空と虹と恋と

 大好きな写真のこと、そしてゲームやコミックスの話から歴史&時事問題まで、思いつくまま雑多に語ってみたいと思っております。さらに筆者の度重なるイタい失恋話についても、どうぞ憫笑しつつお読み下さいまし。

毎日新聞に寄せられた二つの人生相談から、恋愛と結婚について考える

 筆者は幾度かの恋愛(と失恋)を経験した挙げ句、かなり長いこと独身のまま過ごしているが。
 そうした適齢期を過ぎても独身でいる者たちに対し、マスコミはよく「結婚しない女、結婚できない男」という言い方をする。
 そういう発言を耳にする度に、筆者はカチンと来る。

 独身でいるアラフォーなどの女性は「結婚できるのに対し、自らの意志で独り身でいる」と肯定的に見られ、それが男性だと何故「結婚したいのに、人格や容姿や収入などに何らかの欠陥があってできないでいる」というように、否定的に見られるのだろうか。
 筆者自身について言えば、別に生涯独身で通す決意をしているわけではないけれど、女性との出逢いはあっても不運にもそれが結婚にまで至ることなく、今に至ってしまっている。

 親戚などからもよく「早く結婚しなさいよ」と言われているのだが、現実問題として独り身でいて困る事が殆ど無いから、今日に至ってもまだ婚活もせずにいる。
 筆者は得意というわけではないが、とりあえず料理くらいは一通り作れる。実際、筆者が交際してきた女性の殆どは、筆者よりも料理が下手だった。
 交際してきた中で筆者よりも料理が上手かった唯一の女性は、調理師の専門学校を卒業した半ばプロの料理人だった。
 そして掃除も洗濯も、今では機械がこなしてくれるから、上手いも下手も関係が無い。
 だから独り身でも別に困らないし、と言うよりむしろ下手な相手と結婚しようものなら、楽になるどころか家事の負担が増えるだけの話になってしまう。

 何しろ今は男女平等で、家事も分担するのが当たり前の世の中になっているからね。そして筆者は、男である筆者より家事が不得手な女性を数多く見てきた。
 で、彼女らはこう言うのだ。
「家事は出来る方がやればいいでしょ」
 と言うわけで、筆者が誰か女性と親しくなると、料理や洗い物などの家事を筆者がやらねばならなくなる事が少なくなかった。

 ならば女性が同等かそれ以上にお金を稼いでくれるかと言うと、そうでもなくて、日本の女性の殆どは「稼ぐのは男の義務」と考えている。
 実際、筆者が女性と交際した時には、食事や交通費や宿泊費や入場料などのデートにかかる費用の全部を筆者が負担してきた。
 そして相手の女性もそれを当然と思っていて、「割り勘で」とか、「次には私がお金を出すね」などと言ってきた女性はまずいなかった。

 いや、筆者自身もデートで割り勘というのは、どうも興醒めだと思っている。
 レジに行ったら自然にスッと男が支払う方が、どう見てもスマートだと思ってはいるよ。
 けどね、「おカネは男が払って当然、でも男女平等で同権だから家事は出来る方(つまり男)がやればいいでしょ」という姿勢を見せられちゃうと、その子との明るく楽しい結婚生活が思い描けなくなっちゃうわけデスよ。
 お金も出して生活を支え、かつ家事の大半もこなさなきゃならなくて……って、殆どATM兼用の下男じゃん。

 で、一人暮らしの経験の無い若い女性などよりずっと家事がこなせてしまう筆者は、イケメンでもお金持ちでも無いくせにあれこれえり好みをした挙げ句に、今もまだ独り身でいるわけデスが。
 そんな筆者の気持ちを、結婚からますます遠ざけてしまう記事が、二日続けて新聞に載ったのでアリマス。
 我が家で読んでいる新聞は、一応全国紙の毎日新聞だけれど。
 その毎日新聞のこの9月25日の人生相談のコーナーに、こんな相談が掲載されたのだ。

 彼との食事がつまらないんです。私が話しかけると、ちゃんと答えてくれるのですが、それ以外は黙って食べます。私は楽しく会話したいのです。先日、あまりにも黙って食べていたので、腹が立って殴ってしまいました。どうすれば彼と楽しく食事ができますか?(20代・女性)

 ……絶句シマセンカ。
 別に無視しているわけでもなく、話しかければちゃんと返事をしているんだよ? それで殴られるって、筆者など「その彼氏、よく耐えてるじゃん」と言いたくなってしまう。
 と言うよりむしろ、「それでも別れないでそんな女と付き合い続けるって、その彼氏はドMなのでは?」って気持ちが本音だね。
 筆者なら、殴られたというだけで、間違いなく別れるけれどね。

 例の人生相談を、男女を逆にして考えてみよう。

 彼女との食事がつまらないんです。僕が話しかけると、ちゃんと答えてくれるのですが、それ以外は黙って食べます。僕は楽しく会話したいのです。先日、あまりにも黙って食べていたので、腹が立って殴ってしまいました。どうすれば彼女と楽しく食事ができますか?(20代・男性)

 もしこんな相談を寄せたとしたら、相談者は非難されて叩かれまくりになるに違いない。
「どんな理由があろうと、女性を殴るなんて酷い!」
「貴方のしている事は間違いなくDVです、一度カウンセリングを受けなさい」
「ちゃんと返事をしている彼女を殴るなど、貴方は余りにも幼稚です」

 DVってのはさ、女性だけの伝家の宝刀ってわけではなくて。
「男に殴られるのは痛いけど、女になら殴られても痛くない」なんて事は、現実にはあり得ないのだ。
 女性が男を殴ったり蹴ったりする行為だって、間違いなくDVだ。
 仮にさほど痛くなかったとしても、「暴力をふるわれた」という事で心に傷は残るよ。男だから殴り返さず我慢したにしろ、「彼女に殴られた」という事で傷つかない男がいるとしたら、それは間違いなくドMという性癖の人間だ。

 しかもその相談者の女性は20代の若さで、「腹が立って殴ってしまいました」と言うのだから、甘えて軽く可愛く叩いたわけではない事は明白だ。
 にもかかわらず日本では、「男が女性に手を上げるのは絶対にしてはいけないDVで、女が男をブン殴るのは愛情表現」みたいな、誤った認識がなされている
 今は男女平等で同権なんだからさ、女性が「思い通りにならないから」と彼氏を殴るのも立派なDVでモラハラだ。

 しかしその人生相談の回答者で劇作家のわかぎゑふ氏のコメントは、いかにも今の日本の風潮通りでお気楽だ。
「あなたは彼を愛してらっしゃるのですね。食事中に会話をしたい。なのにできない。それが高じて殴ってしまうなんて、まるでフランス映画にでも出てくるようなシチュエーションじゃないですか」
 ……殴るのも愛、ってわけデスか、日本の女優で劇作家さんの見解によれば。
 でも「殴るのも愛してるから」というのが通用するのも女性限定で、男性がソレを言うと「フザケンナ、この最低のモラハラDV野郎!」と罵倒されちゃうんだよね。

 筆者自身について言えば、この相談者の女性の彼と同じで、食事中にはあまり喋らないタイプかも知れない。
 と言うのは、まず食べている食事を味わう事に集中したいので。
 一般的に男性は女性より同時に二つの事をこなすのが苦手で、相談者の彼も「食べるか喋るか、どちらかに集中したい」というタイプなのではないかという気がする。

 それと、回答者のわかぎゑふ氏も「人間というのは、食事時の態度にかなり個人差があります。(中略)食べることに関しては育った環境や好みでかなり変わります」と触れているが、筆者は食事中に喋ることそのものは否定しないけれど、口の中にまだ食物を入れたままモゴモゴ喋る人間は大っ嫌いだ。クチャラーと似たような、食べ物を咀嚼する音と一緒に喋られるのが不快でならない。
 だから筆者はそのような人には、「ものを飲み込んでから話して下さい」とお願いする。
 そしてそれでも聞き入れてもらえずに、相変わらず口の中にものを入れたまま話しかけられた場合には、無視して答えないようにしている。

 子供っぽい、と思われるかも知れない。
 だが「口の中にものを入れたまま喋らない」というのは、欧米でも常識のテーブルマナーだ。
 それを知らず、「食事は喋りながら楽しく食べるもの」と信じ込み、口の中にものを入れたままクチャクチャ喋るのは下層階級の人間のみだ。

 だから筆者は、テレビのコメンテーターが口の中にまだものがある状態でモゴモゴと味の感想を言うのが非常に気になっていて不快である。
 アレはテレビの放送時間の関係と、間を空けて視聴者にチャンネルを変えられないように急いでコメントする必要に迫られてしている事であって、「口の中にものを入れたまま喋るのは、下品でマナー違反なのだ」という事実を、ぜひご理解願いたい。

 欧米では楽しく会話しながら食事をしているからと、そしてテレビのコメンテーターもそうしているからと、口の中にものを入れながら喋るのは、本当にやめてほしいと思っている。
 欧米の中上流家庭では、口の中にものを入れたまま喋ると、その家庭の母親に「食べながら喋るなんて、忙しいこと」と窘められるという。

 思うに相談者の彼は、食事は話すよりまず味わいたいのと、それと口の中に食べ物がある状態で喋るのに抵抗があるのではないかと思う。だから話しかけられれば、飲み込んでから答える……と。
 で、相談者の女性は、口の中にまだ食べ物が入っていようが関係なく、喋りたい瞬間に喋らなければ気が済まないタイプの人で、「口の中にものを入れたまま喋らない、喋りたければ飲み込んでから」と教えられた事もないのだろうという気がする。
 そして「腹が立ったから彼を殴ってしまった」とか、決して育ちが良いようにも思えないし、筆者が回答者なら「別れなさい」と答えてしまうかな、その相談者の彼の為に。

 そしてその翌日の9月26日には、続いてこんな人生相談が寄せられていた。

 主人が内緒でアイドルグループのファンクラブに入っていることが分かりました。気持ち悪い存在になってしまい、視界に入ってくるだけで吐き気がします。子供が3人いるので離婚はしたくないですが、生理的に受け付けなくても我慢するしかないのでしょうか?(40代・女性)

 この日の回答者は作家の高橋源一郎氏で、高橋氏の実の母親が森進一の熱狂的なファンで、ファンクラブにも入っていたことを書いた上で、相談者の女性をこう優しく諭していた。
「いいじゃないですか、アイドルのファンになったって。しょせん、幻なんだから。ご主人も寂しいのかもしれません。察してあげてください。現実の人間に夢中になるよりずっとましですよ」

 相談者の女性が40代とすると、夫も同じ40代か、もしかすると50代といったところか。で、AKBとかももクロとかのファンクラブに入っていたら、確かにちょいと呆れられてしまうかも知れない。
 でもさー、「母娘揃ってジャニーズのファン」とか、いい年をしたオバハンで息子くらいの年の韓流スターのファンで韓国まで追っかけをしてる人、女性(特に主婦)にはかなりいるよね。
 もう孫と言っても良いくらいの年齢の氷川きよしの熱烈なファンのオバアチャン達だって、大勢いるよね。

 結局さ、傍から見れば同じなんだよ、AKBやももクロのファンのオジサンも、ジャニーズや韓流スターのファンのオバサンも
 なのにAKBファンのオジサンについては「気持ち悪い、視界に入るだけで吐き気がする、生理的に受け付けない」とまで叩く一方、自分たちが夢中になるジャニーズや韓流スターについては「ステキじゃない!」と居直ってはばからないのだから、女性の神経ってスゴいよね。

 それに比べて男は呆れるほど寛大だ。専業主婦の妻が娘と一緒にジャニーズや韓流スターに夢中になって追っかけまでしても、呆れ顔をしつつも許してしまってる。
「いい年して気持ち悪い、視界に入るだけで吐き気がする、生理的に受け付けない!」なんて暴言を吐いて毛嫌いしたり、まずしないものね。

 なのに「夫がAKBやももクロを好きになるのも、妻がジャニーズや韓流スターに夢中になるのと同じだよね?」という正論を言っても、女性にはまず通じないんだよね。「でも気持ち悪いものは、気持ち悪いの!」みたいな感情論だけで終わりで、冷静な話し合いすら出来ない女性がすごく多いのが現実で。
 女性はまず感情で理屈抜き。そしてその女性の感情の前には、正論は全く通用しない。これ、筆者が幾人もの女性と交際してきた長年の経験で、いやと言うほど味わってきた現実デス。

 繰り返し言うけれど、筆者は別に「結婚なんて絶対したくない!」などと思っているわけではないよ。
 ただ家事能力は一応あるから独身でも暮らしには何も困っていないし、焦って妥協してまでする必要を全く感じていないのだ。
 むしろもし不出来な妻と結婚などしてしまったら、余計な負担が増えてより不幸になるだけ……という感じで。

 そして毎日新聞に二日続けて掲載された人生相談は、そんな独身生活をこじらせかけている筆者の結婚に対する見方を、より冷ややかにさせてくれマシタ。
 食事中に喋らない彼を殴る20代女性に、アイドルのファンになった夫を「気持ち悪い、視界に入るだけで吐き気がする、生理的に受け付けない」と毛嫌いする40代の妻って……女性と共に暮らす事って、本当に息苦しくて耐える事ばかりなんだね。

 でも思うのだけれど、筆者のように家事が人並みに出来る男って、女性にとって結婚相手としてはなかなか厄介だよ。
 だって自分が一応家事が出来て一人暮らしにも困ってない分だけ、女性を選ぶ目もシビアになってくるからね。自分より稼ぎが悪い上に家事能力も劣る女性などと、誰が結婚しますか……っての。

 と言うと、女性達には「愛が無い!」って怒られるだろうけど。
 でも結婚生活ってボランティアじゃないんだからさ、「家事能力も無く低収入の妻の為に一生たくさん稼いで、家事もして尽くしてあげよう」なんて、冷静な頭があればまず思えないよ。
 貴女たち女性だって、稼ぎも無く家事能力も無い男に“愛情”だけで一生尽くしたい、なんて思わないでしょう?
 それと同じだよ、男だって。

 だから女性は、低収入でも家事能力だけは人並みに身につけておいた方が良いデスよ。
 男は家事能力だけでは結婚できないけれど、女性ならそれが可能だから。
 で、一人暮らしの経験が無くて家事が出来ない、そして大手の企業か公務員で平均よりは高収入の男をオトせば、後は安定したそれなりに良い暮らしが出来るのではないかな。

 ネットで“たおぱんぱ”という言葉を知ったけれど。
 呆れたね、世の中には母親や妻に、タオルとパジャマとパンツを出しておいて貰わないとダメな男が本当にいるのだとか。
 筆者は自分の下着や衣類の置き場所はもちろん知っているし、そもそも自分の着る下着や服は自分で選ばないと気が済まないよ。
 いい大人の男が自分の下着を母や妻に買って選んで貰うなんて、はっきり言って気持ちワルイ。

 でもね、こういう“たおぱんぱ”の男の方が、妻としては間違いなく扱いやすいよ。だってこういう男は、妻が居なければ暮らして行けなくなっちゃうからね。
 家事が苦手な男は結婚すると妻に依存して、妻が居ないと何も出来ない男になりがちだから。だから家事が不得手な男の方が、いざとなると妻に弱いね。
 で、逆に筆者のように家事が一通り出来てしまう男は、妻の言う通りにさせにくいんだよ。だって喧嘩して妻に実家に帰られてしまっても、暮らして行くのに別に何も困らないからね。

 筆者は家事は人並みに出来るし、デートでは(彼女の好みも聞くけれど)細かいプランを立てるのも運転も支払いも全部自分でやって、彼女には何もさせなかった。そして彼女の相談事にはとことん付き合って話を聞いたけれど、彼女に相談事をして弱い所を見せたりは全然しなかったなー。
 こんな筆者は、長く付き合ううちによく「あたしの居る価値ある? 全然頼ってくれないし、いなくても良いみたい」と言われたよ。
 それで現在でも独身でいるわけだけれど、本当に難しいデスね、女性と付き合うのって。

 これまでいろいろ恋愛をしてきて思うのだけれど、男は容姿も収入も平均に達しているのだけれど弱い所や少し危なっかしい所があって、女性に「あたしがついていて支えてあげなくちゃ」と思わせるタイプが一番楽に結婚しているような気がする。
 そうわかったからと言って、今さら自分のキャラを変えて、そういう隙のある男を演じるつもりはないけれどね。

 結婚したくないわけではないけれど一応の家事能力はある筆者としては、結婚については今まで通り、焦らず成り行きに任せ、「良い人が居たら考えるけれど、ずっと独身でも構わない」という姿勢で遠そうと思ってイマス。
 周囲の現状を見ていると、結婚にあまり夢を抱けないんデスね、実際。
 安倍首相がいくら出生率を上げようと旗を振ろうと、そして福山雅治が結婚しようと、素直に「お国の為に結婚して子供を作りましょう」とは思えない筆者は、非国民なんでしょうかねえ。

