっと金を出せ!」と責められるのだ。
 こんな日米安保、本当に必要なのだろうかと考えてしまうのは、筆者だけだろうか。

 アメリカのアジア戦略の為に基地を提供し、いわゆる“思いやり予算”で米軍の光熱水費まで払い、駐留経費の約75%まで負担しているにもかかわらず、駐留米軍は中国の軍艦が尖閣諸島に接近してもスクランブルすらせずに無視を決め込んでいる。
 これでも「守ってやっているのだ」と恩を着せられ、「米軍の駐留経費は全額負担しろ!」と責められる。
 そのトランプ氏が、アメリカ大統領選でヒラリー・クリントン候補と競り合っている。
 筆者はクリントン氏も好きではないが、もしもアメリカ国民がトランプ氏を大統領に選ぶような事態になったら、日米安保も見直した方が良いのではないかと思っている。

 日本の国土を基地として占拠し、自国の世界戦略の為に好き勝手に使っておきながら「守ってやっているのだから、もっとカネを出せ!」と言うアメリカ人に腹を立てない、日本の自称“愛国者”の右翼の方々の気持ちと思考が理解できない。
 真の愛国者ならば、日本国民の多額の血税で駐留しながら、日本をただ基地として利用して、いまだに占領軍気分で周辺の日本人に犯罪をおかす米軍関係者に腹を立てて当然ではないだろうか。
 米軍は「ただそこに居る」というだけで抑止力になるのだ、と主張する人もいるだろう。
 しかし毎年多額の血税が駐留費として遣われている以上、現に抑止力として働いているところ(スクランブルして中国の軍艦や軍用機を追い払うなど)を目にも見せて貰いたいものだと願うのは、無理な注文だろうか。

 米軍用地の借り上げ料や基地周辺対策費などを含めると、日本は2015年度に7250億円を駐留米軍の為に支出しているという。
 日本を中国から守るより中国とのビジネスを重視して、尖閣諸島に中国海軍が近付いてもスクランブルすらしてくれないような駐留米軍に、それだけの駐留費を血税から払うだけの価値があるだろうか。
 ただ「そこに居る」だけの米軍の駐留費に、年に7250億円は、いささか高過ぎはしまいか。
 アメリカとの同盟関係はそのままに、いっそ駐留米軍には本国(グアムなど)に引き揚げて貰い、これまで駐留米軍に支払っていたお金を自衛隊の装備の増強に充てた方がマシなのではないかと、トランプ氏の日本に対する発言を聞きながら考えてしまう今日この頃だ。

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コメント


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根本的な話として。

根本的な話として。

他国軍を笑顔で常駐させている状態で
「自分の国は自分で守る」という方が
間違いであると私は考えています。

アメリカ軍が突然、日本政府に
銃を向けたら、明日にも日本は
再占領の状態になります。

これは、事実です。

ということは占領下の軍事状態は未だに
変わってないということになります。

本当に「自立」「自衛」を言うならば
トランプ政権樹立に意図的に日本から
水面下で加担するのもアリでしょう。

なぜなら「米軍を追い出す」という
とてつもなく大きな課題について、
自分から出て行ってくれるからです。

ただ そのためには大東亜共栄圏のように
アジア地域での外交ブロックを構築し、
中国と韓国とネットワークを結んだ上で
「日本が彼らを知的占領下に置く」こと。

それが前段取りで必須となると
個人的には認識しています。

ogotch | URL | 2016-10-02(Sun)15:18 [編集]


Re: 根本的な話として。

> 他国軍を笑顔で常駐させている状態で
> 「自分の国は自分で守る」という方が
> 間違いであると私は考えています。
>
> アメリカ軍が突然、日本政府に
> 銃を向けたら、明日にも日本は
> 再占領の状態になります。

 全くその通りで、日本は今もまだアメリカの占領状態にあるでしょうね。
 特に沖縄などでは米軍は露骨に占領者としてふるまって、住民にソ連兵と変わらぬような乱暴を働いたと聞きます。

 しかし今の日本の自称“愛国者”たちは中国と北朝鮮の脅威を言い立てて、アメリカによりすり寄り、アメリカの為に自衛隊員の命まで差し出そうとしています。
 そうした日本の右の人たちの思考が、私にはまるで理解ができません。

黒沢一樹 | URL | 2016-10-05(Wed)17:06 [編集]