PageTop

今、辛い失恋をして苦しい思いをしている貴方へ

 男女関係のもつれの果てのストーカーや暴力、そして殺人などに至る事件がよく報道されるけれど。
 それも十代や二十代の人生経験の浅い若者が、激情のあまり我を忘れて暴挙に出てしまうのなら、まだわかる。
 しかし現実には、論語に「迷うことがなくなる」という不惑の年(四十歳)を過ぎていながら痴情のもつれから犯罪を犯す者も少なくない。
 それどころか、「心の赴くままに行動しても道を踏み外さない」筈の従心の年(七十歳)を越えても、ただ恋愛をするどころか、色恋沙汰に関わる犯罪を犯す者がいるのだから驚きである。

 好きな相手に裏切られたりフラれたりする事は、それはものすごーく辛く苦しい事だ。
 それは筆者もよくわかるし、失恋の痛みは幾度も体験して身に染みて知っているつもりだ。
 しかしだからと言って、その自分を傷つけた相手に危害を加え、自らを犯罪者の身に落としてしまう心理は、正直に言って今の筆者には理解できない。

 このブログで以前にも何度か触れて来たが、筆者は恋愛経験は少なくない方だと思う。
 それは百人斬りとか千人斬りとかいう剛の者には足下にも及ばないが、それでも付き合った女性の数は両手の指の数を超えている。
 と言っても、残念ながらそれはあまり自慢にはならない。
 何故なら、筆者はその付き合った女性すべてにフラれていて、自分からフッた事は一度も無いからだ。
 しかもそのフラれ方というのが、ほぼ全て「フタマタをかけられては、他の男に乗り換えられて切り捨てられる」というパターンで。

 今になってみれば、筆者がなぜ普通の男性より多くの女性と付き合え、しかしその全ての相手にフラれたのかも、よくわかる。
 まず筆者には年子の姉がいて、そしてイトコたちも女ばかりという環境で生まれ育ったから。
 おかげさまで、女性と話す時に緊張する事が殆ど無く、異性と意識せずにごく普通に女性と接するスキルが自然に身についていたのだ。
 そしてイケメンではないがブサメンでもなく、童顔かつ小柄であったため、警戒感を持たれること無く女性に接近する事ができた。
 さらに人当たりも悪くないし、女の子の話もよく聞いて、相談事には親身になって応じるから、いつの間にか仲良くなって……というパターンが多かった。

 ただね。
 筆者は趣味も多いし、叶えたい夢もあったし。
 だから誰か女性と付き合っても、「余暇の時間や自由になるお金すべてをその相手の為に使う」という風には、全然なれなかったのだ。
 彼女とは付き合う、でも自分の時間は削らず好きな事で頑張る事は止めない……という感じで。
 そしてまた、筆者は集団行動がキライで、一人でいる事を全然苦にしないタイプでもあって。

 よく、「誰かと一緒でないと寂しい」という人が居るけれど。筆者の場合はその逆で、皆と一緒にいる時にはちゃんと楽しむのだけれど、一人になる時間も持てないとストレスが溜まってしまう。
 また、姉や従姉妹など女ばかりの間で育ったせいか、「自分は男なんだから」という意識も案外あって、女子に頼られる存在であろうとする一方、女子に相談事を持ちかけたり頼ったり……という事は全然しないのだ。

 だから相手の女の子からしてみれば、初めは人当たりも良いし、話もよく聞いて相談相手になって頼れるのだけれど、その逆に女の子を頼る事が全然ないものだから、「このヒトって、あたしの事を必要としてないんじゃないのかも」みたいに感じてしまうらしいデス。
 実際、「何でも自分で抱え込んでしまう人」とも、複数の女の子に言われたしね。
 また、打ち込んでいる趣味があって「彼女を最優先」って感じにはならないし、行動原理が感情より理性優先だし、だから「最初は優しくて人当たりがいいと思ってたけど、付き合ってみると意外に個人主義で心の中に入り込みにくい」って感じになるようで。

 筆者は本当にマイペースと言うか、何と言うか……。
 彼女が出来れば、それはもちろん彼女も大切にするよ?
 でもだからと言って、自分の好きなことに打ち込むのを控える事も、それまでの生活スタイルを変える事も全然無かったな。
 だからはっきり言って、結婚して家庭を持つのにはあまり向かないタイプだと思う。
 別に結婚したくない独身主義者ってわけでもないのだけれど、結婚しても好きな事を止めるつもりも無いし、自分の時間だって持ちたいし……。
 それがわかっちゃうと、相手の女の子に見切りを付けられて、他の男に乗り換えられてしまうんだよねえ……。

 女の人って、男性にリードされたいようでいて、本当は何でも自分の思う通りにコントロールしたい人が多いから。
 実際、離婚せずに長く結婚生活を続けている夫婦のダンナさんの方にその秘訣を聞くと、「妻の言う通りにする事」って言う人が多いしね。
 今時、亭主関白なんか本気でやっていたら、子供が独立した後で妻から熟年離婚を突きつけられるのがオチだよ。

 アメリカの男女関係に関する本に、こんな事が書いてありまして。
男は女が変わらないものと思って結婚し、女は男が変わるものと思って結婚する

 ……実際、付き合う相手を自分好みに変えようとする女の子って、かなり多いよ。「女の子は付き合う男によってすごく変わる」と言うけれど、同時に女は男もすごく変えようとするから。
 結婚する前の交際期間には、女性のその働きかけは間接的に「それとなく」だけれど。だから鈍感な男性は、気付かぬままうっかり結婚しちゃう。
 そして結婚後には、妻があからさまに夫を“教育”して自分好みに「しつけよう」とする事は、多くの既婚男性が実感していると思う。
 実際、本屋などで探してみてごらん。女性向けのコーナーに、『夫のしつけ方』とか『彼氏のしつけ方』というような、男性から見れば大変失礼な本やマンガが、結構あったりするから。
 もし逆に『妻のしつけ方』とか『彼女のしつけ方』というような本やマンガが本当に出版されたら、女性たちは「差別だ、女性蔑視だ!」ってカンカンになって怒って大問題にするくせに、ねぇ……。

 で、筆者はとってもマイペースで、彼女にそれとなく働きかけられても、自分の生活スタイルは絶対変えないから。
 それで「女が変えようとしても変えられない人」って、結婚する前からわかっちゃうんだよね。
 おかげさまで、これまで付き合ってきた女性すべてに見切りをつけられ、結婚に至る前にフラれてきたのでアリマス。

 ま、結婚前に見切りをつけられたおかげで、今も独身であるだけでなく、バツもゼロで済んで戸籍に傷がついていない事は、不幸中の幸いと言うべきかも知れないけれど。
 でも女性って狡いんだよ。
「この男は結婚には向かないな」と見切りを付けても、ただそれだけではフッたりしないんだよね。

 他に好きな男が出来たわけでもないのに、彼女に「別れたい」と言われたとしたら。
 それは男が余程も悪いんだよ。
 他の女と浮気したのがバレたとか。
 パチンカスなど悪い遊びが好きで、借金もあるとか。
 変態的な性的嗜好があるのがバレたとか。
 DVやモラハラをしたとか。
 そのように明らかに男の側が一方的に悪い場合だけだよ、他の男の影も無い状態で彼女から別れ話を切り出されるのは

 相手の男に不満があっても、もっと条件の良い別の新しいオトコが見つかるまでは、それまでの彼氏も手放さずにキープし続けるんだよ、女性って生き物は。「だって、一人になるのは寂しいから」ってね
 で、今の彼氏とも付き合いながら新しいオトコを物色して、そしてしばらくフタマタ交際をしてヤることもヤって新しいオトコと既成事実も作り、もう引き返せない状態になってから「別れたいの」って言って来る
 筆者はいつもこのパターンで、フタマタをかけられ寝取られた上で彼女に別れを告げられマシタ。

 だからねー、もし貴方が浮気もDVも悪い遊びもしてないし借金等も無いのに、いきなり彼女から「別れたい」と言われたとしたら。
 彼女はもう他にもっと条件の良い男を見つけて、既にヤる事もヤっていて、貴方とは「別れる」って固く決意してる状態なんだと思ってまず間違い
ないね。
 で、貴方がいくら彼女に未練があって別れたくなくても、既に新しいオトコを見つけてゲット済みの女の子の気持ちを取り戻すのはまず不可能だと、覚悟しておいた方が良い。

「男の恋は名前を付けて保存だが、女の子の恋は上書き保存だ」とも言うが。
 あの『鬼平犯科帳』の池波正太郎も、ある作品の中でこう書いていたよ。
女には過去(むかし)も行く末もなく、ただ今があるだけ
 本当にその通りで、女性にとっては常に今の新しい男がすべてで、元彼なんか塵クズも同然なんだよ。
 昔の彼女の事をつい懐かしく思い出したりしちゃう甘っちょろい男などとはまるで違う生き物なのだと、忘れず肝に銘じておいた方が身の為だから。
 新しいオトコが出来ると、女はそれまでの彼氏に本当に別人のように冷たくなるよ。それはもう、信じられないくらいにね。

 それは、筆者の人柄には問題が多々あるけどさ。
 でもただ別れ話を突きつけられただけでなく、信じて愛していた彼女が「フタマタかけて、既にヤることもヤっていた」とわかった時には、本当に生きているのが厭になるほど苦しかった。
 まだ未成年のうちなど、その相手の前では歯を食いしばって何とか耐えたものの、家に帰って自室で一人になった後でマジ泣きした事もあったし。
 そして成人以後には、もう何の気力も無くなって、何日も自室に籠もりきりになり、食事も一切せずにただウイスキーだけ飲み続けていた事もあったな。

 恋愛経験がまだ浅い頃は、失恋のショックも本当に大きいんだよね。しかもただフラれるだけでなく、他の男とフタマタをかけられていた上で「要らないもの」として切り捨てられてごらん。
 鬱も入るし女性不信にもなるしで、それはもう大変だから。
 もう絶対、二度と恋なんかするもんか……って、その度に思ったね。

 けど大丈夫、人間って貴方が思っている以上にタフだから。
 その失恋後の、生きている事さえ厭になるほど苦しい時期を何とか乗り越えさえすれば、気がついたら元気になっていて、時々チクリと心が痛みはするけれど普段通りの生活を送れるようになっているよ。
 そして懲りもせずに、また別の誰かを好きになっていたりするんだよね。
 そのようにして筆者は、裏切られて失恋というどん底から這い上がってまた恋をして、そしてまたフタマタをかけられ寝取られてどん底に落ちてまた這い上がり……の繰り返しで、性懲りもなく両手の指の数を越えるほどの女性と付き合ってきたわけデス。

 ……それにしても、それだけの数の女性と付き合って、そしてその全員に「フタマタをかけられた上で切り捨てられる」って、筆者の人間性に問題があるか、筆者に女を見る目が無さ過ぎるのか、多分その両方なのだろうね。
 かつて、こんな筆者を好きになってくれた女性がいて、その子は「もしあたしが先に死んだら、守護霊になってキミを護ってあげるね」とまで言っていてくれていたのだけれど。
 ハイ、その子も見事にフタマタをかけて筆者を切り捨ててくれマシタよ。しかもその筆者から乗り換えた相手というのが、妻子持ちの既婚男性というのだから、もう怒りとか悲しみとか情けなさを通り越して、ただ力なく笑うしか無かったよ。

 それだけ裏切られてフラれてどん底にまで落ち込んでも、懲りずにまた恋をして別の女性と付き合う筆者も、ゴキブリなみにタフだなと思うけど。
 その失恋を繰り返してきた筆者の実体験から言えば、失恋にもやがて慣れマス、間違いなく

 と言っても、裏切られたりフラれたりする痛みや辛さそのものは変わらないさ。けれど失恋も何度かしているうちに、対応の仕方みたいなものがわかって来るんだよね。
 まず、何の証拠も無くても「これはヤバいな、他の男に心を移してるんじゃないかな」って空気が感じられるようになってくる。
 だから破局に至ってしまう前に、何とか関係を改善する手を打つことも出来る。そしてそれが上手く行かずに、本気で他の男に乗り換えられてしまったとしても、いきなり別れを告げられるのとは違って、少なくとも事前にそれなりの心構えをしておける。
 大地震だって、地震そのものの規模と被害は同じにしても、事前に予知できているのと、不意打ちでいきなり食らうのとでは、受けるショックはかなり違うよね。

 失恋に慣れていないうちは、相手を運命の女性と言うか、「好きになれる女の子は、この世の中に彼女一人しかいない」みたいに思って執着しちゃうんだよねえ。
 で、挙げ句に「彼女がいなければ生きて行けない」とか、「彼女を他の男の手に渡すなんて耐えられない」とか思い詰めて、自殺したり相手の女を殺したりしちゃったりして。

 客観的に冷静に見れば、自分と交際中に他の男とフタマタかけて乗り換える女なんて、運命の女性どころか“股ユルのクソビッチ”そのものじゃん。
 だからある意味、「結婚に至る前にそんな女と別れられて良かった」と考えるべきだと思っているよ。

 大変だよー、結婚して子供も出来ちゃってから、妻の不倫が発覚したりすると。
 何しろ日本の裁判では、痴漢冤罪事件だけでなく、離婚についても女にメチャ甘いのだ。
 たとえ離婚の原因が妻の不倫であっても、子供の親権は妻側に取られた上に、莫大な養育費も取られたりするのが日本の裁判の現実なんだよね。
 そしてその子供にはろくに会わせてもらえず、我が子は間男を「お父さん」と呼ばされて育ち、離婚の原因も「アナタの本当のお父さんはロクデナシで、他の女と浮気して」とかの嘘を教え込まれて実の父を恨むようになって……みたいな話は、実際によくある事なのだ。
 幸い、筆者自身はまだ恋愛が結婚にまで至った事はなく、おかげで不倫発覚→離婚という泥沼にハマらずに済んでいるけれどね。

 でも、たかが一人の女性にフラれたくらいで「もう恋なんてできない、もう生きて行けない」とか思い込むのは、まだ失恋に慣れていない、恋愛初心者のうちでね。
 冷静に考えてみてごらん。
 世界の約半分、まあ35億人は女なのだ。
 なのに「ボクには彼女しかいない、彼女が運命の女性なんだ」とか、マジあり得ないから!
 何とか失恋の痛みに耐えて、それまで通りの普通の生活をしているうちに、そのうち必ず別の誰かを好きになるものだよ。
「また新しい恋をして、あんな女の事は早く忘れなきゃ!」なんて頑張らなくても、本当にいつの間にか、自然に好きな人がまた出来ているから。
 手痛い失恋とまた新しい恋を繰り返しているうちに、その事が経験的にわかるようになって来るよ。
 だから裏切られてフラれた痛みそのものは変わらないけれど、それで絶望したりせずに、また明日に希望を持って生き続けることができるようになるんだよね。

 時々ニュースで報道される、中高年にもなって恋愛関係のもつれで女性に暴力を働いて逮捕されるオッサン&ジーサンがいるれど。
 そういう人達は、自分が結婚する前にいろいろ恋をして来ていなかったんだろうね。だから一人の女性に執着した揚げ句にストーカー化して、怪我をさせたり殺したりしてしまって自分の一生を台無しにしてしまう。
 裏切られて、あるいは心を傷つけられて「コロしてやりたい!」くらいに相手の女を恨む気持ちもわからないでもない。
 けどさー、実際に凶行に及ぶ前に、「自分の一生を棒に振るだけの価値のある女か?」って、よく考えてみてほしいと思うよ。

 筆者もねー、複数の女性に本当に手酷く裏切られマシタから。
 だから正直に言って、「コロしてやりたい」くらいの気持ちを持った事もありマス。
 けどね、その後の自分に待っているのは、犯罪者の汚名と長い刑務所暮らしでしょ?
 相手がどーしよーもないクソビッチであればあるほど、そんなクズ女の為に自分の一生を棒に振るだけでなく、家族にまで大迷惑をかけるなんて馬鹿らしい、と思えてならなくてさ。

 恋愛関係で相手に手酷く裏切られた時、よく「相手に対する一番の復讐は、自分がもっと幸せになる事だ」と言うけれど。
 ただの綺麗事でなく、それは実際にもっともな事だと思う。
 相手が下らないクソ女であればあるほど、そんな女の為に自棄になって自分の一生を台無しにするのは馬鹿らしいからね。
 この駄文を読んで下さっているのが女性で、もし仮に貴女がかつて悪い男に手酷く裏切られて深く傷ついた過去があるとしても、全く同じ事が言えると思いマス。そんな下らないクソ男を恨んで貴女の人生を無駄にするのは、結局貴女自身の損にしかならないよ。

 裏切られてフラれたその時は、本当に苦しくて腹も立って、相手の子をコロしてやりたいくらいに思ったりもした筆者だけれど。
 でも今では、「人柄はともかく容姿は水準以上の子とヤる事はヤったんだし、年齢=彼女いない歴で生まれてこの方女の子となーんにもナイ、というのに比べれば、まあいいか」と思えるようになってマス。
 それを言ったらある女友達に、「うわ、サイテー」と呆れられてしまったけれどねwww。

 ちょっと思い出してみるだけでも、筆者は恋愛では本当に何度も痛い目に遭ったよ。
 ただフラれるだけではなくて、フタマタをかけられ他の男とも関係を持たれた上で切り捨てられるとか、ザラにあったし。
 可愛い子に付き合って貰えたと思ったら、実はお金目当てで、利用された揚げ句にポイされた事もあったしねえ。
 そうそう、心から好きだった元彼女から久し振りに連絡があって浮かれていたら、実はその元彼女は893関係者の情婦のような女になっていてさ。……美人局って言うのかな、後で893関係者に脅されて酷い目に遭った事もあったな。
 ま、「過去の筆者に女性を見る目が無かった」と言えば、それまでなんだけど。
 それにしても、付き合ってきた女性たちにこれだけ裏切られたりして痛い目に遭って、よくグレたり心を病んだりしないで生きてきたと思うよ。

 でも、時の流れって、本当に優しいものだから。
 失恋の痛みは、時がいつか必ず癒してくれる
 フラれた当時は本当に辛くて、生きているのが厭になるくらい苦しくても、その痛みはいつか必ず和らいで、笑って暮らせるようになるから。

 筆者など、かつてすごーく憎く思った、筆者を裏切って心をメチャクチャに傷つけてくれた元彼女の名前を、気がついたらいつの間にかすっかり忘れて思い出せなくなっていてさ。
 それ以外の元彼女についても、普段はそんな子がいた事すら記憶から抜け落ちていて、何かの機会にふと「昔、あんな子とも付き合ってたな」とだけ、殆ど無感動に思い出す程度になってるし。
 そうそう、筆者を金ヅル扱いにして利用して捨ててくれた元彼女の名前でさえ、実は今ではよく思い出せないんだよ。
 アツコ、って読み仮名だけは何とか覚えているんだけれどね。ただそれが敦子なのか厚子なのか温子なのか篤子なのか、それとも別の字だったのか、本当に思い出せないんだ。

 どんな酷い失恋の痛みも、そのうちいつか本当に忘れてしまうものだから。
 忘れはしないまでも、思い出してもどうとも思わないようになる。そりゃあ良い気持ちにはならないけれど、かつてのような強い憎しみとか恨みとか、殆ど無くなって「あんなカス女、もうどーでも構わねーよ」って思うようになっているから。
 それは両手の指の数を越える女性と付き合って、そのすべてにフラれてきた筆者が保証する。
 だから貴方(貴女)をフッて心を酷く傷つけた相手に執着して、深く恨んで自暴自棄になったり、あるいは自らの手で復讐したりするのは止めた方がいい。そんな事をしても、結局貴方(貴女)自身がより深くダメージを負って損をするだけでしかないのだ。

 だから今、辛い失恋に苦しんでいる貴方(貴女)。
 その彼女(彼氏)の事はもう死んで存在しないものくらいに思って、頑張って明日を生きてほしい。

 それまで本気で好きで、それだけでなく恨みつらみもある相手の事を「忘れろ」と言っても、なかなか無理な事ではあるけれど。
 でも出来るだけその相手の事は考えないようにして、歯を食いしばってそれまで通りの日常を一日ずつ送っていれば、気がついたらあんな下らない元彼女(元彼)の事など、本当にどーでも良くなっているものだよ。そのうち、いつか……ね。

 ま、失恋後はしばらく「恋なんて、もうコリゴリでしたくない!」って感じだけれど、そのうちまたいつか新しい恋を始めているものなんだよねえ。
 恋とは、自分の意志で「する」ものではなく、気がついたら「落ちている」ものなのだよ。散々恋してはフラれてきた筆者の実感として、本当にそう感じマス。

 だからどんな酷いフラれ方をしても、ヤケになって自分を傷つけたり相手に危害を加えたりするのだけは、絶対に思いとどまってほしい。
 人類は70億を越え、そしてその半分の35億は女(男)なのだから。
 貴方(貴女)をフッた相手よりもっと良い人は、他に本当に絶対いるから、まず自分を大切にして、恋や人生を諦めないで明日を生きて欲しいよ。

PageTop

「今時の若者は恋をしない」って? 大丈夫、恋と地獄は落ちるものなのだ!

 毎日新聞に掲載されている、中央大の山田昌弘教授のコラムによると、近頃の若者は教授が青年だった頃の若者に比べて、いろいろな面で新しい事に挑戦しなくなったという。

 そして「自分の可能性を試し、できるだけ多くの経験をしてみたい」若者が大きく減り、「平穏無事に暮らしたい」若者が大きく増えているという。

 で、山田教授によると、近年の若者が挑戦しなくなったものの一つに恋愛があり、新聞や雑誌の恋愛相談コーナーは中高年で盛況で、若者は恋愛にますます消極的になっているのだとか。
 ある大学生などは、「就職できるか不安で、恋愛する時間がない」と山田教授に語ったそうだ。

 恋愛する時間がない?
 とんでもねーよ、恋愛するのに時間なんて関係ないダロ? そう思う黒沢は、やはり山田教授と同じ古い世代なのかねえ。

初恋症候群(シンドローム)(1) (バンブーコミックス MOMOセレクション)初恋症候群(シンドローム)(1) (バンブーコミックス MOMOセレクション)
(2014/07/17)
瀬戸口みづき

商品詳細を見る

 黒沢が注目している漫画家さんに、瀬戸口みづきさんという方がいて。その『初恋症候群』の2巻に、こんなセリフが出てくるから、「恋愛する時間(余裕)がない」という人、あるいは「恋愛したくても出来ない」という人はよく聞いてほしい。

 恋も地獄も落ちるものだぜ。

 いくら「天国に行きたい!」と思っていても、無事行けるかどうか、地獄に堕ちてしまうかどうかは閻魔サマ次第で、自分の意志や力ではどうにもならないよね。

 実際、恋もそれと同じだよ。
 恋は「気がついたら落ちていた」ものであって、余裕とか時間とか全然関係ないから。

 例えば売れっ子の芸能人が、時々熱愛発覚してスキャンダルになるじゃん。
 あの人たちは超多忙で、同じアイドル達と激しい競争をしてけ落とし合い、そしてマスコミやマネージャーや事務所の人達にも監視されながら、それでもしっかり恋愛してるわけでさ。

 もっとスゴい話をしようか。
 恋愛は、あの生き地獄さながらのナチの強制収容所の中でもあったのだ。そしてその中には、「親衛隊将校と囚人のユダヤ人少女の禁断の恋」なんて究極の恋愛もあったりしたのだ。
 しかもその親衛隊将校と囚人のユダヤ人少女の恋には後日談があって、戦後その親衛隊将校が戦犯として逮捕されて裁判にかけられた時、例のユダヤ人の少女が裁判所に現れて証言して、恋人だったナチ将校を助けたそうだ。

アウシュヴィッツの少女アウシュヴィッツの少女
(1983/01)
キティー・ハート

商品詳細を見る

 もちろん黒沢には、そんなドラマチックなスゴい恋の経験はないけれど。
 それでも黒沢は恋を「しよう」と思ってした事は一度も無いよ。黒沢がした恋はどれも「気がついたら、落ちていた」のであって、時間や心の余裕とか、自分の立場とかにまるで関係なかった。

 白状する。黒沢はかつて教育実習生として母校の高校に行った時、たまたま出合った一人の女生徒に、電撃を食らうような衝撃を受けた。
 天使。
 友達と喋りながら微笑むその女の子を見て、黒沢は本当にそう感じたよ。
 一目惚れって、本当にあるんだなぁ……って、その時心から思ったよ。
 でも自分は教育実習生で、相手は生徒だし。
 何かしたら犯罪だってわかってたし、だから想いは心の内に秘めて堪えてた。

 ところが、ですヨ。
 その子は黒沢の恩師である先生の教科係でさ、そしてその恩師の先生がその子と黒沢を引き合わせてくれて、黒沢とその子は仲良くなってしまったのだ。
 で、その子と黒沢は、教育実習を終えた後も連絡を取り合う仲になったのだ。
 ……とは言っても、あくまでも先生と生徒の仲は越えず、告白したりどーのこーのとかいう事態には最後までならなかったけどね。
 自分の立場を考えてギリギリで自制したんだよ、黒沢も。
 とは言うものの、黒沢の気持ちは間違いなく恋だったと思う。ただそれを、最後まで言葉に出さなかっただけの話でさ。

 人がいつ恋に落ちるかなんて、ホント誰にもわからないんだよ。どんなに忙しかろうが、心に余裕がない状況だろうが、その相手に巡り合えば恋をしちゃうものなんだよ。
 たとえその相手が「好きになってはいけない人」でも、恋する気持ちは自分ではどうしようもない。
 まっ、その恋してしまった「好きになってはいけない禁断の相手」に、実際に告白してしまうか、それともかつての黒沢のように、じっと堪えて心の中で想い続ける道を選ぶかは、その人次第ではあるけどね。

 恋は、時には事故にも例えられるけれど。
 確かにその通りで、その“運命の人”に出合ってしまったら、時と相手を選ばずに落ちてしまうもんなんだよ、恋ってやつに。
「今は暇で余裕もあるから、彼女の一人も作ってみようか」とか思ってするモノじゃないって、絶対に。

 だってさー、暇で余裕がある時に、身近にいる異性の中で一番マシなのを選んでするものじゃないでしょ、恋って。
 自分の心が自然に動いてするものだからさ、恋は。だからいくら暇で時間があっても出来ないものは出来ないの、その“キミの心を奪って離さない相手”が現れなきゃね。
 だから恋は、いくら時間や心に余裕があっても出来ない時は出来ないし、その相手が現れれば超忙しくて余裕がない時でも落ちちゃうものなのだ。

 よく「今は仕事(受験)に忙しくて、恋なんかしている余裕がない」と言う人達がいるけれど。
 それは違うね。だって、どんなに仕事が忙しくても、する人は時間を何とかやり繰りして恋をしているし、恋と勉強を両立させている受験生だって少なからずいる
 だからさ、「その人にとって仕事や勉強よりも大切に思える相手が現れていないだけ」なんだよね、結局のところは。

 黒沢自身のことを考えてみても、恋はいつも「気がついたら、落ちていた」ね。「あー、暇だからカノジョでも作ってみようか」とか、自分の意志で恋をした事は全く無いデス。
 だから心を惹かれる人がいなければ、仕事や趣味に打ち込んで充実した日々を過ごしていたし。
 そして心惹かれる誰かに出合ったら、その時は恋をしてと、心のままに自然体で生きてきたね。

 例の瀬戸口みづきさんの『初恋症候群』第2巻のセリフの通りに、「恋と地獄は落ちるもの」だから。
 本人の意思にはまるで関係なく、ね。
 それだけに「忙しいから恋はしない」という言い方にも、「いい若い者が恋もしてないなんてオカシイ」という言い方にも、どちらにも抵抗があるよ。

 ホント、恋は事故と同じだから。いつその相手に出くわすか誰にもわからないし、その時には自分の意志では避けられないんだよ。
 だから大丈夫、どんなに忙しかろうが、相手が人妻だったり友達の彼女だったり教え子だったりしようが、恋に落ちる時が来れば勝手に落ちマス

「今の若者は恋愛に関心が薄く、草食化どころか絶食状態に近い」とまで言って将来を危惧する人達がいるけれど、黒沢は別に心配していないよ。
 今現在恋をしていない人達ってのは、恋愛に関心が無いって言うよりただ「心を奪うだけのステキな人と出合えてないだけの話」で、そのうちきっと恋に落ちる時が来る筈と思うから。
 まっ、完全に引き籠もっていて全く外に出ない人にだけは、その恋という事故に出くわす機会は絶対訪れないけどね。

 でも、瀬戸口みづきさんの『初恋症候群』、マジで面白いっスよ。主人公達は高校生で、テーマは初恋だけれど、作者の瀬戸口みづきさんの恋愛に関する心を抉る鋭い洞察があちこちに散りばめられていて、充分に大人が読んで楽しめる作品に仕上がってマス。

 例えば主人公が通う高校の教師(♂)が、こう嘆くシーンがあったりシマス。

 女を怒らせるということは、黒塗りのベンツにぶつかるのと同じだ。
 しかも間に入ってくれる警察や保険屋はいない。
 泣き寝入りするしかないんだよ!


 ……うん、わかるわかる。恋をして彼女がデキれば、そのうちケンカをすることもあるけどさ。そーゆー時の女性の怒り方って、マジ理不尽でルール無用なんだよね。

 さらにその教師(♂)には、こんな過去があったりシマス。

「しばらく一人でいたい」と出て行った彼女が、二ヶ月後、別の男と付き合っていた。

 ……うーん、コレも「あるある!」ですねぇ。
 これに似たような体験なら、黒沢にも一度ならずありマスよ。

 また、主人公の担任の女教師(若くて美人でにこやかだが毒アリ)が、ままならぬ初恋に悩む主人公達にこんな事をサラッと言ってくれマス。

 初恋は実らないがゆえに、その花は永遠に咲き誇る……なんて思ったら大間違いだぞ。
 美しい花も根っこから腐るんだ、初恋のあの娘が5年後しょうもない男とデキ婚するくらいは覚悟しておけよ!


 ……ええ、身に覚えなら黒沢にもありマスとも。
 黒沢が大失恋した初恋の彼女は、数年後に何とゴクドーさんの情婦になってたし(マジで)。
 その後に付き合ったまた別の彼女は、黒沢をフッてくれた後に文字通り「しょうもない男とデキ婚」してくれマシタ。

 こう話してみるとさ、黒沢の恋ってイタい思いばっかりしてるよね。
恋って楽しいことばかりじゃなくて、むしろ苦しいことの方が多いくらい」ってマジ思うよ。
 でもそれがわかっていながら、また繰り返し落ちてしまうのが“恋”ってやつなんだよねえ……。

 さあ、キミもいつか恋という“避けられない事故”に出くわして、黒沢が味わったようなイタい思いをしてみるがよいさ!
 大丈夫、「するつもりも無いし、その暇も無い」などと思っていても、恋と地獄は落ちる時には落ちるものなのだ!

PageTop

クリスマスに一人でナニが悪い!

 もうすぐクリスマス、だけれど。
「クリスマスは彼女(彼氏)と過ごすもの」なんて、いったいいつ誰が決めたんだよお……なんて、まるでガキみたいなヒネくれた事をつい言いたくなる黒沢デス。

「そうか、おめー彼女がいねーんだろ」って?
 うん、まあ今年のクリスマスは残念ながら、彼女とでなく家族と過ごすさ。
 でもこんな黒沢にも彼女がいて、その彼女と二人きりでクリスマスを過ごしたことも何度かあったよ。
 その黒沢に言わせてもらえれば、クリスマスをどう過ごすかは本当に「当人の自由」で良いと思う。家族と過ごすのでも、恋人のいない友達同士で騒ぐのも、一人静かに過ごすのも「何でもアリ」でいい。
 とにかく「クリスマスを彼女(彼氏)と過ごせないのは、ひとつランクが下の寂しい人間」みたいに決めつける風潮は、本当にウザいよ。

 こんな事を言ったら、実年齢=彼女いない歴の人達には「そりゃ、贅沢な悩みってヤツだよ!」と恨まれてしまうかも知れないけど。クリスマスの時期に彼女がいるのって、意外に大変なものだよ。
 まず第一にかなりのカネがかかるし、気もいろいろ使わなきゃならない
 だって彼女にはまずプレゼントを贈らなきゃならないし、それもかなり気張らないと彼女のご機嫌を損ねちゃうからね。
 プレゼントって、ただ高けりゃ良いってものじゃなくて、彼女の好みに合ってセンスの良いモノじゃないと駄目なんだ。いくらブランドものだって、彼女には彼女の好みがあるわけでさ。
 だから自分としてはかなり思い切った買い物をしたつもりでも、彼女には良い顔をされない事もマジであるんだ。

 クリスマスに男が彼女にしなければならない事は、ただプレゼントだけじゃ無いから。
 まずどこかのお店でディナーを食べて、そして夜景やイルミネーションを見るなどしてムードも盛り上げた上でホテルに……ってことになるわけだけれど、そのお店やホテルの選び方や、デートコースの選定やムードの盛り上げ方まで、責任はほぼ全部男にかかっているんだからね。もちろん、ディナーとホテルの代金もオトコ持ちでさ。

 まっ、彼女もプレゼントはくれるけどさ。
 でも彼女がくれるモノが男の側のプレゼントより高価なことは、断言しても良いけれどまず無いね。と言うか、もし男のプレゼントが彼女がくれた物よりショボかったら、好感度は大幅にダウンし「セコい男!」と永く恨まれるのは間違いないね。
 もちろんディナーに選んだお店やホテルが彼女の好みに合わなくても、「ダサッ!」とか「ショボ!」とか心の中で毒づかれ、やはり好感度がダウンするのでアリマス。費用はすべて男である貴方持ちであるにもかかわらず、ね。

 それでもね、最初のうちはただクリスマスを彼女と過ごせるだけで嬉しくて、プレゼント選びやデートコースの選定、そしてその資金の捻出にいろいろ頑張ったものだけれど。
 ただそれが当たり前の「毎年の恒例行事」になってしまうとね、感動も薄れるし、疲れてもきちゃうわけデスよ。「何で男ばかり、毎年こう気張らなきゃならないんだろう」って。
 だから「彼女と過ごすクリスマス」も、慣れてくると「家族や友達と過ごすクリスマスも悪くないね」と思うようになっちゃうよ、ホントに。

 だってさー、クリスマスの次にはお正月、そして三月にはホワイト・デーと、何かとおカネのかかるイベントが続くじゃん。
 そりゃあ、ま、2月14日にはバレンタイン・デーがあるけどさ。でもそのちょっとしたチョコレートのお返しに、翌月にはその何倍かのものを贈らなきゃならないわけでさ。
 これも多分黒沢だけの勘違いではないと思うけど、女の子がくれるバレンタイン・デーのモノより、ホワイト・デーの男のお返しの方がまず間違いなくおカネをかけているよね?

 彼女がいる時って、ホント何かとお金がかかったよ。特にクリスマスからホワイト・デーまでは。
 まっ、夏は夏で「せっかく休みなんだから、どっかに連れてって!」ってコトで、それはそれでまたお金がかかるんだけれどね。
 それは黒沢が「何でもワリカンにしようね」ってタイプの女の子と付き合った事がなくて、「デートは男がリードしなければ」と思っているせいかも知れないけれど。女性とお付き合いするのは楽しいものの、おカネも気も遣ってそれなりに大変なのだと、まだ彼女がいた事の無い人達に言いたいね。

 シタラマサコさんの、『セーラーズエンジェル』ってメチャ笑えるマンガがあって。
 で、その主人公(?)で橋田壽賀高校wwwセーラーズエンジェル部の部長である宮本みつサンは、ホワイト・デーに校内が盛り上がる中、自分はお返しを貰えるアテが無くて(そもそもバレンタイン・デーにチョコをあげた相手もナイ)逆ギレするわけデス。
3月14日はね、円周率の日よ!」って。

セーラーズエンジェル 1 (プリンセスコミックス)セーラーズエンジェル 1 (プリンセスコミックス)
(2013/04/16)
シタラ マサコ

商品詳細を見る

 うん、3月14日なんて「円周率の日」で良いと思うよ、ホントに。
 あ、けどゆとり世代の人達にとっては、円周率は3.14じゃなくてただの“3”だったかなwww。
 それはともかくとして、シタラマサコさんの『セーラーズエンジェル』はメチャ面白いっス。ジャンルとしては女性向けのマンガ(月刊プリンセス連載)だけれど、男が読んでも充分に笑えるよ。

 でも「彼女がいない」って、ある意味ホントに気楽だよ。おカネも時間も全部自分の為に遣えるし、いろいろ気を使うことも無いしね。
 だから黒沢は、彼女はいればそれなりに楽しいし、けどいなければいないで気楽で良いし、どちらでも構わないと思ってる。

 そういう意味で、「彼女はいなかったけれど、親しい女友達は複数いた」時の黒沢は、ホント地獄だったね。
 だってクリスマスやホワイト・デーの度に、その何人もの女友達にそれなりの貢ぎ物をしなければならなくてさ。でも彼女ではないのだから、当日は「布団は一つ、枕は二つ」ってやつで寝所を共にしてしっぽり楽しめるワケでもなく、ホントにただ出費が嵩むだけだったよ。

 ……結局さ、バレンタイン・デーやホワイト・デーもそうだけれど、クリスマスは恋人と過ごすもの」ってムードは、プレゼントを買わせたりケーキやディナーを食わせたりホテルを満室にしたりして潤いたい業界の悪巧みで盛り上げられているに違いないよ。
 そもそもキリスト教国でもキリスト教徒でもない日本と日本人が、クリスマスで大騒ぎする方がおかしいのだし。
 クリスマスはまずパーティー(ディナー&ケーキ)にプレゼント……って、日本のクリスマスはやはり業界の仕掛けた商戦にただ乗せられているだけだね。

 だからクリスマスを一人静かに過ごすとしても、肩身の狭い思いをする事は少しも無いと思う。「世間のムードや業界の商戦に乗らない賢い一市民」として、むしろ誇りに思っても良いくらいなのだ。

 というワケで。
 クリスマスに一人でもイジケず卑屈にならず、おカネも時間も自分だけの為に遣って自由に楽しく過ごそうよ
「クリスマスは恋人と過ごすもの」って世間のムードの方が、むしろおかしいんだからさ。

PageTop

女性にモテるのは簡単だ、ただ“共感”して話を聞くフリだけしてりゃ良い

 もうかなり前の話だが。
 当時付き合っていた彼女に「いつか、ジムニーを買って乗りたいの」と言われて、かなり驚いてしまった事がある。
 いや、スズキのジムニーは良い車だよ? いわゆるオフロード車には、実際に荒れ地を走破する能力が伴わない「カッコと雰囲気だけのオフロード車」もあるけれど、ジムニーは軽自動車ながら本格的なオフロード車である。
 ただ彼女には好んで山野に出掛けるような趣味はなく、そして居住地も職場も市街地だ。
 だから「彼女にジムニーは実用的ではない」と、黒沢はすぐに思った。

 実は彼女の昔からの親友が、似たようなオフロード車の三菱パジェロ・ミニに乗っていたのだ。
 だから彼女も、「じゃあ私はジムニーに乗ろう」と思ったのだろう。
 しかしパジェロ・ミニとジムニーは、どちらも四駆で形も似ているが、中身はかなり違う。パジェロ・ミニははっきり言って雰囲気優先で性能は乗用車に近いが、ジムニーはまずシャーシーの構造から本格的なオフロード車である。

 それを知っていたから、黒沢はすぐにこう言った。
「本当に未舗装の野山を走りに行く事が多いなら良いけどさ、市街地を走るにはあまり向かないよ? 高速で走ると、騒音とかもかなりあるようだし」
 そしたら彼女に、本当にキレられたね。
「何で人の夢を壊す事を言うのッ!」
 ってね。

 当時の黒沢は、彼女に何でキレられたのかまるでわからなかった。
 だって黒沢には悪気などまるでなく、ただ事実を言っただけだし。
 と言うより、彼女の為に親切で忠告したつもりだったんだよね。オフロードなど殆ど走りに行かないであろう彼女が、友達の影響と気分だけでジムニーなどを買ったら、後で「こんな筈じゃ無かった」と思うのは目に見えていたし。

 車を買うのって、お菓子とか普段着とかを買うのとは全然違う高い買い物じゃん。相手が大切な彼女だからこそ、うっかり気分で買ってしまって、後で後悔するような目には遭わせたくないでしょ。
 気安く「いいね!」なんて無責任な反応、黒沢にはとてもできなかった。
 だから「ジムニーを買いたい」と言った彼女に水を差すようなことを言ったのは、黒沢としては「彼女のことを思えばこそ」だったんだ。

 で、その結果として彼女にキレられてしまったわけデス。
 別に「バカなこと言ってんなよ、ジムニーなんて全然ダメだって!」みたいな失礼な言い方をしたわけでなく、ただ冷静に「ジムニーは不整地を走りに行くなら良いけど、街乗りには向かない」って話しただけなんだけどね。

 うん、なぜ彼女にキレられてしまったのか、今ならよくわかる。
 その話をした時の彼女はジムニーに乗りたい気分でいっぱいで、黒沢にも……と言うか彼氏だった黒沢にこそ共感して、「いいね!」って反応して欲しかったんだ。

 女性が話し相手に求めているのは、「そうだね」または「いいね!」って共感だけなのだ。
 それがわかるようになって、黒沢は女性とそつなく話すのがとても巧くなった。しかしそれと同時に、女性と話すのがとても馬鹿馬鹿しく思えるようになったよ。
 だって彼女たちにとっては、相手の為を思った誠意ある忠告など何の価値もないどころか、逆に「気持ちをわかってくれない!」と怒らせるだけでしかないのだからね。

 科学的に言えば、男の脳は「問題解決脳」で、女の脳は「共感脳」なのだそうで。
 だから男は、女に何か言われると必ず答えを出し、解決してあげなければ思う。しかしそうした男のアドバイスはまるで的外れで、女が求めているのはただ“共感”だけなんだよね。
 ただ時々相槌を打ちながら話を聞いて、適宜に「そうだね」とか「いいね!」などと共感の意志を示し、時には「大変だね」と同情したり。女性との会話って、本当にただそれだけで良いんだよね。
 だからそのコツさえ掴めてしまえば、女性に好感を持たれる会話をするのはとても楽だし、同時に「バカみたいだな」ってすごく思ってしまう

 黒沢にはK子さんという女友達がいて、黒沢が女性に好感を持たれる話し方を会得できるようになったのは、そのK子さんの存在がかなり大きかった。
 そのK子さんは美人でスタイルも良く、しかも料理等の家事も苦もなくこなせてと、女性として見ればかなり魅力的だったと思う。
 ただ残念ながら、K子さんはいわゆるダメンズ好きだった。いつも「イケメンだけど女好きのワルっぽい男」に惚れては、その彼の浮気癖や身勝手さに泣かされてたよ。
 で、男友達である黒沢に、K子さんはよく相談の電話をかけてきたのだ。「彼氏の気持ちがわからない、どうしたら良いと思う?」って。

 K子さんの話をちょっと聞くだけで、「彼氏はただ顔が良いだけのクズ男だな」と同じ男としてすぐわかるからさ。だから当然、黒沢はそんな男とは別れるよう忠告したわけデスよ。相談の電話がある度に毎回、言葉を尽くしてね。
 でも黒沢のどんな忠告も、K子さんの心には届かなかった。
 別れた方が良い。そう言う度に、K子さんは“デモデモダッテちゃん”になっちゃうんだよね。
 直前までは、彼氏がどんなにヒドいかを黒沢に散々訴え続けていたのにさ。なのに黒沢が「そんな男とは別れなよ」と言うと、その途端にK子さんは彼氏の味方になって、彼氏の弁護を始めるんだよ。

 ……本当にもう、K子さんの“恋愛相談”って、いつもいつもその繰り返しでさ。何をどう言っても黒沢の言葉はK子さんの胸には届かなくて、「やっぱり好きで、別れられない」って答えに戻っちゃう。
 で、「彼氏についてのK子さんの愚痴を延々と聞かされる→別れるよう忠告する→デモデモダッテちゃんになるK子さん」というパターンをうんざりするほど繰り返して。
 そしてK子さんの“恋愛相談”に長電話に散々付き合わされ、貴重な自分の時間を無駄に費やした挙げ句に、男性の典型的な“問題解決脳”の持ち主である黒沢もようやく悟ったわけデス。
 K子さんは黒沢の考えを聞く気など全くないんだ、ただ自分の愚痴を聞いて欲しいだけなんだ……ってね。

 そう、多くの女性が求めている“会話”がコレなんだよ。愚痴だろうが、どんな馬鹿馬鹿しい話だろうが相槌を打ち頷きながらとにかく徹底的に聞いて、そしてただ「いいね!」と賛意を示す……と。
 それがわかってから、黒沢はK子さんのことを本気で心配して忠告するのを一切やめたよ。
「どーせそのクズ彼氏と別れる気はなくて、愚痴もノロケのうちなんだろ」
 そう悟ると、K子さんの話をまともに聞くのも馬鹿馬鹿しくなってね。

 ただ幸い、K子さんから例の“恋愛相談”をされるのは、夜に電話で……ということが多かったから。
 それで黒沢はK子さんから電話がかかって来たら、極力ボリュームを絞ってゲームをやってたよ。で、話の殆どは聞き流して、話の切れ目には相槌を打ち、そして「そうなんだ、大変だね」と“共感”の意志を示して同情もし、仕上げに「でも頑張ってね」と励まして。
 これで本当に、十二分過ぎるほどだった。
 このK子さんには「クロサワくんって、ホント癒し系だよねぇ」と心から感謝されちゃってさ。

 で、例のK子さんの彼氏というのは、やっぱり見てくれが良いだけのロクデナシだからさ。黒沢が忠告とか全くしなくても、結局そのうちK子さんも愛想を尽かして別れることになってさ。
 問題はその後デス。
 そのK子さんに、黒沢は惚れられてしまったのだ。「優しくて、本当にイイ人」って。

 優しい? とんでもないよ。その時点でK子さんは、黒沢にとって「どーでもいい子」になってたんだ。
 わかるかな、K子さんの事を本気で心配していたからこそ、以前はいろいろ耳の痛いことも言って忠告したんだ。
 けど「この子には人の話を聞く耳も、誠意を理解する頭も無い」ってわかって、「このバカ女、ダメンズに泣かされて痛い目に遭おうが自業自得だ」と思うようになったからこそ、一切の忠告をやめて耳障りの良い“共感”の言葉しか言わなくなったんだよ。
 よく「共感力が大事だ」とか言うけどさ、実はその“共感”って上辺だけの安っぽいもので、心はとても冷たいものなんだよね。

 時には耳の痛い忠告こそ、本当に相手を思う真心から出たものでさ。
 そして耳障りの良い“共感”の言葉なんて、中身は優しくも何ともなくて、心の中では相手を突き放しているんだよね。「コイツが後で痛い目に遭おうが、知ったこっちゃない」と
 でもその事がまるでわからずに、ただひたすら“共感”を求める女の人が本当に多過ぎる。

 その子が後で泣こうが痛い目に遭おうが知ったこっちゃないから、上辺だけ“共感”を示し、適当に慰めたり励ましたりしているだけなんだけれどね。なのに「ホントに優しい、イイ人!」って惚れてくれる女の子が、呆れるほど多いんだよ。
 だから失礼ながら、つい「女ってバカだなあ」って思っちゃう。

 もし女性の好感度を大きく上げたければ、貴方もやってごらん。
 まず自分の本音の意見は極力言わずに、女の子の話(ほぼイコール愚痴)をウンザリする気持ちを辛抱しながら、とにかく最後まで根気よく聞く。
 そして内心はどうでも「そうなんだ」と共感を示しながら相槌を打ち、時には「うんうん、それで?」と興味のあるフリをして話の先を促すの。
 さらに仕上げに、場合に応じて「大変だったね、辛いよね」と同情したり、「いつか良い事もあるから頑張って」と励ましたりするのも忘れずに

 コレをやってごらん。貴方は周囲の女性から間違いなく“良い人”と認定され、状況とタイミングさえ良ければ“良い人”から“好きな人”に昇格する事だって、充分にあり得るのだ。
 事実黒沢も、その手で複数の女性に惚れられた。

 ……でもね。
 耳の痛い忠告の底にある、相手を心から案じての思いやりにはまるで気付いでもらえず、無責任な形だけの“共感”ばかりが喜ばれる。それが現実に「女性の心を掴む会話のコツ」なんだから、本当に情けないし悲しいし、女性と付き合うことそのものまで虚しくなってしまうよ。

 そうそう、その“上辺だけの共感”をフルに活用してでK子さんに惚れられた黒沢だけど。
 そのK子さんと付き合ったか……って?
 答えはNOデス。だってK子さんって、「顔もスタイルも良い上に、家事能力もアリ」と、女子力の点ではかなり高めなんだけれど、物事をよく考えないで感覚だけで動くタイプでさ。それに何より、惚れっぽいと言うか恋愛体質と言うか、ぶっちゃけ頭もお尻も軽めなんだよね。
 だからただ眺めて楽しむ分には良いけれど、彼女として付き合うにはふさわしくない相手だ……って、幾度も痛い失恋を体験していた黒沢にはよーくわかってたんだ。

 で、告られてはっきり断るでなく、答えをはぐらかしたまま「友達以上、恋人未満」のお付き合いを続けていたのだけれど。
 そしたら案の定、二ヶ月も経たないうちに「他に好きな人ができたから」って、黒沢を振ってくれマシタよ。それもその新しい男と、ヤるコトもちゃんとヤっちゃった後でね。
 で、寝取られてしまった黒沢は、「悲しいけれど、K子ちゃんの幸せの為に」と、最後まで“良い人”を演じ続けて戦略撤退を果たしたわけデス。

 いろいろ痛い失恋や失敗を繰り返した挙げ句、「女子の好感度を高める会話術」を会得したwww黒沢だけど。
 でもその「まず共感」という女性と会話するコツを理解すればするほど、「共感なんかクソ喰らえ!」という、唾でも吐きたいような気持ちがさらに強くなって行ってしまってどうしようもないのが本音だよ。

 女性と話す方法だけではとどまらずに、今の日本ではやたらに“共感力”とやらの重要性が強調されているよね。
 だが、そもそも“共感”って何だ?
 金子みすずのあの有名な「みんなちがって、みんないい」という言葉の通り、人って皆それぞれ違うもので、考えも感じ方もいろいろなんだよ。
 人がみな同じように感じて、何でも共感し合えるとしたら、それこそエヴァンゲリヲンの人類補完計画だよ。

 例えば黒沢は“サッカーのまち”と言われる市に住んでいるが、だからと言って「市民すべてがサッカーを好きになって、サッカーを応援して盛り上げなければならない」とは全く思わない。
 いくら“サッカーのまち”でサッカーが好きな人が多数派でも、野球やバスケットやテニス、それにラクロスやカバティなどを好きな人が居ても良い筈だ。
 だが世の中には金子みすずの言葉とは真逆に、「みんな同じで、他と違う者は悪」と感じている人達が、驚くほど多のだ。
 事実、黒沢の住む市でも、「サッカーを応援できない人は、市から出て行くべきだ」と公言する市議すらいた
 そしてその種の、個々の考えを認めず多数派の意志を全体に押しつけたい人々が武器にする言葉が、あの「共感力」というやつなのだ。

 男の脳が「問題解決脳」なのに対して女の脳は「共感脳」なのだそうだと、前にも触れたが。
 とかく理屈っぽくなりやすくて意見が分かれることも少なくない男性に比べて、女性は本当に共感を求める生き物だとつくづく感じる事が多い。

 例えば男の間では、AKBで推すメンバーが違おうが、ももクロとか違うグループが好きだろうが、そもそもアイドル自体に興味が無かろうが、喧嘩にはまずならない。それは結局、「好みは人それぞれ」というコトで。
 しかし女性の間では、ある女の子がアイドルの誰かを好きだと言った時に、うっかり不同意の意志を示そうものなら、「アタシにケチをつけて、アタシを否定した!」ことになるというのだから恐ろしい。
 ゆえに女子の社会では、もし誰かが「アタシは○○○が好き!」と言ったら、内心はどうあれ皆が笑顔を作って「いいね!」と応えるものらしい。
 そしてそうしないと“浮く”どころか、仲間外れにされイジメられてしまいかねないらしい。

 ちなみに黒沢の住む市が“サッカーのまち”だからと、「サッカーを応援できない人は、市から出て行くべき」と言い放った例の市議もまた女性だった。
 しかし元々サッカーに興味が無かった黒沢は、そう言われて肩身が狭い思いをするどころか、逆に怒りと反発しか感じなくて、その一件でサッカーそのものがキライにすらなってしまったゼ。
 ハイ、こんな天の邪鬼でヘソ曲がりで偏屈な黒沢は、アスペルガー障害の疑いも持たれていマス。
 でも変わり者と言われようがアスペと呼ばれようが、黒沢は空気などあえて読まず、言いたいことは何でも言って、自分の生きたいように生きているよ。

 とにかく空気を読むことが最重要で、誰かが何か言ったら心の中ではどう思おうと、笑顔を作って「いいね!」と同意して見せる。
 こうした“共感力”が要求されるセカイって、とても生き辛いし、息苦しいよね。
 だって人間は、人みなそれぞれ違っていて別の気持ちを持っているんだもの。
 にもかかわらず女の社会では、その己を殺してまず周囲に合わせることが要求される。

 女性は共感だけを求めて、異論や反論は一切認めない。だから男から見れば、女性にウケる会話をするのは簡単だが耐え難いほど退屈だ
 それに女性同士だって、本当の自分を偽って相手に合わせることばかり求められる女同士の付き合いは、息が詰まって疲れて堪らないだろう。
 だからあの『アナ雪』の「ありのままのー」の歌が、女性に特に大受けしたんだよ。

 あの『アナ雪』の「レリゴー、レリゴー!」に感動した女性たちに、黒沢は声を大にして言いたい。
 共感など求めるな、空気も読むな。そして思ったことを言い、好きなように行動してみろ……と。
 その方が、女性達もきっと楽になり、生きやすくなる筈だ。

 事実、本音を隠さず何でも言い合える女友達同士の会話はものすごく楽しいゾ。
 無理に相手と合わせず、何かあれば鋭いツッコミを入れ合う彼女達の会話は、ただ聞いているだけでもすごく面白い。

 黒沢がこう思ってしまうのは、「アスペルガー障害なんじゃねーの?」と噂されている人間だからかも知れないけれど。
 他人に共感することが何故そんなに大事なのか、黒沢には本当にさっぱりわからないのだ。

 例えば、どうしようもないダメ男を好きで好きでたまらない女の人がいるとする。その女の人の彼氏を好きな気持ちにも“共感”して、「頑張って!」と応援してあげるべきなのか?
 薬物依存症で「危険ドラッグ、サイコーだぜ!」と言うヤツがいたら。それにも「いいね!」と“共感”するべきなの?
 その場の皆が誰かの悪口で盛り上がっていたら、空気を読んで“共感”してその悪口に加わるべき?
 最近多い、中国人&朝鮮人叩きのヘイトスピーチにも、やはり「いいね!」と“共感”すべき?
 住んでいる所が『サッカーのまち』ならすぐ“共感”してサッカーファンになって、でも引っ越した先がたまたま『カーリングのまち』だったら、そしたら今度はカーリングが大好きになるべき?
 友達のAさんが大の猫好きだったら「そうだね、猫イイよね!」って“共感”して、でも別の友達のBくんは大の犬好きで猫ギライだったら、それにも“共感”して同じ口で「そうだね、猫なんて何の役にも立たないし、犬サイコーだよね」って言うの?

 ……今はやたらに「共感力が大事」って言われるけどさ、安易な共感なんて「ただ“自分”が無いだけのバカじゃん」って黒沢は思うけどね。
 いや、ただバカって言うだけじゃなくて、共感の安売りはすごく無責任な行為だし、共感の押し売りともなると社会にとっても有害な、危険な行為になりかねないんだよ。

 日本人ってのは、「空気を読んでの“共感”の押しつけ」がものすごーくキツい民族だから。何でも皆が同じように感じないと気が済まなくて、感じ方や意見の違う人の存在が許せなくて、皆で村八分にしてイジメちゃう
 だから戦前は皆で軍国主義に走って、それに少しでも疑問を持つ者は「国賊、非国民!」と吊し上げ、「鬼畜米英!」だの「一億玉砕、火の玉だ!」と金切り声を上げてさ。
 それが戦争に負けると、今度はアメリカ様々で「ギブ、ミー、チョコレート」だよ。そして「一億総懺悔」とやらで、皆がサヨクになってさ。
 ところが安倍政権下でまた右翼が復活して、国賊だの何だのと戦前のような言葉を吐き散らしてる。そしてヘイトスピーチも公然とされ、それを与党自民党は「言論の自由の問題もあるから」と詭弁を弄し、法規制するつもりはまるでナシ……と。
 その時の空気を察し、冷静に議論し合うことナシに皆で“共感”し合ってさ。そして軍国主義とサヨクの間を振り子のように振れているのが、この日本という国と、日本人という民族の実態なんだよね。

 民主主義ってのは、いろんな考えを持つ人が、いろいろ議論を重ね、時間と手間をかけて結論を出すものだけれど。その民主主義は、どうやら“共感力重視”の日本民族には合わないみたいだよ。
 だってちょっと議論をすれば「口げんか」と言われるし、誰かの意見に反論すれば「私を否定した」と怒られるし。そして空気を読み合って、全体に流されながら生きているんだよね、日本人って。
 だから日本人の本質は全体主義だと、黒沢は痛いほど感じている。

 空気を読んでの、共感の押し付け
 その日本流の全体主義が、かつて日本に戦争の惨禍をもたらし、すると次はサヨクに走って全共闘やら連合赤軍のテロまで引き起こし、そして安倍政権と共にまた“右”に舵を切ろうとしている
 ホント「空気を読むのも、共感を強要するのも、もういい加減に止めませんか」って、心から言いたいよ。

 空気を読んで“共感”し合う息苦しさは、特に女性達がよくわかっている筈だよ。
 本当は気の合わない部分もあるのに“友達”のフリをして、心の中では全然そう思ってないのに「そうだよね、イイよね!」と“共感”し合ってさ。
 だから女の人同士のお喋りって、ただの友達と本当に心を許し合っている親友同士では全然違う。
 と言うか、その一握りの親友以外の“友達”とは、ただ“友達ごっこ”をしているだけなんだよね。お互いあまり好きではないくせに、余計な気を使い合って、シンドい思いをして。

 ねえ、友達ってそんなに大勢必要なの?
 本当の自分を出せて、本音を言い合える一握りの親友さえいれば充分……って、黒沢は思うけどね。
 空気を読んで、してもいない共感をしているフリを続けるなんて、ただ疲れるだけだと思うけれど。

 ……とは言うものの。
 女の人に「共感より大事なものがある」ってわかってもらうの、ものすごーく大変でさ。
 黒沢はこれまでに、両手の指で数えても足りないくらいの女性とお付き合いしてきたけれど。残念ながら、どの女の子も心からの忠告より“共感”を求めてた。
 で、相手の為を思う意見を言えば言うほど、「気持ちをわかってくれない!」と逆ギレされるばかりでさ。
 そして心にもない、無責任な“共感”をすればするほど、女の子達には好かれた
 おかげさまで気持ちは醒めて行くばかりで、ついには女という生き物に対しても深い失望感を抱くようになってしまい、黒沢は未だに独身でいるのでアリマス。

 黒沢のように、女性に愛想良くしながら心の中では見下して「ただ“共感”してるフリだけで充分」と思うような男を増やさない為にも。
 そしてまず女性たち自身が自分らしく自由に生きる為にも、本音を押し殺した“共感ごっこ”はもう止めた方が良いのではないかと、黒沢は心から思う。

PageTop

言葉より、態度や雰囲気で察そう

 はっきり言って、黒沢は結婚願望が少ない。
 結婚したくないわけではない、けれど「変な相手と間違って結婚してしまうくらいなら、一生独身でいた方がマシ」と本気で思っている。
 さらに世間体も殆ど気にせず、他人にどう思われようが構わないというタイプだから、周囲の同世代の皆が結婚していても、「自分も早く家庭を持って落ち着かなきゃ!」とか思って焦ったりもしないし。

 まっ、要するに「生まれついてのKY」ってことなのだろうね。世間の“普通”と自分が違っていても、本当に全然気にしまセン。
 自分の進む道は自分で決めるし、世間や周りに合わせて生きる必要性とか、一ミリも感じてないんだよね。自分の選んだ道が世間の常識から外れ、周囲の皆と違っていようとも、自分さえ納得しているらそれでOKと思ってる。

 うーん、ここまで来るとただのKYと言うより、既にアスペルガー障害の域かも。
 ハイ、だから集団行動とかチームプレイとか、大の苦手デス。

 ゆえに恋人が出来ても、相手の心の中にはあまり踏み込まないね。同時に、相手にプライベートな領域にズカズカ踏み込んで来られるのも、実は苦手だったりしマス。
 いくら恋人でも「相手は別人格」と思っているし、恋人同士だからといって一心同体のようには、どうにも思えないんだ。

 ……と、このような前置きをダラダラと書き連ねたのは、また例の毎日新聞連載の亀山早苗氏のコラム、『現代恋愛模様』を読んでしまったからだ。
 11月22日付けの同欄で、亀山氏は「一年付き合っている彼が、私をどう思っているのかわからなくていつも不安」という、アラサー女性のアキヨさんについて書いていた。

 そのアキヨさんは問題の彼氏と、合コンで知り合って付き合うようになった。そしてデートもしているのだが、付き合うようになってから彼氏は、愛情表現の言葉を殆ど口にしない。
 だからアキヨさんは彼が本当に自分を愛しているのか、必要としているのか実感が持てずにいるのだという。

 そのアキヨさんに、亀山氏はこう言った。
「わからなければ聞いてみればいい」
 するとアキヨさんは、激しく首を振ってこう言った。
「そんなのKYですよ。彼がどんな反応をするかわからない。もし、『え?』と聞き返されたら、ショックでどうしたらいいかわからなくなります」
 アキヨさんは、続けてさらに言う。
「実は相手にどこまで踏み込んだらいいのかわからないんです。私たち世代ってみんなそうじゃないかな。踏み込んだら嫌われるかもしれない、傷つきたくないからなんとなく相手に合わせる。それが普通なんです」
 で、亀山氏は唸ってしまうわけだ。それでいいのか、それで満足感があるのかと言いたいが、それこそKYと言われそうだ……と。

 黒沢に、男の立場から言わせてもらえば。
 うん、もしアキヨさんが思っていること(尋ねたいこと)をそのまま彼氏にぶつけたら、確かにKYになってしまうだろうね。
 だってさー、アキヨさんが彼氏に尋ねたいことって、どれも重たいんだもの。
「この先、彼がどうしたいのか、結婚はあるのか、彼の家族観とか人生観、男女観は。いろいろ知りたいけど、聞いていいかどうかわからなくて」
 ……これってさ、男からしたら結婚を迫られているようなものだよ。と言うか、「私と結婚する気はあるの!?」と詰め寄られた上に、「で、親との同居はあるの? 子供は何人? 人生設計は? 家事の分担はどうする?」と、いろいろ問いつめられているようにさえ感じてしまう。

 ま、女としては結婚だけでなく結婚後の生活も重大事だから、いろいろ聞きたくなって当然なんだろうけど。
 でも男としてみれば、結婚を考えているかどうかを聞かれるだけでも重大な決断を迫られるのに、結婚相手として値踏みするように家族観から男女観までいろいろ尋ねられたら、本当に重たく感じてしまう。

 それにさー、アキヨさんは「付き合うようになってから、彼が愛情表現の言葉を殆ど口にしないから、彼が自分を本当に愛しているの実感が持てずに不安」って言うけれど、男からすれば「そんなの、言葉でなく態度でわかれよ」って言いたいよ。
 なら欧米の映画でよく見るカップルのように「愛してるよ」って度々言いさえすれば、本当に愛情があるのか……って?
 バッカじゃねーの、人間なんていくらでも嘘をつけるんだから、「愛してる」と言ったからって本当にそうだとは限らないって。
 と言うより昔風の日本男児wwwの感覚から言えば、軽々しく「愛してる」と繰り返し口にできるような男は、ホストや札付きの女たらしのような類の悪いヤツに決まっているんだよ。

「付き合うようになってから、彼は愛情表現の言葉を殆ど口にしない」ということは、裏を返せば「付き合おう」という話になった時には、彼氏はちゃんと「好きだ、愛してる」と言ったということだろう。
 それで充分ではないかと、日本の男である黒沢としては思ってしまう。
 最近何だか態度が変わったとか、他の女の影がチラついているならともかく。付き合い始めてから一年間、ちゃんと交際を続けているのだから、彼氏はアキヨさんを愛しているに決まっているだろうよ。
 それくらいわかれよ、と黒沢は言いたい。

 欧米の場合は、多民族国家だからね。人種も宗教も言語も違う人たちが集まって暮らしているわけだから、互いの考えていることは、ちゃんと言葉にしなければ理解し合えない。
 だから欧米の人たちは、強く自己主張するわけだ。そして愛情も、くどいほど繰り返し告げ合う。
 しかし単一民族に近い日本では違う。我が国では気持ちは強く主張するより、態度や雰囲気で察するものなのだ。

 はっきり言うが、アラサーになっても愛情を態度から察してくれず、付き合った後も愛情表現を言葉で欲しがるアキヨさんは、日本の男性にとっては「重くて面倒くさい女」だ。
 さらに「結婚は考えてくれているの? それと家族観や人生観、男女観は?」とかいろいろ聞かれたら、重たすぎて彼氏は本当に逃げ出してしまいたくなるかも知れない。

 付き合って一年で、アキヨさんはもう結婚も視野に入れているわけデスか。
 まあ、アキヨさんはアラサーだからね。そういう事も視野に入れた上での交際でなければ、そろそろマズいお年頃かとも思う。
 ただ男の場合、結婚と年齢の問題は女性ほど切実ではないし、「男の精神年齢は、実年齢から十歳くらい引いて考えろ」とも言うよ。
 だからアキヨさんの彼氏も、結婚するよりまだ自由に遊んでいたい可能性も充分あるだろうね。

 それでも男だって三十代も半ばになれば、結婚について焦りも出てくるし、真剣に考えるようになる。
 で、アキヨさんの彼氏は、アキヨさんより二つ年上ということで。
 32歳と言うと、結婚についての意識は微妙、と言ったところだろうね。「まあ、そろそろ」とは思っているけれど、まだ切実に「しなければ!」と焦っているわけでもない……といった感じかな。
 だから30歳のアキヨさんが二つ上の彼氏に、結婚について聞いてみるのは、本当に“微妙”だと思う。

 この二人の関係を、亀山氏は「一年付き合ってもいても、まだ距離を詰められない恋人たち。一緒にいられればそれだけでいい、という熱さも感じとれない」と言う。
 そしてさらに「少しずつ彼の本音を探れるような会話をしていったほうがいいかもよ、と私はやたら遠回しに言うしかなかった」と、この件についてのコラムを結んでいた。

 うーん、「やたら遠回し」って、「少しずつ彼の本音を探れるような会話」をするのは、この件に関しては別に少しも遠回しではないと思うよ。
 だってさ、もし30歳になった女性にストレートに「結婚は考えてくれているの?」聞かれて、つい頷いてしまったら、後はすぐ「婚約→親族同士の顔合わせ→結婚」って一本道を突っ走ることになっちゃうじゃん。

 相手が若い女の子なら、「うん、考えてはいるよ。でもまだ仕事もいろいろ覚えなきゃならなくて余裕もないし、給料ももう少し上がってからでないと生活して行くのも大変だから、しばらく待って」とか言えるけれど、もう30歳になった女の人の結婚話に「待ってほしい」とは言えないからねえ……。
 だからもし30歳になった女性に結婚話を切り出されたら、すぐ覚悟を決めて婚約→結婚と話を進めるか、それが出来なければ「ゴメン。今はまだ無理だから、他のもっと良い人を捜して」とキレイサッパリお別れするしかないよ。

「彼が私をどう思っているのか不安、でも相手にどこまで踏み込んだらいいかわからない」と言うこのアキヨさん(30歳)は、本当は結婚は考えているのかとか、家族観とか人生観とか男女観とかいろいろ聞いてみたいそうだけれど。
 このアキヨさんは、どう見ても結婚願望がたっぷりありマスよね?

 このアキヨさん(30歳)に、期間未定で「しばらく待って」とは、とても言えないでしょ。だって30代の女性をそういう宙ぶらりんの状態で放置しておくのって、生殺しに近いくらい残酷なことじゃん。
 そして「結婚する気はある、でもいつするとは言えない」という状態のまま付き合いを続けて、アキヨさんがもっと年を取った後で喧嘩別れすることにでもなったら、それこそ取り返しのつかない人生の悔いになっちゃうよね。

 かと言って、その場の雰囲気で深く考えずにうっかり「そのつもりでいるよ」と答えでもしたら、すぐに「婚約! 結婚!」と話を進められ、さらに「式はどうする? 子供はいつ頃、何人作る? 家事の分担は?」と、具体的な新生活のプランまでどんどん詰めて行かれそうな気がする。

 だからそれなりの年齢になった女性に切り出される結婚の話は、男にとっては本当に重いんだよ。
 ゆえに彼氏に結婚するつもりがあるかだけでなく、彼氏の家族観や人生観や男女観も知りたいアキヨさんは、ストレートにその問いをぶつけるのではなく、本当に慎重に、遠回しにそれとなく探るしかないと思う。
「この先、私とどうしたいの? 結婚する気はあるの?」
 ズバリそう聞いても良いのは、自分の年齢にリミットを感じて、彼氏にその気が無いならもう別れて他の人を捜す覚悟を決めた時
だよ。

 でも彼が自分を愛しているのか、言葉にして言われなければわからない、そして家族観や人生観や男女観なども、いちいち聞いてみなければわからない……って、このアキヨさんは30歳になるというのに随分と幼稚な人だと思う。
 愛情など、欧米人のようにいちいち口に出さなくとも、態度や雰囲気に滲み出てくるものでしょうが。それに家族観や人生観や男女観だって、日頃の雑談や何気ない態度などからも、充分に窺い知れるものではないか。

 例えば、デート中にどこかのお店に入る。その時、自分より下の立場にある店員さんにどんな振る舞いをするかでも、相手の人間性の一面がわかるし。
 仕事や趣味などの話をするだけでも、相手の知識や向上心などもわかる。
 そして特に相手が一人暮らしなら、相手の家に遊びに行くだけでも、相手の家事能力にそれなりの見当がつく。
 相手の金銭感覚だってデート中にも充分に察することができるし、「金払いの良い、いつも奢ってくれる気前の良い彼氏」は、結婚すれば「金遣いの荒い、無駄遣いの多いダンナ」になることに気付かない女性は愚かだ。

 それ以外にも、仕事をどれだけ大切にしているかとか。
 趣味にどれだけ金と時間をかけているかとか。
 仕事とプライベートの区別はキッチリしているタイプかとか。
 友達付き合いは、どの程度に大切にするタイプかとか。
 家族との仲は良いかとか。
 ブランド物を欲しがるタイプかとか。
 時間や約束はちゃんと守るタイプかとか。
 先のことをよく考えてから動くタイプか、それともその時の感覚や感情で動くタイプかとか。
 いちいち聞いてみなくても、ただ見ているだけでわかる事はその他にもたくさんあるぞ。

 これは相手の女の子がお喋りだったのか、それとも黒沢が聞き上手だったのかはわからないけれど。
 黒沢は付き合ってた女の子の人間関係やら、学校や職場での状況やら、好きな事やら、性格や考え方やら、やりたい事やら、家事能力やら、大体把握していたよ。
 いや、別に黒沢があれこれ聞き出したわけじゃないんだ。「うんうん」と頷いたり、「へえ、それで?」と話の先を促したりしてただ聞いているだけで、女の子は自身のことを本当によく喋ってくれるから。
 まっ、最後の家事能力については、話に聞くだけでなくお宅訪問もして、部屋の様子を見て御飯を作っていただけば自然と知れることだけれどね。

 もちろん彼女だって心の内まで全部喋っているわけではないし、「彼女の事なら何でも知っている」とは言わないよ。
 けどね。「いちいち尋ねてみなくても、相手の態度をよく見て、何気ない雑談にもよく耳を傾けているだけで、恋人のことはかなりわかる」というのも事実なんだ。
 だから黒沢は、彼氏のことについて「わからない、わからない」と連発する例のアキヨさんは、「30歳にもなるのに幼稚な人」だと言うわけデス。

 で、亀山氏はそのアキヨさんを例に挙げ、「今の若い恋人たちは、KYと言われるのを恐れて相手の心に踏み込まない」というようなコラムに仕立て上げていたけれど。
 違うって、ただそのアキヨさんって女性が30歳にしてはバカで、ちゃんと見ていればわかる事を態度や雰囲気から読めてないだけなんだってば。

 以前にもこのブログで触れたけれど、この亀山氏って、実に下らない一例からもっともらしい一文のコラムをひねり出すのがすごく巧いのには、本当に感心させられる。
 亀山氏は言葉の錬金術師だと、黒沢は心から思う。殆ど中身のないろくでもない事をネタに、現実を知らない人が読めば「へえ、今の恋人たちってそういうものなのか」と思ってしまうような、それらしいコラムを書いてしまえるのだからね。

 それにしても、元のコラムの亀山氏の文章は妙に平仮名が多くて、普段から文を読み慣れている黒沢にとっては、逆にそれが苦痛で仕方ないのだ。
 文章を読み慣れた者は、字を一字ずつでなく、文節ごとにまとめて読むものだ。しかし亀山氏の文章は句読点も少ない上に、平仮名をだらだらと長く続けて書いてあるので、文節の切れ目がわからず、本当に本当に読み辛い。
 ……でも、こんな文体でもプロのノンフィクション作家としてやって行けるのデスね。
 うーん、この事実にも改めて驚かされたよ。

 もしかしたら亀山氏は例の『現代恋愛模様』というコラムを、字を一字ずつ拾い読みしながら文を読むような人を対象に書いているのだろうか。
 うん、そう考えればコラムの内容の無さと中身の幼稚さも、充分に納得がゆく。

PageTop

浮気や不倫はダメ、絶対!

 黒沢は未だに独身だが、恋愛だけは人並みにしてきた。いや、付き合ってきた女性の数は両手の指でも足りないくらいだから、恋愛経験だけは人並み以上かも知れない。
 だが残念ながら、これは決して自慢にならない。
五人以上の相手と付き合っても結婚に至らないのは、その人の人間性に何か問題があるからだ」という言葉をどこかで聞いたことがあるが、己自身のことを振り返っても、「確かにその通りだろうなあ」と思わざるを得ない。

 女性と深く長く交際する上で、自分の性格にいろいろ問題がある事実は認める。自分の時間や趣味や猫を大切にし過ぎとか、他人と合わせることが苦手とか、空気を読めてもあえて無視するとか様々な問題がありまして、幾人もの女の子と付き合ってはきたものの、いつも最終的には黒沢がフラれてきたよ。
 その恋愛や結婚の相手としてはいろいろ“難アリ”の物件の黒沢だけど、ただ一つだけ胸を張って言えることがあって。
 黒沢は、誰かと交際中に浮気をした事は一度も無いデス。

 かなり以前、北岡夢子さんというアイドルが、雑誌の恋愛問題に関するコラムで「女の子は“渡り鳥”だから」と書いていたけれど。黒沢の経験でも全くその通りで、ちゃんと彼氏がいても(見てくれなり財力なり)より条件の良い相手を探して、複数の男性の間を渡り歩く女の人はかなり多いと思う。
 実際、黒沢がフラれた理由ってのは「アナタが嫌いになったから」ではなく、「他に好きな男が出来たから」ばかりだった。
 しかも女って本当にズルいんだよ。
 他の誰かをもっと好きになった段階で、潔く別れ話を切り出すのではなくて。その“新しい男”ともしばらく二股で交際して、その相手とも体の関係を持ってもう引き返せない……って状況になって初めて「他に好きな人が出来た」とカミングアウトしてくるような子が、本当に呆れるほど多くいるんだよね

 ある女の子から聞いた話だけれど。
 今の彼氏の欠点がいろいろ見えてきて、そして他に気になる男性が出来ても、女の子はそれだけでは今の彼氏と別れない。
 今の彼氏には飽きがきていても、彼氏ナシになってしまうのは寂しい。
 だから今の彼氏には内緒で、別の気になる新しい男にアプローチをかけて。そしてその新しい男をゲットして交際も始めてしまってから、古い彼氏を切り捨てにかかる
のだとか。

 ……うん、そういうコトをされた経験、黒沢は何度もありマス。
 昔、黒沢がお付き合いしていたエリさんという女の子がいて。ところがそのエリさんと、ある時から急に会えなくなってさ。
「仕事が忙しくて、研修とかいろいろあって──」って事で、黒沢も最初は疑いもせずに納得していたよ。「仕事なら仕方ないよね」って。
 ところがエリさんの“仕事”は更に忙しくなる一方で、連絡は途絶えがちになるし、とうとう「忙しすぎて大変で、年度末まで会えない」と言われて。
 それでも黒沢は馬鹿正直に待ちマシタよ、そのエリさんの言う年度末まで。
 ……そうして約束の年度末まで待って会おうとしたところ、エリさんは元のアパートにすら居なかったんだ。
 で、ようやくわかったのだけれど、なかなか会えなくなった頃にエリさんは一人の男性と出会っていて、「仕事で忙しくて」と言われた頃にはその男性との交際を順調に進めていて、「年度末まで会えない」と言われた時にはその男性のアパートで同棲を始めていたのデス。
 彼女の仕事を理解しているつもりでじっと待っている間、彼女は別の男と一緒に暮らしてヤリたい放題にヤリまくっていたのだと知った時のやり切れなさや情けなさと言ったら、本当に……ねえ。

 まっ、そこまでヒドかったのは、このエリさん一人だったけれど。
 でも黒沢が付き合っていた女の子の殆どは、しばらく内緒で二股をかけ、新しい男とヤることヤる仲にまでなってから「他に好きな人が出来たから別れて」って言って来たね。
 女は自分が第一で、自分を守る為には何でもする狡い生き物だと、黒沢は本当に思うよ。

 自分に悪い所があって愛想を尽かされるとか、他にもっと好きな人が出来てしまってフラれるなら仕方ないと諦めもつくよ。
 けど内緒で二股をかけて別な相手とも付き合って、ヤることもしっかりヤっちゃってから「別れて」って言い出すのはルール違反だと思うし、された方としては深く深く傷つくよ。
 ただフラれた上に、「浮気されて裏切られてたんだ」って痛みが、重くのしかかるからね。

 もちろん黒沢だって、「一度好きになったら、一生心変わりせずにいろ」なんて言うつもりは無いよ。人の心は縛れないし、彼女がもし他の人を好きになってしまったとしても、辛いけれどそれは仕方ないことだと思う。
 ただね、もし他の人を好きになってしまったら、元の恋人にはその時点できちんと告げて別れるべきだと思う。新しい相手とも内緒で会い続けて、ヤることもヤって既成事実も作っちゃってからそれまでの恋人を切り捨てるのは、どう見ても二股だし裏切りだよ。

 貴方に愛想が尽きたから、あるいは他にもっと好きな人が出来たからと彼女にフラれる。これは辛いけれど仕方ないと諦めもついた。「自分に彼女の心をつなぎ止めておくだけの力が無かったんだ」ってね。
 でも二股をかけられ、知らないうちに寝取られていた上に「もう要らない男」として切り捨てられた場合は、裏切られた痛みと苦しみが本当に後々まで長く尾を引いて残ったよ。
 だって恋人って、誰より信じて心を許している相手でしょ? その相手に裏切られた傷は深いし、女性不信になりかねないくらい落ち込んでしまうよ。

 黒沢は自分がそうした経験をして、信じている相手に裏切られる痛みをよく知っているから。
 だから「二股をかけて彼女を裏切る」っての、絶対にできないんだ。
「人を裏切らない」ってのは、恋愛のルールと言うより先に、人としての道義の問題だと思う。

 でも女の人って「恋愛にルール無用」と言うか、「好きになっちゃったら、気持ちはもうどうしようもない」って、自分の感情のまま突っ走っちゃう生き物なんだよね。
 しかも女の人は、まず自分が一番に可愛いから。
 だから「元の彼氏ときちんと別れてから、新しく好きになった人に交際を申し込む」という正しい手順を踏まずに、両方の男の人に内緒で二股をかけ、新しい相手とも交際を始めヤることヤってから、元の彼氏を切り捨てにかかるんだよね。

 もし付き合っている彼女に、いきなり「他に好きな人が出来たから、別れて」と言われたとしたら。断言するけれど、彼女はその新しい男と既にデキていると思って間違いないね。
 キミにとってその言葉が、どれだけ突然なことであっても。その彼女はキミのことは、既に“過去の男”として心の中で切り捨てているのが現実なのだ。
 だからキミがいくら情に訴えてこれまでの楽しかった思い出とか話して、「別れたくない、悪い所があるなら直すから考え直してくれ」と懇願しても。彼女にはただ、「女々しい、情けない男」とウザがられるだけだよ。
 女の人はまず自分が第一だし、他の誰かに心を移すと元の彼氏にはホント信じられないくらい冷たくなれる生き物だよ。黒沢はその現実を、我が身の痛みをもってよく知っているのだ。

 信じていた彼女に内緒で二股をかけられ、そして寝取られた上でその相手に乗り換えられる。そうした体験を、黒沢は何度も味わっているからね。
 だから「浮気はダメ、絶対!」って強く強く思ってる。
 恋人以外に好きな人が出来たのなら、その時点でその事をちゃんと告げるべきだ。そしてそれまでの恋人とはちゃんと別れてフリーの身になってから、新しく気になった相手にアプローチを始めるのが道理というか“人の道”だよ。
 それだけに不倫など絶対に許せない、外道のする事だと思ってる。
 江戸時代には不倫は“不義密通”と呼ばれ、された方は不倫をした二人を殺しても構わなかったけど。平成のこの日本だからこそ、不倫にそのくらい厳しくした方が風紀やモラルの点で良いのではないかと、黒沢は本気で思っている。

 もし結婚相手に不満があるなら、きちんと離婚しなさいよ、って。
 そりゃあ既婚者でも、結婚相手以外の人を好きになってしまう場合もあるだろうよ。で、その恋心を抑え切れないのならきちんとその事を告げ、有責者として謝罪し慰謝料等も払って離婚してキレイな体になってから新しい恋を始めるのが“筋”ってもんだよ。
 離婚はしない、でも他の人とも付き合って肉体関係を持つとか、汚らしいったらありゃしねえ

 でも現実にはその汚らしい浮気が、この平成の日本では当たり前のように行われているんだよね。
「男の本能だから」と、妻も子もいるのに目の前に若くて可愛い子がいれば性欲のまま手を出す。
 一方の妻も妻で、夫は生活費を稼ぐATMと割り切り、「女として輝いて生きる為に」別の男との恋を楽しむ。
 黒沢はそれを「汚らしい」と思うが、「恋と結婚は別物」と不倫を肯定する者が、言論で暮らしを立てている“識者”の中にもいるのだから困ったものである。

 10月25日付けの毎日新聞で、ノンフィクション作家の亀山早苗氏が連載している『現代恋愛模様』というコラムの中で、こんな例を挙げていた。

 パートで働く主婦のミカコさんという人がいて、彼女は二十代半ばで半年ほど付き合っていた彼氏とデキ婚をした。が、その夫はすぐに浮気をするようになった。
 しかし新生児を抱えて離婚は出来ない、それで浮気にも目をつぶり、夫に「オレと同じだけ稼いでみろ」と言われて悔しい思いをしても耐えてきた。
 が、四十代半ばになり子育ても一段落した一年前から、ミカコさんはパートに出るなど、前より積極的に外に出るようになった。そして半年前に参加した高校時代のクラス会で昔片想いしていた男性と再会し、心が波立ち「ときめきが急に目覚めてきて」恋に落ち、密かに会うようになる。
 で、ミカコさんは「この先、老いていくだけの人生を少しでも楽しいものにするには、自分が行動するしかない」と、パートの傍ら、昔とった資格を生かせる職場を探しているのだとか。

 と言ってもこのミカコさんは、離婚するつもりはないのだという。「恋と結婚生活を並べて語る気はない」と。「それとこれとは別」なんだってさ。
 つまりさ、「稼ぎは夫の方が良いから、今の暮らしは捨てず、でも恋はしたいから不倫は続ける」ってことだよね。
 黒沢にはこのミカコさん、「良い暮らしも手放したくないし恋もしたいとか、何とも欲の深い汚らしいオバサン」としか見えないけどね。
 例の同窓会で再会したという男性への気持ちがもし本当に“恋”だと言うなら、夫とはきちんと離婚してその恋を貫くべきじゃん。二十代半ばで生んだ子供だって既に成人に近くなっているのだし、離婚に障害は無い筈だよ。もしミカコさんに、「その自分の“恋”にちゃんと責任を取る覚悟があれば」の話だけれどね。

 わかってるって、「自分が“不倫した妻”として離婚の有責者になるのも、収入がパートの給料だけになって生活が苦しくなるのもイヤ」なんだよね。
 だから「恋と結婚生活は別」なのだとか言って、夫の稼ぎで楽な暮らしをしつつ、恋(浮気)もちゃっかり続けたいんだよね。
 ……どこまでも厚かましくて図々しいオバハンだとしか、黒沢には言いようが無いよ。

 と言うとさ、きっとミカコさんをこう援護する女性たちが出てくると思う。「ミカコさんのダンナだって、これまで浮気してきたじゃないの。だからお互い様よ」って。
 でもね、そもそも浮気って「相手がしたから、こっちもし返す」というものじゃないでしょ? 夫がしようが妻がしようが、不倫は「してはいけない、許されないこと」なの!

 夫の浮気がわかった時点で、ミカコさんはきちんと怒るべきだったのだ。離婚を覚悟してでも、納得が行くまで夫と話し合うべきだったのだ。
「新生児を抱えて離婚はできない」、だから浮気の件は心の中で水に流したとミカコさんは言うが、そんな事は無い。同じようなケースで、小さな子を抱えながら離婚する道を選んだ母親は幾らでもいるよ。
 キチッと慰謝料と養育料も取って、たとえ生活が以前より苦しくなっても自分と我が子の為に頑張るのが“人としての筋”ってものでしょう。
 自分が働いている間は、子供は実家の両親に見て貰うことも考えられるだろうし。実家の両親を頼れなくても、託児所などを利用して働きながら自活しているシングルマザーは少なくない。
 そしてミカコさんには、そこまでする気概が無かったんだよね。で、「自分が働いて生計を立てるより、ダンナの給料で暮らした方が楽」と。
 その姿勢は今も変わらず、高校時代に好きだった相手と再会してもその恋を貫く道は選ばず、「恋愛は不倫相手のカレと楽しみつつ、でも暮らしは(主に)ダンナの収入で」って姿勢で生きているんだよね。
 結局ミカコさんは自分が一番可愛くて、一番楽な道を歩いてるのだ。

 だいたいさ、ミカコさんが結婚した経緯ってのが、「半年付き合った彼氏とデキ婚」だもの。
 たった半年つき合ってデキ婚って事はさ、「出会ってそう間もないうちに肉体関係を持ち、しかもナマでヤった」って事だよね?
 ミカコさんは、結婚してすぐ浮気された被害者のように言ってるけどさー、その結婚に至る過程を聞いただけで「相手はいい加減なヤリチン男だろ」ってわかるよ。
 そして出逢って間もなくカラダを、それも“中出し”でのセックスまで許してしまうミカコさん自身に対しても、「ちょっとお尻が軽いのでは?」と言いたくなる

 要するにさ、この夫婦は欲望に流されやすい似た者同士の二人なんだよね。だからダンナはミカコさんが妊娠・出産して子育てに追われるようになれば、妻に女を感じられなくなってすぐ浮気して。そしてミカコさんもミカコさんで、同窓会で初恋の男性と再会すれば、そのままズルズル浮気を始めて。
 そして浮気はしてもその責任を負う気もなく、きちんと離婚して新しい恋を堂々と始める気もないところも似た者同士の夫婦だね。
 だから黒沢から見れば、この二人は性的にルーズなだけとしか思えないのだ。

 その10月25日の『現代恋模様』で、亀山早苗氏はこうも書いている。

 夫婦の問題で取材をしている時、結婚生活で一番つらいことは何かと問うたことがある。40代の女性たちはこぞって「離婚できないこと」と答え、虚を突かれた感があった。

「虚を突かれた」って、黒沢に言わせれば「何言ってんの」って感じだよ。
 離婚すりゃーいいじゃんよ、夫婦でいるのがそんなに辛ければさ
 要するに、そーゆー奥さん達って、自分の生活レベルを下げたくないだけなんだよね。自分で働いてでも自活して行く気概もなく、ダンナの収入をアテにして生きているくせに、陰ではダンナの悪口を言い、時には不倫もしながら、「恋と結婚生活は別」などと恥ずかしげも無く自己正当化してのける
 ……醜いよね、ホント醜いと黒沢は思う。

 傍から見れば、ミカコさんのしている事は紛れもなく不倫だ。
 しかし亀山氏はコラムの中で“不倫”という言葉は一度も使わず、すべて“恋”と書いている
 そして「恋が彼女の人生を動かし始めた。恋が勇気を与えた。それは否定できないと私は思う。そういう生き方もあるのだ」と、不倫を肯定するような言葉でそのコラムを結んでいた。

 冗談じゃない。
 何が「恋が彼女の人生を動かし始めた」だ。
 何が「恋が勇気を与えた」だ。
 ダンナの給料をアテにして暮らしながら不倫も楽しむのが“勇気”で“人生を動かし始めている”と言うのか
 本当の勇気とは、そして本当に自分の人生を動かすとは、事実を打ち明けてキチンと離婚し、辛くとも自力で生活しつつ新しい恋も貫くことではないか。
 ダンナの稼ぎで楽な暮らしをしながら「離婚できないのが辛い」とか、そして不倫もして「恋と結婚生活は別」だとか、面の皮が厚いにも程があるよと黒沢は怒りたい。

 度し難い恋愛礼賛者である亀山氏は、おそらく既婚者の婚外恋愛も肯定しているのだろう。何しろ例のミカコおばさんwwwの浮気も、「人生を動かす勇気」で、「そういう生き方もあるのだ」と理解しているようなお方だから。
 亀山氏の脳内と言うか恋愛に対する感覚には、不倫という言葉すら無いのではないかと思う。
 黒沢が呆れるのはこの亀山氏の倫理観の無さ過ぎる思考より、このような馬鹿げたコラムを毎週土曜日に紙面のかなりを割いて掲載し続けている、毎日新聞の編集部の「自由恋愛に対する、妙に理解ある態度」である

 浮気はダメ、絶対
 新しい恋を始めるなら、それまでの恋人なり配偶者ときちんと別れてからにすべき
 既婚者の婚外恋愛は、法律で取り締まって罰しても良いくらいだ。
 こう思う黒沢は、平成のこの日本では考えが古すぎるのだろうか。

PageTop

恋愛至上主義の女性ノンフィクション作家のバカさ加減には、心からウンザリだ

 黒沢の家では、長いこと毎日新聞を購読している。主な全国紙のうち、リベラルを気取る朝日新聞の左翼的な論調は大嫌いだが、自民党ベッタリの“ナベツネ”が支配する読売新聞も真っ平御免だ。
 となると、選択肢は毎日新聞しか残らないではないか。

 そんな理由で消去法で選んだ毎日新聞だが、その記事や論調にはほぼ不満は無い。朝日のようにイデオロギー的な色彩も強くなく、かと言って読売や日経や産経のような、露骨に安倍晋三をヨイショする政権翼賛的な嫌らしさもなく、記事や論調は概ね程良くバランスが取れているように思う。
 ただ、社外のライターやノンフィクション作家などに書かせているコラムは、どれもこれもいけ好かないか、実に下らないものばかりだ。
 はあちゅうなるアラサー女の『東京ミーハーダイアリー』にしろ、山本ふみこ氏の『山本さんちのあっ!?』にしろ、「何でこんな駄文に、わざわざ貴重な紙面を割くかなー」と溜め息をつきたくなるほどヒドいものだ。

 しかしその二つのコラムも問題にならないほど酷いのが、亀山早苗氏の『現代恋愛模様』だ。
 はあちゅうと山本ふみこ氏のコラムの方は、「あーあ、またくっだらねーコト書いてやがる」と呆れるだけで済む。しかし亀山氏の『現代恋愛模様』の方は、読む度に怒りで腸が煮えくり返る。「いい年して色ボケしたコトほざいてんじゃねーよ、この恋愛(と言うよりセックス)至上主義オバサンが!」と。

 例えば10月11日の、亀山氏のコラムを見てみよう。亀山氏はその日のコラムで、母親の恋愛沙汰に悩む娘について書いていた。
 その中身を要約すると、まあ大体こんなところだ。
 都内で一人暮らしをするミカさんの母親は60歳で、電車で二時間ほどの所に住んでいる。この母親は五年前に夫(ミカさんの父親)を亡くしていて、こちらも一人暮らしだ。
 その父親の生前からミカさんの両親は不仲で、原因は「母が他の男に色目を使ったせいだ」と娘もわかっていた。それもただ色目を使っただけでなく、実際に浮気もしていたとミカさんは確信している。
 それでか、ミカさんは大学に入学すると同時に一人暮らしを始めた。
 そして五年前に父親が亡くなると、母親はミカさんに「戻って来い」と煩く言ってきた。
 ところが最近何も言って来なくなったと思っていたら、母親は近くに住む年下の、しかも既婚者の男性と恋愛沙汰を起こしていた。そして相手の奥さんに家に怒鳴り込まれて大騒ぎになって、近所の人達のミカさんへの態度もおかしくなっていて。
 さらに数ヶ月後、母親はまた別の男性と恋愛沙汰を起こして、ミカさんの部屋に突然現れた。ただその相手の男性は独身だということで少しほっとしていると、実の娘に正気でこんな相談事をしてきたのだ。
「うまくいってないの。私の体には未練があるみたいなんだけど。どうしたらいい?」
 ……胸がムカムカして、ミカさんはすぐに母親を追い出したそうだ。

 当然だよね。だって自分の親の恋愛、それもセックスの話を聞きたい子供なんて、どこにもいる筈もないよ。
 だが亀山氏は、それは依存心や嫉妬心や支配欲で、ミカさんが母親の恋愛に対して「許せない」と怒るのは、ミカさんが母親との距離をうまく置くことが出来ないせいだと解釈している。
 亀山氏の理解では、問題は母親でなくミカさんの方にあるのだそうだ。そして浮気や不倫を重ねてトラブルを起こし、還暦にもなって実の娘に自分のセックスの問題を相談するこの母親は、亀山氏によれば「正直ですてきな女性」なのだそうだ
 ……呆れてものが言えないとはこの事かと、コラムを読んでつくづく思ったよ。

 よく親の立場で「幾つになっても、子供は子供」と言うが、それは子にとっても同じなのだ。子の立場から言っても、「幾つになっても、親は親」である。
 だからその親のナマなセックスの話を、聞きたい子供などいる筈がないのだ。
 断言できるが、「男同士だから」と、息子にセックスも含む自分の恋愛の話をする父親はまずいない
 ところが女性の場合は、事情がどうやら少し違うようだ。「女同士だから、気持ちをわかってもらえる筈」と、娘に自分のセックスや恋愛の話をする母親が、ごく少数ながらいるらしい。
 しかし娘にとっては、意識はあくまでも「親は親」だから、母親のナマな恋愛話など聞きたくでもない。それでミカさんとその母親のようなトラブルが起きるわけだ。

 黒沢がかつて付き合った彼女が、母親のアルバムを見たら、一時期の写真だけすっかり無くなっていたのだそうだ。それで彼女は、「お母さんにも、いろいろあったんだなぁ……って思ったよ」と、黒沢に実に複雑な笑顔を見せて呟いたよ。
 実際の母と娘の関係なんて、そんなものだと思う。娘はアルバムの写真が欠けた部分から、母親が父親と結婚する以前に違う男性とも交際していたことを察する。しかし娘は母親にあえて何も尋ねず、母親も過去の恋については娘に何も語らない。
 それが普通であって、自分の恋愛関係やセックスの悩みを実の娘に相談する母親の存在の方が異常だと思う。
家庭に恋愛は持ち込まない
 そう言ったのはビートたけしだが、黒沢も激しく同意したい。家族は家族であって、ナマな男同士や女同士じゃないんだってば

 だが自分の乱れた性関係を見せつけ、あまつさえセックスの問題相談までする母親を「許せない」と怒るミカさんは、亀山氏によれば母親に依存していて距離の置き方を知らず、「母親を特別視し、母の愛を欲している」のだそうだ。
 おいおい、正気かよ亀山サン
 相手に依存していて距離の置き方を知らないのは、自分の肉体関係の悩みまで娘に相談するバカ母(エロババア?)の方なのは、誰が見ても明らかではないか。

 亀山氏は言う、「母と自分は別人格だし別の人生。恋愛観も人生観も異なるのだと自覚したほうがいい」と。
 確かにそれはその通りだ。
 但し恋愛観や人生観は人それぞれでも、「やってはならない、許されないこと」は間違いなくある。
 それが不倫だ。
 不倫や浮気は、恋愛でも人生でもやったらアウトの禁止事項なのだ。そしてミカさんの母親は、それを繰り返している。
 だからこそミカさんは、母親を「許せない」と怒っているのだ。
 それは倫理的な怒りと、そして生理的な嫌悪感であって、亀山氏の言うような「距離感の置けない、愛を求めた依存心」などではない。

 ミカさんは三十代になるがまだ独身で、「私が恋愛に背を向けるのも、子どものころから母の女の面を見ていたせい」と言う。
 そのミカさんに、亀山氏は「自分が恋愛しないのを母親のせいにするのは違う」と言う。そして「自分は自分。そう思えれば、母親とは違う恋愛パターンを身につけていくことができる」と。
 何という想像力の無さだろう。
 亀山氏は、少しでも想像した事があるだろうか。ほんの子供の頃から母親が他の男に色目を使い浮気している姿を見、そしてそのせいで不仲な両親の間で育った子供の気持ちを。
 そんな子供が、恋愛や結婚にプラスのイメージを抱いて積極的になれる筈など無いだろうが。
 にもかかわらず亀山氏は、「自分は自分。母親とは別人格」と割り切ってどんどん恋愛して行けないミカさんに問題があるように言う。母親との距離を適切に取れず、母の愛を求めて依存しているのだと。
 何たる勘違い、そして何たる想像力の欠如と呆れるばかりだ。
 浮気な母親を見続け、不和な家庭で育った子供の気持ちも理解できず、逆にビッチそのものの母親を「正直ですてきな女性」と持ち上げ、苦しんできた娘にさらに鞭打つような言葉を吐く
 こんな人がノンフィクション作家として恋愛を語り、全国紙にコラムを書いているのだ。

 亀山氏に訊きたい。
 もし子供がまだ小さいうちから、よその女に色目を使い、実際に浮気もして妻(母親)とは不仲の父親がいたとして。
 そしてその父親は、母親が死ぬと既婚者の女性に手を出し、相手のダンナに家に怒鳴り込まれて大騒ぎになって、近所でも白い目で見られて。
 だが懲りずにまた別の女性にも手を出し、今度の相手は独身だと聞いてホッとしていると、実の息子に「彼女とうまくいってないんだ。彼女は俺の“モノ”には未練があるようなんだが、どうしよう?」と本気で相談を持ちかける。
 そんな男に対しても、亀山氏は「正直ですてきな男性だ」と言ってくれるのだよね? だって、そうでなければ“男女平等”じゃないものね。
 でも実際には、そんな親爺がいたら「いい年して何やってんのよ、このエロジジイ!」と罵りたくなるのではないか。

 オッサンがいつまでも恋愛沙汰を起こしていたら、キモいエロジジイ。だけどそれが女性なら、還暦になっても恋愛沙汰でトラブルを起こし、セックスの問題を実の娘に相談しても「正直ですてきな女性」と
 何か矛盾してないデスか、と黒沢は言いたい。
 だが亀山氏のように恋愛(セックス)至上主義者の女性達は、「女はいつまでも若くあるべきで、恋やセックスもして当然だし、不倫もアリ」と当たり前のように思っているんだよね。
 だからこそミカさんの母親のようなユル股ビッチのオバアチャンを、「正直ですてきな女性」と持ち上げる
 気は確かか、と黒沢は訊きたいよ。
「自分の欲望のままに行動していいはずがない。情けなくなりました」と言うミカさんの方が、亀山氏などよりずっとまともに思えるのだが。

 浮気や不倫を繰り返し、自分の欲望のままに行動するミカさんの母親は「正直ですてき」。
 だったら痴漢も泥棒もDV男(女)も、みんな「正直ですてき」という話になる筈だ

 そんな事すらわからずにピントの外れたコラムを書き続ける亀山氏と、そんな亀山氏に紙面を与え続けている毎日新聞の“痴性”には、本当に呆れかえるばかりだ。

PageTop

亀山早苗氏の幼稚な恋愛観と“言葉の錬金術”

人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない
 そう言ったのは確かカエサルだったと思うが、人は往々にして「己に不都合な真実」から目を逸らしがちである。そしてその現実は、良い年をした大人になっても変わらないようだ。

 主に男女関係について書いているノンフィクション作家に、亀山早苗という人がいる。亀山氏については以前にもこのブログで取り上げたが、氏は連載している毎日新聞の『現代恋愛模様』というコラムで、9月6日にこのような事を書いていた。

 ある女性が、週に一回デートして週末には一緒に泊まってもいる関係の男性に、一緒にどこかに出掛けたいと思って夏休みの予定を尋ねた。ところが相手の男性は、こう答えたのだという。
「なんで教えなくちゃいけないの? オレたち別に付き合っているわけじゃないでしょ」
 そしてまた別の男性も、女性に「何度もセックスしたからって恋人面しないでよ」と言われて嘆いていたそうだ。

 それらの現実に、亀山氏はこう驚くのである。

 こういう話は数年前からよく耳にするようになった。「付き合ってください」「はい」というやりとりがない限り、付き合っていることにはならないと考えている人が増えているそうだ。


 いや、それは全然違う。恋愛の問題を書くプロのノンフィクション作家なのに亀山氏は「モノを知らな過ぎる」と、黒沢はコラムを読みながら呆れてしまった。

 正式に恋人になるのに「付き合ってください」、「はい」というやりとりが必要と思われるようになったのは、亀山氏の言うように「ここ数年前から」ではなく、「ずっと以前からそうだった」と黒沢は認識している。
 黒沢は亀山氏の言う「数年前」どころか、そのずっと前のまだ昭和の時代から複数の女の子と恋愛してきたが。そのどの場合にも、「好きだ、彼女になってくれる?」、「ワタシで良ければ」みたいなやり取りは、確かにあった。

 主に若者世代で使われる言葉に、「告る」というものがある。しかしその「告白」だの「告る」だのという言い方すら無かった黒沢の思春期の時代でも、正式に彼氏と彼女という関係になるには「好きです、付き合って!」、「はい」または「ワタシもアナタが好き!」というやり取りが欠かせなかった。
 黒沢が実体験として知っている時代よりもっと昔に遡れば、付け文、今で言うところの想いを打ち明けるラブレターは江戸時代にもあった。そして平安時代どころか飛鳥大和時代の頃から、男女はまず恋の歌を交わし合い、互いの気持ちを確かめ合っていた。
 ちょいと昔の田舎の農村の“夜這い”じゃあるまいし、「惚れたから」といきなり忍び込んで行って押し倒してエッチ、そして既成事実を作ってから夫婦に……とか、まずありえねーって。

 亀山氏はその「付き合ってほしい!」「はい」、あるいは「好きだよ」「ワタシも!」というやり取りの必要性に、こう疑問を投げかける。

 互いに相手にほれ込んでいることがわかった時点で、恋は成立すると私は思っていた。だが現代は、「付き合って」「はい」によって恋が成立するのだ。

 では亀山氏に問いたいが、二人が「互いに相手にほれ込んでいる」と、どうすればわかるのだろうか
 何度もデートしてセックスしていれば「互いに相手にほれ込んでいる筈」って?
 バッカじゃねーの? デートとセックスなんて、いわゆる“セックスフレンド”だって当たり前にしている
だろうが
 亀山氏が例に挙げた、週に一回デートして週末には一緒に泊まってもいる関係の男性に「オレたち別に付き合っているわけじゃないでしょ」と言われたという女性は、平たく言えば相手に“セフレ”としか思われていなかっただけなのだ。
 ただそれだけの話で、さらに亀山氏が取りあげた女性に「何度もセックスしたからって恋人面しないでよ」と言われて嘆いていた男性も、相手の女性に「カラダだけの割り切ったお付き合いの相手」と思われていただけの話だ。

 今は男女平等の世の中で、女性も男性に負けず劣らず性欲があり、肉食女子なるものも少なからず存在しているのが現実だ。
 それだけに、「一方は本気で惚れ込んでいたのに、相手にはセフレ扱いされていた」というケースは、男女に関係なくよく起きている。亀山氏が紹介した二例は、男女両サイドから見たそのケースに過ぎない。
 だからこそ! そうした誤解が生じないよう確かめる為にも、「付き合って!」「はい」または「好きだよ」「ワタシも!」というやり取りが必要なのだ。

 亀山氏は1960年生まれということだが、そのお年でしかも恋愛を語るプロでありながらセフレという関係の存在を頭から無視しているのだから、全く呆れてしまう。
 問題のコラムで、亀山氏はこうも書いている。

 形式上付き合っているが、相手にほれ込んではいないケースもあるのだろう。「恋人ほしさ」に付き合うことも多々あるだろうから。

 ……あのさー、相手に惚れ込んでないのに付き合う」って、それこそセフレっつーか、遊びの関係じゃん。
 惚れてないけれど「恋人ほしさ」に付き合うとか、事実を覆い隠して言葉を飾ってんじゃねーよ。それはズバリ、「カラダほしさ」だっつーの!
 いろいろ経験を積み、人間の裏も充分に見てきたであろう中年の、しかも恋愛を語るプロの物書きでありながら、セフレの存在という“不都合な真実”に全く触れず、カラダだけが目当ての関係まで“恋愛”の範疇に含めて語るから、付き合っている「宣言」がどうの、嫉妬する権利がどうのなどという妙な話に繋がって行くのだ。

 亀山氏のコラムによれば、「付き合って」「はい」のやりとりがあれば、嫉妬する権利や休日の予定を尋ねる権利、そして浮気してはいけないというルールが、数年前から生まれるようになったという。
 亀山氏はそれを恋人としての権利を駆使して相手を縛り付けることで、「根性が姑息」と言う。
 果たしてそうだろうか。恋人同士なのだから相手のプライベートな事だって聞いて構わないだろうし、相手が別の異性と親しくしていれば嫉妬して当然だし、浮気がいけない事だって言うまでもない。
 逆にカラダだけの関係でしかないセフレに、プライベートなことを詮索されたり、恋人気取りで嫉妬などされたらたまらないし、他の異性と親しくしようが浮気などと言われたくもない
 そしてそれらは「数年前から」ではなく、「ずっと以前からそうだった」と黒沢は理解している。

 人間には誰しも性欲はあるが、倫理観や恋愛観は人様々だ。「セックスは恋人としかしない」という潔癖な者もいれば、「恋愛感情に関係なく、本能と性欲に従ってヤリたくなればヤる」というサカリのついた動物なみの者もいて、それは男女とも同じ事だ。
 そして亀山氏がコラムで例に挙げたのは、「セックスしたから恋人になれたと思っていたら、相手はただカラダ目当てでセフレ扱いされていた」というだけの話なのだ。

 性欲に突き動かされて「ヤリたい」と思う気持ちと、人柄までよく見た上で相手を心から愛しく思う気持ちはまるで別である。
 セックスしたからって、愛してるとは限らない
 そんなコトぐらい、思春期の中学生男子だってわかってるよ。いや、むしろヤリたい盛りで性欲を持て余している中学生男子達の方が、その現実は亀山氏などよりずっと良くわかってるかな。

 にもかかわらずそのヤリたいだけの性欲と恋愛感情をごっちゃにして、付き合っている宣言がどうの、恋人としての権利がどうのと、いろいろ理屈付けてもっともらしい文章に仕立て上げてさ。
 そしてその駄文を個人のブログでなく全国紙のコラムに掲載して貰えて、原稿料まで貰えるのだから、「ノンフィクション作家の言葉遊びの錬金術って、すごいなあ」と、妙なところで感心してしまった黒沢でありまシタ。

PageTop

ビッチ化の進む日本の女性と、それを美化して褒め上げる女性言論人たち

 全く同じ事をしても女だと問題にされず、しかし男だと徹底的に叩かれる。そのような風潮が、最近ひどく多くないだろうか。
 そしてそれで女性と接するのが馬鹿らしくてやっていられなくなり、「もう一生、独身でもいい」と思う男性が現実に増えている。
 女性たちはそれを男性の草食化や勇気の無さのせいにするが、実際には「男が女性と付き合うことに価値を見い出せなくなった」だけである。
 男性の草食化が進んでいるというより、「男性から選ばれない女性が増えた」というのが現実なのだ。

 本当に現代の日本は、男女平等どころか男女逆差別が進んでいる。女性の権利と自由ばかりが声高に主張され、男は萎縮する一方だ。
 その一例を、毎日新聞に連載されている、ノンフィクション作家の亀山早苗氏の『現代恋愛模様』から紹介してみよう。
 今年の8月30日の亀山氏の「自分の欲望に忠実な女たち」という記事によると、最近の女性には二股をかけているという意識なく、複数の男性の付き合う女が増えているのだという。

 その、亀山氏が紹介するナオミという女性は、複数の男性と関係を持つ理由をこう言うのだ。
「たとえば恋愛映画を見に行くのには女友だちA子を誘いたい。でもサッカーを見に行くならB子。そうやって目的によって友だちを選ぶことってあるじゃない? 男性も同じじゃないかなあと思うのよ」
 そしてそのナオミとやらいう女性は、付き合いも長く気心も知れていてベストパートナーだという彼氏がいながら、渋い居酒屋やドレスアップしないと行けないようなレストランなどに連れて行ってもらいたい時には、別の年上の男性と……というのである。
 しかもそれは“母港”である決まった彼氏が居るから出来ることで、そうでないと「自由に羽ばたけない」そうである。
 彼氏は母港で、浮気はたまの寄港先……と。

 何と虫の良いことばかり言うものだと呆れ返るが、その己の心根の厚かましさは、当のナオミ自身もわかっているようだ。
「まあ、身勝手なのはわかってるのよ。彼が似たようなことをしたら、たぶん私は激怒すると思うしね
 そのナオミは亀山氏に、自らそう語ったという。

 で、もっと呆れるのは、そのナオミのような女に対する亀山氏のコメントだ。
 例のナオミの行状について、亀山氏はこう言うのである。
「自由を謳歌しているナオミさん。もちろん、これは誰にでもできることではないし、倫理的にどうよと首をかしげる人もいるだろう。だが、私はこういった女性のありようも否定はしない。どんな結末になるかはわからないが、彼女が自由に生きることを断罪できない」

 ……ほほう、「自由を謳歌している」デスカ。
 ベストパートナーであるという本命の彼氏を裏切って、他の男とも遊んで股を開くのが「自由に生きる」デスカ
 ものは言い方ですナ、本当に。

 このナオミとやらの所行には、黒沢は「倫理的にどうよと首をかしげる」どころか、記事を読んでいて「このユル股ビッチめ!」と唾でも吐きかけてやりたい気分になった。
 そしてこの貞操観念の薄い女の単なる浮気性を「自由を謳歌している」だの「自由に生きる」だのと持ち上げて美化する亀山氏の論調に、ナオミの所行よりさらに胸がムカつく思いだった。
「こういう言葉遊びで、単なるビッチの浮気癖を正当化するバカが、浮気女をより図に乗らせて、世の中の風紀をより乱れさせるんだ」と。

 亀山氏はナオミを「断罪はできない」と言うが、浮気は悪いことに決まっているじゃないか。黒沢ならただ「倫理的にどうよと首をかしげる」どころか、「このヤリ○○、尻軽女が!」と思い切り責めてやるべきと思う。
 それに当のナオミ自身が、「身勝手なのはわかってるのよ。彼が似たようなことをしたら、たぶん私は激怒すると思う」と認めている。
「自分がされたら厭なことは、他人にもするな」という事くらい、小学生でもわかっている筈だ。
 しかし下半身の自由を謳歌しているナオミは、それでも本命の彼氏(母港www)はキープしたまま、浮気と男遊びは今後も続けるつもりらしい。

 呆れたことに、亀山氏はこのナオミに大いに共感しているのだ。
「こうした女性たちは、結婚して夫に養ってもらいたいなどとは考えていない。結婚しても仕事を続けるのは当たり前、自分の食い扶持ぐらい自分でなんとかするものだと、はなから思っているタイプだ。だからこそたくましく、いっそ清々しささえ感じてしまう」
 そして亀山氏は、ナオミのような女についてさらにこうまで言うのだ。
「ちゃっかりしていると言えなくはないのだが、こういう腹をくくったような女性たちが私は好きだ。自分の欲望に忠実な女たちに幸あれ、と私は心の中でエールを送る」

 あのネ、亀山さんよ。世の中の大多数の男性は「結婚して妻に養ってもらいたいなどとは考えていない」し、「結婚しても仕事を続けるのは当たり前、自分の食い扶持どころか家族の生活費もなんとかするものだと、はなから思っている」のだよ。
 この男女平等の世の中で、男が当たり前にしている事を女もしているというだけで、そんなに偉くて特別扱いしなきゃいけないんデスかね?

 亀山氏に問うが、「結婚して妻に養ってもらいたいなどと考えておらず、結婚しても仕事を続けるのは当たり前で、家族の食い扶持も何とかするものだと思っている」男性が、本命の彼女を母港としてキープしつつ他の女とも遊んで浮気を繰り返していても、「たくましく、清々しい」と思い、「自分の欲望に忠実な男たちに幸あれ」とエールも送ってくれる筈だよね?
 だって、「男女は平等」だもの。女の浮気は「自由を謳歌する」だけど、男の浮気は「許せない!」なんてふざけた事、言ったりしないよね?

 亀山氏が紹介した記事のナオミという女を、男女の立場を入れ替えて考えてみよう。
「結婚して妻に養ってもらいたいなどと考えておらず、結婚しても仕事を続けるのは当たり前で、家族の食い扶持も何とかするものだと思っている」“ナオヤ”という男性がいたとして。
 そのナオヤには本命でベストパートナーの彼女が母港としているが、ナオヤは遊びに行きたい先に合わせて別の女性とも浮気をしている。
「自由を謳歌しているナオヤくん。こうした男性のありようも否定しないし、彼が自由に生きる事を断罪できない。その生き方はたくましく、いっそ清々しささえ感じてしまう。ちゃっかりしていると言えなくはないのだが、こういう腹をくくったような男性たちが黒沢は好きだ。自分の欲望に忠実な男たちに幸あれ、と黒沢は心の中でエールを送る」

 ……何かさ、ものすごーく気持ちワルい意見に聞こえないか?
 ただの浮気を「自由を謳歌している」だの「自由に生きる」だの「たくましく清々しささえ感じる」だのと美化した揚げ句に、「自分の欲望に忠実に生きる者に幸あれ」って。
 ソレが女性だと、単なる男遊びも時代の先端を行く進んだ人のすることのように言われてさ。
 でも男が同じことをすると、「オンナ好きの浮気男が、ネボケたこと言ってんじゃねーよ」って話になって責められる

 男も女もなくて、男女平等。だったら浮気もどう言葉を飾ろうと、人としてやっちゃいけない悪い事に決まってるでしょ。

「自由を謳歌している」だの「自由に羽ばたく」だのと言ったところで、結局は貞操観念なく複数の男に股を開いてるだけじゃん。
 それを「たくましく清々しささえ感じる」だの、「自分の欲望に忠実な女たちに幸あれ、と私は心の中でエールを送る」って、「亀山さん、貴女は正気デスカ?」と言いたいね。

 あと、本命の恋人を裏切って別な異性とも遊び続けることを、ただ「ちゃっかりしてる」と言ってのけるあたりも、黒沢は亀山氏の神経を疑うよ。
 それは「ちゃっかりしてる」んじゃなくて、「神経が図太く倫理観に欠けている」だけだってば。

 今、日本人の喫煙率は下がる一方で、とうとう二割を割ったということだ。
 黒沢も煙草をキッパリ止めている元喫煙者だけに、それは喜ばしい事だと思っている。
 ただ同時に残念な事もあって、全体および男性の喫煙率が下がる中、女性の喫煙率だけは上がってるんだよね。

 正直に言って、現代の日本の女性は劣化して行く一方ではないかという気がする。
 煙草を止める男性が増えている反面、女性は煙草を吸い始めて。そして男性の初体験年齢が上がり、性体験の無く恋人もいない奥手の男性が増える一方で、女性の“肉食化”が進み、例のナオコさんではないけれど浮気を平気でする女性も珍しくなくなった。

 ネットで盛んな“女叩き”に安易に乗るつもりはないけれど、亀山氏の紹介するナオコさんのような女性が現に増えているのは事実なのだ。そして亀山氏のような女性の言論人も、貞操観念の薄いビッチな女性を「たくましく清々しささえ感じる」と擁護し、エールまで送っている始末だ。
 その『二股恋愛ノススメ』のような亀山早苗氏の記事に、毎日新聞ともあろう全国紙が紙面を大きく与え、結果的に「日本中の遊び好きで浮気な女性達にエールを送る」ことになっている現状もまた嘆かわしい限りである。
 それらの様子を見ていると、男性が恋愛に積極的になれなくなり草食化が進む理由もよくわかるし、黒沢自身も「結婚なんてしたくねーな、墓場どころか責め苦が永く続く地獄だろ」と思ってしまう今日この頃である。

PageTop